500年続く「株式会社 虎屋」の成功事例
皆さんこんにちは、TOMAコンサルタンツグループの藤間秋男です。私の著書「中小企業の『事業承継』はじめに読む本」より、事業承継の準備から承継後までの重要なポイントをお届けさせていただきます。
これから皆さんに、私共が色々と調べさせていただいた「老舗」の事例を挙げさせていただきたいと思います。
まずは老舗の代表とも言える、『虎屋』さんですね。『虎屋』さんについて色々とお話を聞かせていただいた事などをお届けしたいと思います。
500年続いている、実際はもっと長いそうですけど、『虎屋』さんがよく言うのです、「うちは500年続いているけど、来年残る保証はない。」これですね、一番経営者にとって感じていただきたい言葉です。
大体20年、30年くらい続くと、みなさん「うちはもう来年も再来年も10年後も残っているから」ってよく言われますけど、残らないんですよ。やっぱりこの危機感から色々なことが出てくるのではないかと思います。
『虎屋』のバトンタッチと【決意表明】
最近ですね、『虎屋』さんはバトンタッチをされました。
実は是非皆さんにもバトンタッチの時におすすめしたいんですけれど、二人からの気持ちのお手紙を一つの封筒で「譲るにあたって」「譲られるにあたって」っていうことで二つお手紙をいただきました。
私は感激しました。まずですね、先代が「私は50年以上会社に関わってきて、リーマンショックやバブルなど色々な困難を乗り越えてきた。ところがコロナが来て色々な変革ができる中で、自分では乗り切れない、若い力が必要である」と言って、このコロナの時期に「バトンタッチ」をされているんです。
やはりそういう思いってすごく重要だと思います。私も最近私どもの業界の日本一みたいなのがあって、色々なソフトを見に行ったですが、「わ~、私は譲って良かったな」って思いましたよ。
大変ですよ、やっぱり色々なソフトや色々な考え方がどんどん出てきて、やはり若い力じゃないとダメだと思いました。
ですから、黒川さんもそろそろ潮時だということで、バトンタッチを考えられたんだろうなという風に思います。それから「譲られる者」として、次の後継者が社長就任の挨拶の時に書いていたのが、「昔から私は決意していた」というようなことの【決意表明】ですね。
ただし、そこにいくまでは先代と、とにかく色々な理念のすり合わせをしたり、色々な議論をしながらここまでやってきた。今回そういう形で受けたが、私としてはこれをさらに伸ばすため、永続企業にさらにするために、自分としては覚悟をして色々なことに打ち勝っていきたいというようなコメントを頂きまして、涙が出ました。
やはりそうやって決意表明をするというのは凄く重要だし、何かある度にそれを見て、その時の気持ちを伝えていかなければいけない、そういう必要があるのかなと思います。
私はやはりそうやって決意を新たにすることってすごく大事だろうと思います。
ですからそういう意味では、「譲る側」「譲られる側」それぞれ決意を持ってきちんと継がれる。なおかつその先代は「代表取締役会長」として、当分は「後継者」の応援団長になるというところだと思うので、『虎屋』さんはますます上手くいくと思います。
『虎屋』の承継ルール
そして『虎屋』さんは「1代必ず1家族しか入れない」というルールを持たれているんですよね。
ですから、役員にも黒川姓は社長と会長しかいない。500年続いていて、何百人という社員の中で同族がいない。これ、素晴らしいですよね。これが永続するコツかなぁと思います。
やはりそうやって一貫した承継の考え方を持つ、それが重要だと思います。承継のルールというのを作っておかないといけない。
「兄弟から入れて欲しいなぁ」とか、親戚から「是非入れて欲しいな」って、そういうのが何故まずいかというと、能力があるならいいんですけどけれど、能力がなくてそういう人が入ると、何となく上にもしなきゃいけないし、周りも「あの人能力ないのに、親戚だから入れたんだ」みたいなことがあると、やはり良くないですよね。
ぜひそんな経営を目指して、継続する会社を作っていただきたいと思います。「バトンタッチ」が重要なんです。
自分が今やったらまだ会社はうまくいくと思っていても、次の代を作って次の代に託して、並走しながらやっていく。当然先代が、例えば70歳だったら、あと30年もできないですよね。
70歳だったら次の代に譲って、次の代を作って2人で二人三脚でやりながら徐々にフェードアウトしていくという形が本来です。
TOMAグループも同じです。そうやって「バトンタッチ」を適時でやっていくことができないと、1人の人で100年経営できないのだから。是非そんな思いでやっていただきたいと思います。ありがとうございました。
事業承継や後継者育成でお悩みの方、下記よりアクセスしてください。皆さんの力に必ずなれると思います。是非、お待ちしておりますのでよろしくお願いいたします。
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