ブレインパフォーマンスを上げる「ローアルファ波トレーニング」
「Have to」が能力低下を招く
人間は、「しなければならない」と感じている時、ブレインパフォーマンスが低下します。
ブレインパフォーマンスとは、記憶力、認識力、理解力、問題解決力など、思考にまつわる脳機能のことです。
「怒られたらヤダなあ」
「やりたくないなあ」
「早くここから逃げ出したい」
上記のような感覚は、雑念、不安、緊張などを生み出します。
「しなければならない」という感覚で何かをしている人は、常に緊張状態でストレスを受けながら思考や行動をしていることになるのです。
そのような状態では、思考も停止気味になり、明るい未来をイメージするどころか、簡単なアイデアすら思いつかなくなるでしょう。
本来のブレインパフォーマンスを発揮し、さらに向上させるには、上記とは反対に「体と脳をリラックス状態にする」必要があります。
つまり、Have to「しなくてはならない」ではなく、Want to「やりたい」「したい」という状態がベストなのです。
機能脳科学の視点で考察する
「ブレインパフォーマンス」を脳波のレベルで考えてみると、
デルタ波
ベータ波
シータ波
アルファ波
ガンマ波
脳波はこのようにわかれています。
脳波研究は、1924年に精神科医ハンス・ベルガー氏が、人間の脳における電気活動を記録したことから始まっています。
脳波とは、脳から生じる電気活動のことで、脳の状態と周波数帯域の強弱を表したものと認識しておくと良いでしょう。
一般的にリラックスしている時は、アルファ波が出ていると言われています。
主な例で言うと、ヨガの瞑想などです。瞑想をしている時は、ものすごくリラックスしている状態です。
しかし、リラックスをするのに、アルファ波ならなんでも良いわけではありません。
理想的には、アルファ波の中でも8〜10ヘルツの「ローアルファ波状態」が、もっとも良い状態です。
通常のアルファ波と比べると少し周波数が低いローアルファ波状態は、全体的にリラックスはしているけど、完全にフニャフニャ状態ではないということです。
レム睡眠時に多いシータ波や、ノンレム睡眠時に多いデルタ波は、アルファ波よりもリラックスをしている状態ですが、思考や日常動作には不向きと言えます。
しかし、瞑想をしても簡単にはシータ波やデルタ波になることはありませんので、心配しなくても大丈夫です。
「ローアルファ波トレーニング」
瞑想法だとか堅苦しいことは抜きにして、とにかくリラックスをしながら、「リラックスしすぎない状態」を目指しましょう。
そのために有効なのが「逆腹式呼吸」です。
本来、「生体機能は意識的にコントロールできない」と考えられていますが、呼吸、脊柱運動、腹部運動など、私の知るうる限りでは、いくつかの方法が存在します。
逆腹式呼吸は通常の腹式呼吸とは反対に、
息を吐く時→お腹をゆるめる
息を吸う時→お腹をへこませる
呼吸は最初、3秒吐いて3秒吸うようにして、慣れてきたら最大6秒ずつの、ゆっくりとした呼吸を目指します。
この方法を行うことで、より簡単にリラックスしながら「リラックスしすぎない状態」をつくり出すことができます。
リラックスをしすぎると、眠くなったり、ぼーっとしてしまいますので、「頭の中で色々なことをぐるぐると考えられる状態」が、指標としてはちょうど良いと思います。
その際は、ネガティブ感情に気をつけてください。
リラックスをしていれば、基本的にはネガティブ感情が湧きずらいですが、敢えてネガティブな話題を頭でぐるぐる回してしまうと、そこから緊張が生まれ、うまく「ローアルファ波状態」をつくることができなくなってしまいます。
前向きにトレーニングを続けて、常に「ローアルファ波状態」を維持できるようになれば、ブレインパフォーマンスは格段に上がり、仕事や日常生活がより快適になるので、ぜひ試してみて下さい。
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