AI相場は続くのか、Nvidiaの決算後シナリオ by Tom Lee
イントロ
みなさん、こんにちは。
来週はAI革命の元締め、Nvidiaの決算が水曜日に発表されます。
今決算シーズンの一大イベントと言ってもいいNvidia決算について、Tom Leeはいくつかのシナリオを示しました。
ローテーションか拡大か
冒頭、番組アンカーがNvidiaの業績が与える市場への影響について、人々は過大評価しているのか?と、Tom Leeに質問しています。
和訳(意訳含む)「いいえ、過大評価ではありません。Nvidiaが最も重要な企業の一つであるのは疑いようがありません。NvidiaのGPUがAIイノベーションをけん引する鍵なのです。Nvidiaのチップがあって初めて、その他すべてのAI関連企業がそれぞれの価値を提供できるのです。そういった意味で、来週は重要な一週間となります。」
次に、Nvidiaの決算がbeatした場合、もしくはmissした場合のその後の株式市場のシナリオについて、Tom Leeは以下のように見立てています。
和訳(意訳含む)「もしNvidiaの決算が市場のコンセンサスに届かなかった場合、明らかに大きな失望に変わるでしょう。現在の市場コンセンサスは、Nvidiaにとっても高いハードルです。ですから、決算をミスした場合は投資家は神経質になるでしょうが、実はマーケットの裾野が広がる前兆となる可能性もあります。つまり、現在Nvidiaの株を大量に保有している投資家たちは他の有望な投資先を探すはずですから。あるいはもしNvidiaが期待以上の決算を達成した場合は、これまで株式市場から避難していた大量の資金が流入するでしょう。この場合も、現在の上昇相場をさらに加速させることになります。ここのところ好調なエネルギーや素材セクターがその受け皿になるかもしれません。とはいえ、もちろん好決算が出た方が良いことに異論はありません。」
このように、Tom Leeは全体の基調として米国株はブルマーケットにあるので、Nvidiaの決算が仮に期待を下回った場合であっても、それはNvidiaから他の株へと資金がローテーションする契機になると楽観視しているわけです。
NVDAの過去5年の株価とP/Eレシオ
過去5年のNvidiaの株価をチェックしてみました。また同時に、P/EレシオをEPSを基に計算した結果もあわせてグラフ化しています。前回決算以降のP/Eレシオの算出には、今期決算の市場予想EPSの中央値である5.5を用いています。
ちなみに、前回の決算発表前の株価終値から先週末の終値で計算される株価上昇率は37%となりました。
ただし、それでも現在のP/Eレシオは約57倍であり、いまだに直近5年間のP/Eレシオの平均である78倍を下回っていることは注目すべきでしょう。
来週のその他の注目イベント
もちろん来週水曜日のNvidiaの決算が最大のイベントとなるでしょうが、その他の注目イベントについて、Tom Leeが言及しています。
和訳(意訳含む)「来週は明日に予定されているパウエル議長の発言(=これはジョージタウン大ロースクールの卒業式での講演)や、他のFed関係者の講演が予定されています。経済マクロ指標の発表もいくつかあります。ただ、Nvidia決算ほどは注目されないでしょう。それから、MicrosoftのAIイベントも来週に予定されています。おそらくラップトップのSurfaceに関連するニュースが月曜日に発表された後、3日間にわたるカンファレンスがあります。ですから、AIに関してまたも大きな注目が集まるでしょうし、個人的にはAIに関わるより小さな企業の株価がこれらのイベントやニュースに対してポジティブに反応するのではないかと考えています。」
最後に
前期のNvidia決算の時にも書きましたが、我が家の現在のポートフォリオ内でもNvidiaは比較的大きな割合を占めています。ですから、今回もNvidiaの決算が無事に通過してもらいたいと期待する一方、最悪ローテーションが生じた場合でも、その先で利益を拾えるように準備しておきたいと思います。
それでは。
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