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【自己紹介】ムーミン、フィンランド、環境問題、くだらない話と、一人旅

人生で3回、転校生というものになった。親が転勤族だった関係で。

そういうことを人に話すと「そしたら、きっともう自己紹介はベテランなんでしょうねえ」などと言われる。

とんでもない。
自己紹介で成功したためしがない。

過去の自己紹介たちを振り返ると、それらが人々に与えた私の第一印象は「ちょっとやばい変な子」だったと思う。

・・・

自分で自分のことを「やばい」とか「変」とか称するの、自意識過剰な気がして嫌なのだが、客観的にもそうだと思うので聞いてほしい。

具体的にはこうだ。

あるときは、「転校生のとりささんです」と中学の全校朝会で先生から紹介され、列からすっくと一人立ちあがるとトゥースのポーズ(春日のやつ)をしてそれをゆっくりと天井へと掲げた。

あるときは、第一志望だった憧れの共学の高校に入り、入学初日に「女の子を保健室に運びこみたいから保健委員になりたいです」と四十人の賢そうな同級生たちの前で微笑んだ。

あるときは、友達と一緒に授業をとるタイプかつ比較的真面目な学生たち集まる大学のゼミで、「前学期の試験では答案に渾身のダジャレを書いて単位を貰いました」と自分は知り合いすらいない中、真顔で言い放った。

ああ、はずかしいはずかしい。
それぞれの当時の、場のざわめきや静寂を思い出す。
あの、誰か、適切なサイズの穴をお願いします。私が入るので。

・・・

そんなわけで、自己紹介にはトラウマしかない。

しかし、自己紹介をしないわけにもいかない。
これまで旅行記をつらつらと書き散らしていたが、「で、あなた何者なの?」の部分をすっ飛ばしていることに気が付いた。

いかんいかん。
出会っていきなり「今日はオランダのミッフィーミュージアムに行ってきました!可愛かったです!!」などと言われても困惑されるだけだろう。私なら、そんなやつとは距離を置く。

ということで、前置きが長くなったけれど、自己紹介をしてみようと思う。
口頭だと失敗ばかりだったけど、文面ならなんとかなるかもしれない。
何とかなってほしいという期待を込める。

はじめに

自己紹介をするにあたり、先にベーシックな情報を置いておく。

B型、水瓶座、23歳、都内在住、大学生。
(追記:2023年4月からは社会人になりました。)

次に、いまの私を構成している要素を5個取り出してみることにした。

ムーミン、フィンランド留学、環境問題、くだらない話、そして一人旅。

この5つだ。
それぞれの要素について想いを込めて書いてみたら、各トピックにつき1,000字くらいになってしまった。
以下、気になるところだけでも読んでくれたらとても嬉しい。泣いて喜ぶ。

1.ムーミン

「ムーミンが好きです。」
ここ2年ほど、自己紹介を求められるとこれをほぼ必ず言っている。なんとなくほんわかしたイメージが出るし、特に角もたたない。いいフレーズだ。

いやなにも、自分の印象を良くするためにムーミンが好きだと言っているわけではない。
ムーミンを追いかけて留学先をフィンランドに決めたくらいには、ムーミンが好きだ。

埼玉のムーミンバレーパークにはオープンから3か月で3回行った。
21歳の誕生日にはフィンランドの雪降るムーミンワールドに一人で訪れた。
いつも持ち歩いている肩掛けかばん、スマホカバー、トートバッグ、ポーチと自分の持ち物は気が付いたらムーミン尽くし。

ああムーミン、好きだ!

何が自分をこんなにも惹きつけているのかというと、それはムーミンのお話がもつ哲学でー… …と、格好つけたいところだが、私がムーミンを好きなのは主にそのフォルムゆえんだと思う。(原作ファンのみなさま、ごめんなさい!)
見た目が本当に好き。白くて、曲線で形成されていて、つぶらな瞳をしている。
かわいすぎない?見るたびに胸がぐっとなる。これが、恋。

留学先まで決定づけたムーミンはもはや、私の人生から切っても切れない存在になりつつあるように思う。
これからもよろしく頼んだよ、ムーミン。

2.フィンランド

大学3年生だった2020年12月から2021年8月にかけて、フィンランドに留学をしていた。
主にムーミンにいざなわれて決めた留学先だったが、環境問題に興味があり、環境先進国でそれについて学びたいという気持ちも強かった(環境問題については後述)。

もともと2020年の8月から留学する予定だったのだが、夏、大学は留学の全面中止という判断を下した。コロナ禍の真っただ中だった。

2020年夏、当時大学3年生だった私はというと、ブラック気質のゼミで終わらない発表準備に苦しみ、当時の彼氏は抑鬱状態に入り連絡が途絶え(それを責めたりするつもりは今もない)、副幹事をしていたサークルの運営はコロナ禍で難航。
そこで留学まで奪われ、私の精神状態はたいへんに終わっていた。おわ・おわりである。朝起きた瞬間からよくわからずに涙がこぼれる日が何日もあった。

