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くらくらとしたのは、何もカフェイン摂り過ぎのせいだけではなかったと思う【卒業旅行記#15デンマーク】

朝起きると空は曇っていて、気分が落ち込んでいるのを感じた。
天気に気分を相当左右されてしまう自分にちょっと引く。

大丈夫かね、君。
春からは社会人になる予定だ。
4月からは晴れの日も雨の日も社会で闘う感じになる予定だけど、大丈夫かね。
「でもほら、今はまだ学生だし!」とベッドに転がる。もう一日中ベッドでうだうだしてやろうか?と思う。

それでも、どうにか「えいや!」とベッドから起き上がって外に出た。

一度外に出てしまえば案外何とかなるもので、コペンハーゲンの街を歩き回った。今は、「いい一日だったな」と穏やかに思っている。

目覚めと同時に落ち込みを感じる

ときどき、目覚めた瞬間からなんとなく気分が落ち込んでいる朝がある。
誰とも話したくない、外出たくない、と思う。今朝がそうだった。

ああ、なんか落ち込んでるなあ。
そう思いながらもどうにかパソコンを起動させる。カレンダーに、インターン先のマネージャーにあたる人との週1の1on1が入っているためだ。

オンラインミーティングだと妙に明るいことで定評のある私なので(別に無理をしているとかではない、素でなんか明るくなる)、繋がるや否や「今はコペンハーゲンに居ます。デンマークでの挨拶はHej(ヘイ)なんですよー、Hej!」などと言ってへらへらとする。

最近どうですか、とのマネージャーからの問いかけに、一人旅、3週目に入ると結構寂しいかもです、と吐露する。いつも一人旅が好きだったのは、普段人とずっと関わってるからだったのかも、とこぼす。
マネージャーはそうですか、と聞いてくれる。聞いてくれる人がいるのは本当にありがたい。

Nyhavin(ニューハウン)散策

1on1を終えてパソコンを閉じ、ベッドに転がる。うう、何もしたくない。

とはいえ、せっかくコペンハーゲンに来たんだし。というか、昨日そういえばデザインミュージアムのチケット取ったからせめてそこには行こう。どうにか自分を奮い立たせ、外に出る。

一度外に出ると、やりたいことを色々と思い出した。
そこでまず、「コペンハーゲンに行ったらはここには絶対にいかねば!」と思っていたNyhavin(ニューハウン)に向かった。

空模様は曇りだったため、よくデンマークのガイドブック等で見る水面に反射するカラフルな建物!という景色は残念ながら見られなかった。でも、建物は可愛かった。

そして、代わりと言っては何だが、自転車の前方のカゴに乗せられた2匹の犬さま方をみれた。ぬおお、可愛い。癒された。

Coffee Collectiveで心拍数が上がる

犬さま方を見てほっこりとしたあとは、昨夜「デンマーク カフェ おすすめ」で検索して出てきた、「Coffee Collective」へと向かう。

こういうときは「Copenhagen nice cafe」などと検索するより、日本語でググったほうが日本人の感性に合ったものが出てきやすい。日本人ブロガーの皆様に感謝である。

はじめてのお店に入るときは、いつもちょっと緊張する。どきどきしながら、赤いドアをあける。席は空いているので取り敢えず座れそうなことにほっとする。

注文しようとレジに近寄る。しかし、メニューがデンマーク語で分からない。

うーん、まあどれでもいいか。唯一英語で書かれていて読めた「フラットホワイト」を注文する。あと、シトラス、と読めたのでレモン風味と思われるクロワッサンをひとつ。

なにやらここは、世界的に非常に評価の高いコーヒーロースターらしい。
ブログで読んだ。どれどれ、とコーヒーを口にすると、飲みやすい。コーヒー通では全くないので難しいことは分からないのだが、あまり苦みがなくて、おいしい。

ノートを持ってきたので、つらつらと今感じてることや懸案事項を書き出す。コーヒー片手にペンを動かしているとだんだんと調子が乗ってきたので、懸案事項(大抵は誰かへの連絡だった)をさくさくと片付ける。気分があがる。

