見出し画像

ベルギーの中心で、姪っこの名を呼ぶ。【Day0:プロローグ】

姪っ子に会いにブリュッセルへと旅立ったのは4日前。

ベルギーの日本大使館で2年間インターンをしてきた彼女が、帰国する時が近づいていた。

「姪っ子が働いていたベルギーに行く」のと、
「姪っ子が働いているベルギーに行く」のでは、
雲泥の差があるように思えた。

羽田空港の国際線ターミナルから出発し、
イスタンブールの空港で乗り換える間、
「レートのいい両替所を教えて」と姪にLINEで伝えると
「現金は多分いらないと思う!あんまり現金使わないからどこがレートいいかわからない!」と返ってきた。

思えばこのやりとりが、10年ぶりのヨーロッパ旅行をするものにとって時間の経過を象徴していた。

今、僕はベルギーのお隣の国、ルクセンブルクの電車の中でこれを書いている。この瞬間まで、たしかに1円も両替することなく、現金を使わずに旅をしている。つまりほとんどクレジットカードで済むし(あるいはクレカを登録したApple Watchがあれば財布をとりだす必要もないし)、そっちの方が手数料のことを考えてもレート的に良いらしい。

コロナもようやく落ち着きを取り戻し、これからヨーロッパ旅行を考えている人もいるに違いない。

そういう人のために少しでも何か有益な情報を伝えられたら、ということで、しばらくの間、旅の記録をnoteに投稿してみようと思う。あるいは自分の次回のヨーロッパ旅の備忘録として。

特に、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクというベネルクス3カ国(という言葉もこっちにきて初めて知ったのだが)の旅に興味がある人に向けて僕はこれを書いてみようと思う。主に姪っ子から仕入れた情報源をもとに、「ボンジュール」(こんにちは)と「メルシー」(ありがとう)の二単語しか知らない無謀な一人旅の記録である。

旅の始まりはベルギーの首都、ブリュッセルにあるグラン=プラスの広場から。誰かと待ち合わせするにはとても素敵な場所だ。

世界の中心で、愛を叫ぶ代わりに、
ベルギーの中心で、姪っ子の名前を呼ぶ。
言ってみたかっただけのやつだ。

仕事を終えた姪っ子が僕に気づいて、笑いながら手を振りやってきた。よく慣れ親しんだ馴染みの顔。

そうだ、ここから旅は始まるのだ。

(Day1につづく)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?