それでも、周りの人に沢山支えられて、なんとかめげずに現地の大学と何度も交渉して、道を探り出した。最終的には年末にフィンランドに渡航できた。

そうして踏んだフィンランドの地で、私は恋に落ちた。
フィンランドそのものに、である。

好き、という言葉で言い表せるだろうか。
あの国の空気に、森に、湖に、建物に、食べ物に、人に、私は心臓を射貫かれてしまった。

どうしても好きなのだ。
冬の乾燥した空気の冷たさが、中心街からものの20分で辿り着ける森が、夏に何も考えずに浮かんでいられる湖が、洗練とぬくもりとをあわせもった建物が、カルダモンの香りのするシナモンロールが、謙虚で穏やかで自身の哲学を持つ人々が。

将来、フィンランドでまた暮らしたい、と思っている。
フィンランドの湖畔に家をもって、もふもふの犬と暮らすのだ。

多分、時間はかかるだろうと思う。
目指すがゆえに歯を食いしばらなければならない日もあるだろう。
でも、それでも、私はフィンランドでの暮らしを目指していたい。
あの、澄んだ空気の中での暮らしを。

3.環境問題

環境問題に興味がある。

はい、「意識高い系なんだねえ」いただきました。ありがとうございます。

確かに、切り取り方によってはそうかもしれない。
私がきらきら意識高い系Twitterをやるなら、プロフ欄はこうなる。

「とりさ 都内某私立大法学部生|ヘルシンキ大学留学|環境ボランティアサークル副幹事|国際NGOインターン|ベンチャー企業L長期インターン|一般社団法人Rメンバー|外資系コンサル内定者」

うぐおええ。並び立てていて気持ち悪くなる。

ちがうんです!
いや、書いてあることに嘘はないが、本当に違う。私はいわゆる意識高い系ではない。

だって、普段使ってるTwitterのプロフ欄、基本「ムーミンが好きです」しか書いてないし。
どうか信じてほしい。

ただ、上記の、所属してきた組織を並びたてたTHE意識高い系プロフ欄の「ヘルシンキ大学留学」、以降の項目において一つ貫かれていることがある。
それは、どの団体への所属も、環境問題に関わるために選択してきたものだということだ。

ここまできて「環境問題に興味あるのは意識高いじゃん」と思われるならもう仕方がない。甘んじて受け入れます。ワタシは意識高いケイです。

でも、私は「環境問題に興味あるって言えば就活ウケ良さそう」「なんか環境問題取り組んでるZ世代って一目置かれそう」なんて動機から環境問題周りのことをやってきたわけではない。

単に、このままいくと結構地球がまずそうな状況だなと思ったのだ。
加えて、大学の授業で環境問題周りの課題がかなり複雑化しているのを知って「え、なんか面白そう」と胸が高鳴ってしまった、のだ。

胸が高鳴ってしまったからにはそれに従うしかない。
昔から割と動物が好きで、人間のせいで、他の生物の生息が脅かされてしまうのはなんか違うんじゃないか、という思いもある。

いろんな思いや衝動が合わさって、大学生の5年間は、振り返ると環境問題の解決に携わるための活動ばかりしていた。

環境ボランティアサークルでゴミ拾いや環境にやさしい商品開発をし、ヘルシンキ大学で環境問題と行動変容についての授業を受講しプレゼンを作り、国際環境NGOで環境問題についての意識を啓発する記事を書き、エトセトラ、エトセトラ。

もう、私の人生は環境問題の解決にささげようと決めている。

今は、普通に生活をしているだけでも環境破壊が進んでしまう世の中だ。それを、単に生活しているだけだったら、環境破壊は起こらない世の中へと変えたい。できたら、私の目がまだ黒いうちに。
よっぽどのことがない限り、この方針は変わらないだろうと思う。

4.くだらない話

「人生で一番幸せを感じる瞬間は?」と聞かれたら、何と答えるだろうか。

私の答えは決まっている。「くだらない話をしているとき」だ。

くだらない話、愛してる!

