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ジャニーズ事務所の「性被害」

こんにちは、羽原です。
今世間を騒がす「ジャニーズの性加害」について個人的な意見を話していこうと思います。

僕はゲイというセクシャリティの中で20年以上生きてきました。
その中でできるだけ言葉を選んでこの件についてお話ししたいと思います。

①事件の残虐性

事件は大手男性アイドル事務所ジャニーズの社長であるジャニー喜多川氏が1970年代より事務所に所属した10代の少年らに対して何十年にもわたって性加害を繰り返してきたという告発になります。
被害男性の数は数百〜数千人と言われ日本史上最大の性的虐待事件と言えるでしょう。
善悪の判断ができない年齢の子を相手に仕事やデビューをちらつかせ行為を強制するやり方は残虐性が高く、人様の大切な子供を預かる芸能事務所としては到底許されることのない行為であることは間違いありません。
また、ジャニーズ事務所に逆らうことができず事実を知っていながらも何十年もこの事件を闇に葬ってきたマスメディアも事件の加担者であることは間違い無いでしょう。

②対処の失敗

2023年9月現在、ジャニーズ事務所所属のタレントを起用しているCMの降板や契約更新をしないなどの処置がドミノ倒しのように進んでいます。
これほど大きな問題となることはジャニーズ事務所側は想像できていなかったのではないでしょうか。
個人的には今年の3月にBBCに取り上げた後に会見を開き、社名の変更や被害者の救済措置を行っていれば現在のような状態は免れたのではないかと感じます。
この事件は事務所改名の問題ではなく、事務所存続の問題レベルの事件です。
メディアが事務所の不祥事を隠蔽して当然という姿勢を長年行ってきたジャニーズ事務所からするとこの件も無傷で乗り越えられると思っていたのかもしれません。
実際、2004年に行われた裁判では喜多川氏の性加害があったことは認められていますが
メディアは一切報じることなく、闇に葬られました。
ただ、今回が2004年と違っていたのがネットやSNSの発達でしょう。
いくらメディアが報道を行わなくてもネットの情報までを事務所が統制することはできません。
今回の事件はネットというツールを甘くみていたジャニーズ事務所の対処ミスと言えるでしょう。
奇しくもジャニーズは長年ネットに対して消極的な考え方を行なってきました。
所属タレントの公式SNSが登場したのはここ2年ほどになります。
また、ニュースやネット記事でジャニーズ所属のタレントの写真を使うことが長年禁止してきた経緯もあります。
ネットを否定してきたジャニーズがネットによって崩壊する、そのような結果となった事件でした。

③忖度の方向性

9/7に行われたジャニーズ事務所の会見。
ここで初めてテレビ局側からジャニーズ事務所に対して過去に忖度があったことが明言されています。
今まで様々な噂であった話ですが、初めて明言されたことは芸能界の歴史的な日だと感じました。
ジャニーズ事務所への忖度。
有名なものだと事務所を辞めたタレントの起用を裏からテレビ局に手を回して出演させなくしたり、音楽番組に他事務所の男性アイドルグループの出演を禁止したり。
世間では実しやかに囁かれていた噂が現実であったことが今回の会見で明言されました。
ほとんどの分野は自由競争であることで発展し、レベルが上がっていきます。
男性アイドルはジャニーズがこのような措置を行なってきたことでダンスや歌唱力のレベルが高いグループほどチャンスを奪われてきました。
今更忖度をなくしたところで彼らの時間は返ってきません。
ただ、今後このようなことが起きないように、日本の芸能界のレベルを上げるためにこのような忖度を認め、撤廃してくれたことは非常に大きな一歩であることは間違い無いでしょう。

④個人的な思い

ここまで様々な角度からこの事件をお話ししてきました。
最後に僕の意見をお話しできればと思います。

まず言いたいのはこの事件の被害者である男性をSNS上で叩いたり非難するようなことはやめて欲しいというのが願いです。
性被害にあったと告白することはとても勇気がいる行為です。
特に「男性側が被害に合った」と告白することは現場、女性よりも言いづらい世の中です。
SNS上でジャニーズのファンの一部が被害男性の過去の言動や事件、行動を掘り起こして事件とは全く関係のない角度での批判を目にすることがあります。
例え過去に問題発言をしたり、何かしらの事件を起こしていてもそれは性被害にあったという事実を否定する物ではありません。
お金目的であろうが、売名行為であろうが被害に合ったことは変わりないのです。
なのでそこを批判することはお門違いですし、犯罪の片棒を担いでいるという自覚を持っていただきたいです。
次に「なぜ喜多川氏が生きている間に声を上げなかったのか」という意見です。
これの理由は単純で、声を上げても揉み消される可能性が高いからでしょう。
ご存知の通り2004年の裁判はもちろん、様々な暴露本にて喜多川氏の残虐な行為が暴露されています。
ところがメディアはこの問題を報じることはなく、暴露したタレントをテレビからいなくするという処置を取りました。
そのような措置を見てきて、声をあげようなどと思うでしょうか?
2004年の裁判で性加害があったと判決が出たにも関わらず事務所に所属している人は「噂では聞いていた」との意見ばかり。
周りに頼れるものもおらず、告白しても揉み消され、仕事も失う。
そんな状況ではとても暴露しようなどとは思いません。
喜多川氏の死、ネットの影響力、国連などの外部圧力など様々な要因が重なり、今回のようにメディアようやくこの問題を報じることになりました。
なので正確には「喜多川氏が生きている間に声を上げることができなかった」と言えます。

今回の事件は史上最悪のレイプ事件です。
メディアやジャニーズ事務所は自分たちの行ってきた行為を反省し、早く収束に向かうことを願っています。


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