宗教二世問題
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の報道が連日にわたって自民党議員との関わりを取り上げています。しかし、宗教二世問題にもっと焦点が当たらなければならないと考えられます。なぜなら、二世の人々は信者になる、ならない以前に信仰者である親の影響を受けます。ある統一教会二世の女性はこのように語っています。
「子供は親がいなければ生きていけません。親から信仰を求められれば、逆らうことなどできないのです。それに私は、親に幸せになって欲しいという思いもあったので従いました。私と違い、親の求めに逆らって早くに家を出た兄弟もいました。入信しなくても、やはり人生は大きく影響を受けます」
旧統一教会では、合同結婚式で教祖から「祝福」を受けた夫婦の子供には「原罪」がない、つまり神の子供とされるのです。一方で、「教祖の教えに反すれば子孫が地獄で苦しみ、本人や家族も不幸になる」といった恐怖心を植えつけます。信仰に熱心になるように巧みにマインドコントロールをしていくのです。そしてその影響は、親を通して子供や孫という立場が弱い存在を巻き込むのです。
この宗教二世問題は以前からありました。
エホバの証人(ものみの塔聖書冊子協会)の家庭における子どもへの虐待も該当します。
輸血拒否、体育の授業で戦いに関わるもの(柔道や剣道など)への参加禁止。家庭内では誕生日を祝うこともありません。言いつけを守らなければ、子どもは親からムチで打たれるのです。かつては大学などの高等教育への進学も必要ないとされていました。
教団の教えに反する行動、言動をすると、場合によっては未成年でも「排斥」(除籍)などの処分があり、そうなると親子関係が断絶させられてしまうのです。排斥となった人間とは接触してはいけないと教えられているからです。ですから、排斥者は家庭内でも村八分状態になってしまいます。
幸福の科学では、組織的に二世たちを囲い込みます。教団施設内にある学習塾、幸福の科学学園(中学・高校)、大学としての認可を得ていないハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)へ入学させて教育をするのです。教育基本法では、学校による政治教育や政治活動は禁じられています。
しかし、幸福の科学学園では、たとえば歴史の授業では、教祖の「霊言」に基づくことを教えます。「シュメール文明の王は宇宙人の指導を受けていた」「坂本龍馬の過去世は劉備玄徳(後漢末期から三国時代の武将、蜀漢の初代皇帝)」。教祖の著書を授業でも採用しています。また、幸福実現党を支持する内容の授業もあるのです。(←明らかに法律に抵触しています)学園の卒業生たちは多い年では8割ほどがハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)へ進学、その中には有名大学入試に合格してもHSUへ入学するケースもあるようです。教団や親から強要されるケースは稀で、親と教団から、そうすることが素晴らしいと教育されてきているので、自ら選択しているようなのです。しかし、一般の大学を卒業した新卒者のように就職ができないという困難な状況を迎えて、その境遇に苦しむ二世もいるのです。
創価学会では、幸福の科学のような宇宙人や過去世を取り上げるなどの、通常であれば理解が困難な教義を系列学校で教育はしていません。また、エホバの証人のように子供の生命に大きな影響を与える戒律(輸血拒否など)もありません。しかし、二世問題は存在しています。
一生懸命に「勤行」(「南無妙法蓮華経」の題目を唱える)を行うことで功徳があるとされます。一方で、教えに反すると「バチ」が当たるとも教育されていきます。不安や恐怖が常に緊張を生むという状況をつくり出しやすい環境であるわけです。以前は密接な関係であった日蓮宗の一派・日蓮正宗は、他の宗教・仏教の他の宗派の信仰を一切認めない姿勢を取っていました。そのためにある二世は「神社の鳥居をくぐると頭痛がする」ようになり、修学旅行を満足に楽しめなかったという人もいます。幹部の子供が親から創価大学へ進学するようにと強要されるケースもあるようです。
二世の人たちは、信仰のために幼少期にいじめを経験することがあります。しかし、彼らは大人になってからも社会の中で苦しんでいるのです。社会的な経験がほとんどない上、組織や親の言うことに従って長年生活してきているため、自己判断能力が欠如している大人となります。そのため生活していく上での糧を得る方法を得られないといったケースもあります。
災害や事件を体験した人たちはとても強いストレスを感じます。
ところが、二世の人たちは長年にわたって、これらの状態に毎日身を置いて過ごしているのです。残念なことに日本の社会では、彼らの救済措置及びケアは充分に整備されていないのが実情です。二世問題がいま大きくクローズアップされていますが、この機会が国・自治体、そして社会が問題解決へ向けて動き出すキッカケとなることを望みます。
聖書にはこのような記述があります。
人が初めて経験する人間関係は「親子の関係」です。この関係はその人の生涯にとても大きな影響を与えます。親に対して子供が素直な心を持つことができないと、親の忠告・経験・教えを受け入れなくなります。自分になぜそう言うのかを理解しないのであれば、人生において多くの時間をムダに悩んだり苦しんだりすることになります。そして、世の中に対しても同じように接することになり、恨みを持ったり敵対する姿勢を取るようになってしまうのです。
親の力や権力、恐怖心を与えては子供との関係を良好なものにはできないのです。「子供の言い分をしっかりと聞き、子供の感情と思いを理解した上で、子供が従えるように親は導く」それが大切なことだと聖書は教えているのです。学校での教育が教育の全てではないのです。それ以上に大切なのは「道徳教育・社会教育」です。人として生きていく上での必要なルールを学び知ることが必要ではないでしょうか?
主=創造主なる神は、人が幸せになることを願っています。その神の教育を受けることは本当の意味での幸せにつながるものなのです。
聖書は生きていく上で必要なもの、大切なものを教えてくれる書物です。 ぜひ聖書を手に取り読んでみてください。
単立バプテスト 苫小牧キリスト教会のホームページではさまざまな情報を発信しております。
どうぞご覧ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?