新しい学校のリーダーズに学ぶ「一生青春」
中学生の頃、担任だった熱血教師の先生は、相田みつをが好きだったようで、ことあるごとに1枚の詩を僕らに見せてくれた。
そしてこう付け加えた。「感動とは、目から出る汗のことだ」と。まるで相田みつをに憧れすぎた人が、自分も名言めいたものを生徒に残したいといわんばかりの嬉しそうな顔で。
当時はまだ「ドヤ顔」という言葉が存在しなかったので、僕らはそれを半笑いで受け取めるしか術を知らなかった。
時は流れ、昨年の暮れ頃、ベッドに横たわりながら何気なくYouTubeを見ていたらものすごいインパクトのあるサムネイルを見つけて思わず再生した。
あぁ、これが「新しい学校のリーダーズ」か。
「オトナブルー」の首振りダンスが流行り、TikTokでは総再生数30億回を超え、昨年の紅白ではオープニングまで飾った。
とくにこの左から2番目の人に惹かれた。SUZUKAだ。
僕は文字通り彼女に釘付けになり、思わずこの動画を何度もリピート再生した。強烈なインパクトだった。曲とか歌詞やダンス以上に、その存在に強く惹かれた。矢沢永吉にも通ずるある種のロックさを感じたのだ。
そして2024年1月9日。
会社のスタッフたちと一緒に日枝神社に参拝し、
新年会ランチを楽しんだあと、僕は日本武道館に向かった。
彼女たちの合言葉は「個性」や「自由」ではみだしていく。はみだしていくと言いながら、しっかりスカート丈の長いセーラー服を着ていることについてSUZUKAはこんな風に語っている。
わりとしっかりしている。そして個性を主張するのが彼女たちの靴下だ。トレードマークとして書かれているのがこの「青春日本代表」。
みなさんは「青春」ときいて何を思い浮かべるだろう。
汗水流した部活動を思い出す人もいるかもしれないし、
放課後、たわいもないことで大笑いした友人を思い出すかもしれない。
「新しい学校のリーダーズ」は、ライブ中、彼女たちの考える青春についてこんなふうに語っていた。
あぁ、「みつを」じゃないか。「みつを」の精神、しっかり「新しい学校のリーダーズ」が受け取っているじゃないか。中学の担任の先生が聞いたら、きっと惜しみない拍手を送っていただろう。いや、僕自身もまた、心の底から共感の拍手を送っていた。中学生の頃、斜に構えてわからなかったことがオトナになった今、痛いほどよくわかる。
サミュエル・ウルマンもその詩のなかでこんなふうに語っている。
「青春とは人生のある期間を言うのではなく、心の持ち方を言う」と。
そう、まさに心の持ち方ひとつで、
僕らは今日からでも青春時代に再突入できるのだ。
いいね、世界平和のための手段としての青春。本当にそうかもしれない。利害関係を一切度外視した先の、純粋たる情熱は人の心を動かす。
彼女たちの全力のパフォーマンスはあまりに美しく、心の底から酔いしれた。
そして最後のほうにSUZUKAは感極まりながら、こんなことを語っていた。
会場からこの日一番の大歓声と拍手が鳴り止まなかった。
彼女の目からはたしかに汗が流れていた。
サミュエル・ウルマンが言う通り、青春はたしかに心の持ち方かもしれないが、それを支えてくれるのは「友人」であるということを改めて教えられた素晴らしいライブだった。
仕事仲間と初詣にいった朝のことを思い出す。一緒に「青春」できる仲間がいることに感謝と喜びの気持ちが込み上げる。
仕事に関わらずコロナ以来ずっと会っていない友人の顔が思い浮かぶ。今年はいろんな友人に会いに行きたい。そして、また新しい友人をつくりたい。
一緒に青春したくなるような。
一生青春したくなるような。