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ナウシカ、ラピュタ、トトロのストーリー分析

最近、映画のストーリーを分析しながら、盛り上がりの度合いをグラフ化するっていうのにハマっていて。これ、楽しい。note主催のシナリオ講座で、たちばなやすひとさんにやり方を教えてもらいました。自分がやりやすいように、フォーマットをちょっと変えています。

今回は、年始から時間があったので『風の谷のナウシカ』と『天空の城ラピュタ』、『となりのトトロ』の3作品のドラマカーブをそれぞれ視覚化してみました。ネタバレありです。

『風の谷のナウシカ』のドラマカーブ

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ナウシカは戦争に巻き込まれる辺境民族のストーリーなので、全体的にスコアが低めで悲しい出来事が多い。冒頭のユパ様の再会シーンで盛り上がるけど、すぐにトルメキア軍に侵攻されてじわりじわりと下がっていって、腐海におっこちたり、虫を戦争に使うのを阻止しようとしてひどい目にあったりして、ようやく最後に青き衣の者が金色の野に降り立ってめでたしめでたしなんだけど、一番の盛り上がりがエンディングが終わった最後のシーンだったりして「おぉーー」っとなる。

『天空の城ラピュタ』のドラマカーブ

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ラピュタは、メインキャラクターが二人いて、その出会いから始まって仲良くなって盛り上がってくんだけど、捕まってからどんどん下がっていって。脱出してから盛り返すもラピュタでまた捕まってじりじり下がって、で、最後にポーンと上がる、と。ここらへん、分かりやすいカーブを描いている。

『となりのトトロ』のドラマカーブ

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トトロは、母の病気という暗い背景がありつつ、田舎の一軒家でのびのび暮らしているので、明るいシーンが多い。ツライできごとがあっても、父のおおらかさがそれを打ち消したり。姉妹の強さと頑張りも。不思議な生き物トトロに会う過程でどんどんグラフが上がっていくのだけど、終盤の病院の電報からメイが迷子になるあたりでどんどん下がっていって、でも最後にまた上がる、と。このグラフがマイナスにいかないところが、子どもも楽しめる作品という事かも。

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分析のやり方としては、Excelを使って分刻みでストーリーの盛り上がりをスコアリングしていきます。良いことが起きたらプラス、悪いことが起こったらマイナス。で、そのスコアの変遷を折れ線グラフに。どこらへんにストーリーの盛り上がりがあるかを目で見て確認することができます。やっぱり、そのストーリーが感動できるかどうかは、最後の盛り上がりにかかってますね。で、ピークのあとにちょっとしたエピローグが合って「おしまい」、みたいな。そんな余韻。やっぱり、良い映画ってストーリーがしっかりしているし、分かりやすいカーブを描いている。

もちろん、全部が全部計算でできるものではないけど、何度も観て楽しんでる作品をこうやって改めてグラフ化しながら観てみると、今まで気づかなかったことが見えてきたりもして。これ、面白いです。

ストーリーテリングの手法を学ぶ、勉強になります。


「日曜アーティスト」を名乗って、くだらないことに本気で取り組みつつ、趣味の創作活動をしています。みんなで遊ぶと楽しいですよね。