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「セルフコントロール」コグニティブバイアスを操作する方法+クッショントレーニング

世界観、情動の偏り

人間は何かしらの情報に触れた時、必ず自分の世界観でその情報を見てしまい、さらに情動までもが介入してきます。

自分の世界観や情動に振り回されると、冷静な思考や判断が困難となるのです。

・自分の世界観とは違うから他人を嘘つきだと思う
・○○さんの言うことは大体デタラメ
・あの人は嫌いだから間違っていると思う

短絡的な情報の捉え方を一般的には認知バイアスといいますが、自分の先入観や希望的観測によって、事実や情報をねじ曲げて観てしまう現象を、ここではコグニティブバイアスと呼ぶことにします。

バイアス(bias)とは

「偏り」「偏見」「先入観」などを意味し、認識の歪みや偏りを表現する言葉として使われます。

コグニティブバイアスの危険性

コグニティブバイアスが恐ろしいのは、記憶も含めてバイアスがかかることです。

過去に実際にあったことも、それを思い出しながら都合の良い方向へ解釈してねじ曲げてしまうことさえよくある事です。

コグニティブバイアスが生まれる理由

コグニティブバイアスが生まれる理由は、自分の世界観や情動に自分自身が振り回されるからです。

自分の世界観を持つことは人間であれば当然です。なぜなら、すべての人には欲求があるからです。

「お金がたくさんほしい」
「もっと人に認められたい」
「モテモテになりたい」など
これらは人間が持つ自然な欲求です。

私たちは、細胞レベルでも欲求を持っており、それがない人はほぼ皆無です。

すべては情報

欲求のことを認知科学では情報として扱います。細胞レベルの感覚や欲求ですら、脳にとってはひとつの情報にすぎないと考えられているのです。

先に挙げた「お金がたくさんほしい」「もっと人に認められたい」「モテモテになりたい」という欲求も、脳にとってはただの情報です。

涼しい、辛い、気持ちがいい、誰かが好き、あの人は嫌いというのも、同じ情報となります。

クッショントレーニング

クッションとは

セルフコントロールをする方法として「クッショントレーニング」を提案します。

クッションというのは"間を与える"、"スペースを作る"という意味で、その対象は欲求、つまりは「情報の間にクッションを挟む」ということです。

これに似た方法として思い浮かびそうなものに中国禅がありますが、「無になる」とか「考えないようにする」のとはむしろ反対の方法となります。

クッショントレーニングは"何も考えない"のではなく、欲求(情報)と自分の間にクッションを挟み一時的にコントロールをして、すべてを見る、客観視するというものです。

トレーニングの方法

「しっかりと自己を観察する」という行為は、古代からの英智とも言うべき人類のテクニックです。

人は「なんかお腹すいた」と思うと、冷蔵庫を開けたり、お菓子箱をのぞいてみたり、食べ物のことばかりをイメージしてしまいます。

そのタイミングで頭の中で欲求(情報)にクッションを挟んでみると、「なんかお腹すいてるけど、あ、もう少ししたら夕飯か、、なら少し我慢してみよう」となります。

クッショントレーニングを続けていけば、あらゆる欲求や情動に対して、その効果を発揮することでしょう。

トレーニングパターン

「イライラしたからアイスクリームを食べまくって、友達と悪口を言い合ってしまった」

このようなパターンでも、情動や欲求の間にクッションを挟めば、
イライラした理由は?
「○○だったから」
その場合どうしたらいい?
「次は○○しよう」
アイスクリームを食べまくるのは?
「私ダイエット中だった、少しにしよう」
人の悪口を言うのは?
「良い事ではないよね」
「なるべく人の良い所を探そう」
このようなマインドセットになります。

人は他人に危害を加えられた場合、特に強い情動が溢れ出てくるものです。

バッグを盗まれてしまった…
「どうしよう!どうしよう!」
「困ったなぁ、もうダメだ!」
「盗んだヤツ、アイツ!絶対に許さない!」

このパターンでも情動にクッションを挟んで、
どうしよう、どうしよう、、?
「思っていても何も始まらない」
「警察に被害届を出そう」
本当にもうダメなのかな?
「カードの再発行は手間だけど、現金も入ってなかったし、、ダメではないな」
アイツ許さない?
「許さないも何も、日本で私刑は憲法第31条で禁じられてるよね。自分が犯罪者になってどうするんだ」
このようなマインドセットになります。

トレーニングのポイント

クッショントレーニングのポイントは、情報の間に挟むクッションのタイミングとイメージ、そして状況を言葉にして意識に上げるところです。

・なるべく欲求や情動が生まれた瞬間に頭の中でクッションをイメージしましょう。

・クッションの色や形はお任せします。ただし、そのクッションにはこう書いてあります。「状況を言葉にする」

イメージのクッションに書いてある「状況を言葉にする」の理由は、状況を言葉にして捉えれば自然と俯瞰した物の捉え方、つまりメタ思考になるからです。

欲求や情動のみで状況を理解し判断するのではなく、クッションを挟んだ一段上の視点から一時的に情報を捉える事で、情動から離れ、どうすればいいのかを論理的に判断できるようになるのです。

人間の感情はボリビアのウユニ塩湖の景色のように真っ白で美しいものばかりではありません。嫉妬、憎しみ、悪魔のような怒りなどは、人間の思考や行動に大きな影響を与えます。

感情は情報なので、それそのものをなくすことはできないかもしれませんが、思考する時はできるだけクッションを使って切り離す必要があるのです。

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