開票速報の不思議・・・
第20回統一地方選挙が、4月9日(4月第2日曜日)と23日(4月第4日曜日)に行われます。
選挙と言えば、2022年7月に行われた参議院議員選挙中で、選挙応援演説中の安倍元首相狙撃事件が日本中に大きな衝撃を与えたことは記憶に新しいことでしょう。
さて、選挙後の開票速報がテレビ・ラジオ各局で放送されますが、多くの人が疑問を持たれているのは「開票が始まった直後になぜすぐに当確(当選確実)が出るのか?」・・・ではないでしょうか。どのようにしてあれほど早く発表することができるのでしょうか?
業界用語では【ゼロ打ち】という言葉があります。開票開始後、開票率が0パーセントに近い時点でテレビ局が事前の取材や「出口調査」などを行なった結果やすべての選挙区からの様々な情報が集められて総合的に判断し、候補者の圧勝を確実なものとしたときに【ゼロ打ち】は行われています。
各社がいち早く当確の発表を競っているようにも感じられないでしょうか。開票は投票用紙を機械に通して300票や500票の山に分けて集計をしていきます。マスコミの記者たちは双眼鏡でその票の山を覗き、事前調査と照合しながら誰の票なのかを確認します。番組制作に膨大なお金と人手を費やして「○○よりもこっちの方が早かった」といった業界内部での争いの影響によるのだそうです。
テレビでは放送法第4条「政治的に公平であること」という法律があります。それによって縛りがきついという状況が存在しているのです。ニュースの提示は、事実に基づいていて、客観的なものであるのが報道の基本とされています。日本の政治報道は「客観・中立」が原則。しかし、「中立」とは「公平でバランスが良い」と捉えることもできますが、批判・評価がなく、各政党の発言を放送して終わりのような番組になってしまっています。
アメリカにも地上波の放送を対象とした公平原則「フェアネス・ドクトリン」というものがありました。1987年に廃止されてからは、FOXニュースは共和党、CNNやNBCは民主党を支持しています。
日本の国政選挙では、税金が600億円ほどかけて行われています。投票率が上がらない原因としては、結果が見えていて選挙がつまらないから、という意見があるようです。また、選挙期間が短いため、各政党や候補者の政策を理解し比較検討ができないので、熟考した結果の一票を投じる相手を決められないのも要因ではないでしょうか。
アメリカの大統領選は予備選挙から始まって、1年間ほどの期間があります。多くの情報が報道され、テレビ討論会も数回行われます。ですから、有権者はじっくりと自分の考えをまとめていくことができるのです。
国民が「選挙」で知りたい情報は当確などの結果ではなく、当選された候補者の情報、特にどういった政策を行なっていくのかについてではないでしょうか。選挙結果を見て「どうしてこの人が当選したのか」ということに対する検討は必要と思われます。政党による与党になるための議席確保を単に知名度の高い人の擁立(当選確率が高いと見込まれる)については、私たちが本当にこの国のために必要な人材かと十分な考察が必要と思われます。
政治家が人々の声に耳を傾け、的確な判断をして国のため国民のために有益な政策が実施されていくことを国民は政府に願っています。なぜならすべての主権を持たれている神様(イエス・キリスト)が、その統治をそれぞれの国の政府機関に委ねられているからです。クリスチャンはそれが実行されていくことを祈り続けています。
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