どういうものを指して「くだらない話」と言っているのか。
具体例をあげる。

例えば、「ギリギリをいつも生きてるから、そろそろKAT-TUNに勧誘されるんじゃないか」とか。

例えば、「ザビエルをテーマにテーマパークを作ったら、園内で『ザビエール』というビールを売ろう」とか。

この、しょうもないのに奥深い感じ。伝わるだろうか。
特に、人と一緒にするくだらない議題でぽんぽんと掛け合いが進んでいく時が、本当にほんとうに好きである。

妄想を塗り重ねて行くのも良い。
以前、友人とグースの住む島に行った時に、実は私はグースと人間のハーフなのだという話(設定)を急に友人がはじめて、「つまり、ここは私の本当の故郷……?」などと言ってそれにについて3時間ほど通しで話したこともある。(この話を友人としたのはもう2年ほど前なのだが、いまだにその友人とはグースの話をする。)

以前、Twitterでこれをもっとわかりやすく言語化してくれている人がいた。

もう、首がもげる程うなずいた。そうなの。そうなのよ。

私が何かくだらないことを言ったとき、どうか「あはは、面白いね」で終わらせないでほしい。私はあなたと一緒にその先へと行きたい。「ザビエルの髪型のわたあめをつくるのはどう?中心部にどうにか穴あけてさ」とか言ってくれたら、最高。
くだらない話をするためだけに生きていたいとすら思う。

この話を以前友人にしたとき、友人は「そりゃそうよ、『人生』って書いて『くだらないはなし』って読むんだから」と言っていた。この人とは一生仲良くしたいと思った。

沢山くだらない話をしたい。そのやりとりを思い出して、ときどきにやけたい。
そういう日々に、人生にしたい。

5.一人旅

大学3年生の冬にフィンランドへと留学をしてから一人旅をよくするようになった。
初めての一人旅は、フィンランドのサンタクロース村。初回からフルスロットルである。箱根くらいから始めなさいよ。

なんにせよ、サンタクロース村でサンタさんに会って「わしのひげはモノホンじゃよお(※日本語)」と言われたあの日から、一人旅にやみつきである。(※サンタ、日本語ぺらぺらだった)
これまで、海外20都市、国内4府県ほどを一人で旅してきた。総日数は90日くらい。

一人旅のいいところは色々とあるが、一番は誰にも気を遣わなくていい点である。
自由に予定を組めるし、気が向かなかったら予定を放棄しても良い。道に迷っても申し訳なくないし、夜は早めに寝れるし、朝は遅めに起きたっていい。一人旅、ばんざーい!

人との旅行ももちろん好きだ。
旅先の名産品をおいしいねえ最高だねえと言いあいながら食べるのは幸せだし、明かりを消した部屋で遅くまでどうでもいい話をし続けるのはとっても楽しい。

でも、もし今後一生「人との旅行しかできない」か、「一人旅しかできない」かを選べ、と言われたら迷わず一人旅の方を選んでしまう気がする。

「一人で寂しくないの?」と聞かれることもあるが、意外と寂しくない。
まずもって、SNSは現代社会の私たちを放っておいてはくれないので一人でいても普通に他人との接点はある。SNSには功罪両面あるが、まあこれは功としてやろう。

次に、旅先で一人でいるとよく、好きな人たちのことを思い浮かべる。
ああ、この指輪はあの子に似合いそうだな、とか、これはあの人が好きそうな絵だな、とか。そのとき、私は私の好きな人たちと繋がっているんだな、と強く感じる。それを嬉しく思う。

加えて、一人で行動をしていると、新しい出会いがあったりする。
出会いを求めて旅をしているわけでは断じてないのだけど、これまでの一人旅を振り返ってみると結構現地で会った人との関わりの思い出が色濃かったりするので、こう書かざるを得ない。

例えば、フィンランドの湖水地方で出会った同じ名前の方とか、大阪のホステルで出会った小学生のお嬢さんが可愛いご家族とか、サマソニで出会ったThe1975好きの穏やかな大学生とか、ユトレヒトのミッフィーミュージアムで出会った博士課程在学中の方とか。
今、顔を思い浮かべても、彼らと出会えて楽しい旅だったな、と頬が緩む。

そんなわけで、一人旅においても、画面の中に、自分の中に他人は存在し続けるし、実際に現地でも新しい人との出会いがあったりするので、案外寂しくないのだ。

これからも、ひょいひょいと一人旅に出掛けられたらいいな、と思う。

おわりに

5個の要素から私という人間の紹介を試みてみた。

私を切り出す方法としてには他にも、法学部生であるとか、忍者検定初級を保持しているとか、ロサンゼルスとシンガポールからの帰国子女であるとか、写真を撮るのが好きとか、軽めのHSP傾向があるとか、色々とある気もする。

でも、それらよりも、今回書いた5個が「今」の私を形作っているように思う。
私という人間が、少しでも伝わっていますように。

さて、過去の黒歴史と化した自己紹介たちよりは、ましだっただろうか。判断は読んでくださった皆様に委ねます。
読んでくれて本当にありがとう。
画面の前のあなたに、スペシャルサンクスです。

それではここで自己紹介を締めさせていただきます。
どうぞ、よろしくお願いします!
深々とお辞儀。

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