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犬の笑顔

犬がニコニコ笑ってる。
人間がそう感じるだけで犬はけして楽しくて(嬉しくて、喜んで)笑っているわけではない、と言われたりする。笑っているわけではなくそれは服従の表情だ、とか、長い人間との付き合いの中で、こういう顔をすると人間が喜ぶからしているのだ、とか。
理由はどうあれ犬は笑う。そしてそれをみて飼い主も嬉しくなって笑う。暖かく柔らかい空気が漂う。いいじゃないですかーそれ。それで十分ですー。
うちの子犬が初めてうちに来た頃、月齢は6ヶ月近かったけれど体は小さくてオドオドびくびくしていて、もちろん目は合わないしニコリともしないし(笑)大丈夫かな、ちゃんと慣れてくれるかなとちょっとだけ心配した。
うちに来て4ヶ月半。いつもニコニコしている。特にお散歩の時、とても嬉しそうにニコニコ、ニコニコ、あ、ひょっとして暑いから舌出して体温冷ましてるだけ?
いや、明らかに楽しんでる。体の動きや足取りの軽さ、尻尾の揺らぎ、どれを見ても全身から嬉しさが伝わって来る。それを見ている私達にも楽しさが伝わって来て、ウキウキして来る。
春だねえ、いい天気だね、晴れて良かったね、良い季節になったね、お散歩楽しいね。
そんなふうに声掛けながら歩く。
お散歩を始めたのは12月。冬の始まりで、ほんの少しの距離、ほんのちょっとの時間の「外気浴」。1月になってワクチンや狂犬病の予防接種も全部終わってやっと酸素らしい散歩が始まった。街は冬枯れていて、木々は芽を固く守り、地面は草を少しだけ生やし、歩いていても枯れ葉が地面を覆っているような、ずっとそんな風景だった。
2月頃から少しずつ、ぽっちりとした緑の花の芽が付いているのを見たり、単なる草むらだったところから花がスーッと伸びてきたり、春がそこまで来ているのを感じながら、ようやく真っ直ぐトコトコ歩くようになった犬と散歩をした。
3月になると、早々と桜が咲き、桜が散り、ハラハラと花びらが散る中をトコトコからスタスタに変わった犬のリードを引きながら歩いた。
4月はもう、ダッシュだ。走る走る。ヒトは汗をかく。犬は舌を出す。暑いねー。暑いねー。水を飲む?途中のベンチで水を出してやると美味しそうに飲む。それがルーティンになりつつある。
犬も成長してるし、散歩も進化してる。犬はずっと笑顔。
もちろん途中で犬に出会って「怖い!」と逃げるルートを取ることもある。でもそれも、変にギクシャクせずさり気なくやり過ごせることが増えて来た。そういうところも成長してます。

犬の笑顔をまた見たい。ずっと見たい。

ところで、だんだん暑くなるけど、その辺はどうしたものか…。対策を考えないと。16年前に比べて夏が異常に暑くなっちゃったからね。



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