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夏バテと熱中症

毎日暑いですね𓇼
年々暑くなっているような気がするし、テレビから聞こえる最高気温更新は気が滅入る。
今日は夏バテ・熱中症のしくみを知って、今年の夏を元気に乗り切れたらと思う。

影の功労者

夏バテに医学的な定義はない。
夏はとくに疲労がたまりやすいことから、その名が付いたそうな。ではなぜ夏に疲労がたまりやすいのか、ポイントは「体温調節」にある。

体温を調節しているのは「自律神経」だ(僕の投稿ではよく出るワードだね)。
周囲の温度変化に合わせて、汗のかき方や心拍数、呼吸の回数などをコントロールし、放出する熱の量を調節する。もちろん体温調節だけでなく、さまざまな生命活動を維持してくれている。

夏は外気温の上昇で深部体温が上昇しやすい。
さらに屋内外で大きな温度差がある。
このような状況で自律神経ははげしく活動し、その中枢がオーバヒートしやすく、夏バテを引き起こす。
疲れは肉体の不調と誤解されるが、(実際は)自律神経のはたらきの低下を感じ、あえて体の疲労として自覚させ、自律神経中枢にかかる負荷をおさえようとする。これが夏バテの主な原因だ。

夏バテ対策は睡眠?

夏バテを予防するには、自律神経を休ませ、脳温度の上昇をおさえることが重要だ。

低下した自律神経のはたらきを取り戻すには、睡眠しかない。
睡眠で自律神経を十分に回復させるために重要なのは「寝汗をかかないこと、いびきをかかないこと」。
寝汗をかくのは、体温を調節するために自律神経がはたらくから。そう、自律神経は休めていないのだ。エアコンはつけたままにして、布団などをかけて寝るとよい。

いびきは気道がせまくなることで起こる。取り込む酸素が減り、心拍数を上げたりするため、自律神経がはたらく。この場合も自律神経は休めていない。
あおむけではなく横を向いて寝ると、気道がせまくなりにくく、軽いいびきなら改善することもある。

「眠る姿勢」について書いているよ▷▶︎▷

自律神経のはたらきは、年齢を重ねるごとに低下していく。
だから年齢が高い人の方が、夏バテに注意する必要がある。また男性より女性のほうが、自律神経のはたらきが低いため、女性はとくに気をつけてほしい。

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熱の収支バランス

熱中症とは、高温環境によって人体に発生するさまざまな障害の総称だ。
昔よく言われた「熱射病」は、熱中症に含まれる症状の一つ。

内臓や筋肉の活動で熱が発生することは知ってるよね。皮膚から熱を逃がしたり、汗を蒸発させたりして熱の収支バランスがとることで、体温は37℃前後に保たれる。
でも気温が高くなり、皮膚と周囲の空気との温度差が小さくなると、熱が放出されにくくなる。
気温のほうが高ければ、皮膚を通して熱が体内に入ってくる。湿度が高いと、汗をかいても蒸発せず、熱放出の効率は下がる。

そうなると熱収支のバランスはくずれ、体内に熱がたまる一方だ。
体温が上昇し、大量の汗で水分や塩分は失われ、脳や内臓・筋肉にアラームが鳴る。めまいや失神、頭痛、吐き気etc…これが熱中症のメカニズムである。

汗をかこう

気温が高くなくても湿度が高いなど条件次第で、熱中症は起こりうる。

いわゆる「暑さになれる」とは、気温に応じて汗が出るなど、暑さに対する体温調節反応が早いということ。一般的にその状態になるまでに3-4日かかるそうだ(あくまで一般的にね)。
ベタな話だが、毎日少しずつ汗をかくことは暑さ対策に有効だと言われる。過ごしやすい時間帯に散歩したり、無理なく汗をかいてほしい。

当たり前のことを当たり前に

自分の意思で自由に動けない乳幼児は、汗をかく機能がまだ未熟で、同じ気温でも大人より熱中症になりやすい。
中高生は部活だったり、高齢者は自宅内でも熱中症になる。

【熱中症予防のために】
1. 暑さになれる
2. こまめな水分補給
3. 無理をしない

【熱中症の応急処置】
1. 体を冷やす
2. 水分補給
3. 医療機関へ運ぶ

「Newton 別冊 健康の科学知識」

どれも知っていることだが、一人だとできていないことも多い。
知識や経験を活かすのは人間、誰かを助けるのはあなただ。僕もそんな人間になりたい。

参考:『Newton 別冊 健康の科学知識』


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