気が付くと、心拍数が上がっている自分に気が付いた。
え。いや、気分あがりすぎでは?別に懸案事項はそんなに劇的に進んでいるわけでもない。

待って、フラットホワイトってなんなんだっけ、とググると「エスプレッソにミルクを合わせたドリンク」、と出てくる。
カフェイン摂取のし過ぎだった。

一度、フィンランドで病み上がりにコーヒーを飲んで友人の前で体調を崩し、「もうコーヒー飲むの禁止ね」と言われていたのをぼんやりと思い出す。いかん、やってしまった。水を飲む。

ちょっと落ち着いてきたかなと感じたところで、友達にお土産に豆を買おうと思って店員さんに話しかけた。
しかし、注文しながら自分でも何を言っているのかよくわからない。頭が回らない!
店員さんにもちょっと怪訝な顔をされつつ、コーヒー豆を手に入れた。

カフェイン、気を付けなきゃなあと思いながらふらふらとお店を出る。

デンマークデザインミュージアムで空間美に恐れ入る

続いて、昨夜チケットを取ったデンマークデザインミュージアムへと向かった。

圧巻だった。様々な小部屋で様々な展示があったのだが、どの空間も美しかった。
以下のような様々な趣向を凝らした展示が、全部同じ建物内にあるのである。
くらくらとしたのは何もカフェインの摂りすぎのせいだけではなかっただろう。

現代社会で起きている変化に関する展示
「失われた自然とのつながりを取り戻す」といった趣旨の展示
テキスタイルの展示。丸井カプセルの中にいろいろなテキスタイルがある。
博物館の廊下。静けさ。
こちらもテキスタイルについての展示。
テーブルセットの変遷の展示。
さまざまなコレクションの展示。
あかりの展示。
ネオン。
さまざまな椅子。

また、社会問題を提示するような作品も多かった。
「未来における安楽死」「カタールワールドカップでの労働者問題」「データセンターにおける二酸化炭素排出量」など取り上げられている課題はさまざまであったがが、一貫してかなりシンプルかつ洗練された形式で展示されていた。

「もし、アプリを通じて自分の死を予約出来たら?」
カタールワールドカップの裏にいたゲストワーカーたち
インターネットを使うことによる二酸化炭素排出量について

社会問題について作品を通じて表現しようとするとき、複雑な方法あるいはやや暴力的な方法が使われがちに思う。
しかし、今回みた展示はどれもシンプルで、シンプルでありながら美しく課題を提起していた。

機能と美しさの両立させるデンマークデザインの精神を感じられる、よい博物館だった。

人魚姫像のチラ見

「せっかくだし!」が得意である。
今日は時間もあったのでなおさら。ということで、日本人ブロガーの皆様方に「人魚蔵は別に見なくても……」とこき下ろされていた、人魚姫像を見に行く。

博物館から15分ほど歩くと、いらっしゃった。

おー!人魚姫!これは確かに、大したことない!(人魚姫さんごめんなさい!)

シンガポールでマーライオンは見たことがあるので、世界3大がっかりのうち2つは制覇したな、という満足感はあった。満足感を携えて、人魚姫を後にする。

途中見かけた白鳥のいる風景が穏やかで綺麗だった。

チボリ公園の覗き見

なにやらコペンハーゲンにはディズニーランドのもとになった公園があるという。その名を、チボリ公園という。行きたい。

グーグルで調べると「一時休業中」と出てきたが、ええそんなことないでしょと謎の自信を携えて向かう。人魚姫のところから、徒歩30分ほど。

普通にしまっていた。3月にリニューアルオープン予定らしい。

しかし、ライトは一部ともっていたので、格子の隙間から覗き見て写真を撮った。
禍々しくていい感じのCOOL JAPANっぽい建物が見える。日本の概念は嫌いじゃない。

またいつかこれたらいいな、と思いながら公園を後にする。

数十分ほどホテルまでの道をのんびりと歩いていて、ふと空を見上げた。
いつの間にかあたりは暗くなっていて、か細い月が出ていた。
少しの間見惚れる。


朝起きたときは今日はもう無理な日かもな、と思っていたけど、外に出てからは自分のペースでいろんなところに行けていい一日だった。

明日はお昼ごろにスウェーデンへと移動する予定だ。
コペンハーゲン、良いところだったなあ。
またいつかね。

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