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囀る鳥は羽ばたかない 2巻 感想

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#ヨネダコウ

「囀る鳥は羽ばたかない」 2巻第10話 矢代がヤクザになった理由

2巻第10話   第10話は内容が濃いので、今回の感想は長いです。  1ページ目から、真誠会のヤクザに犯される矢代。ソファに押し付けられて、太腿を抱えられている。とてもエロくて、可愛い。矢代に誘われたら、つい手を出してしまう男の気持ちがわかる。  矢代が組の人間を次々とたぶらかすので、下へのケジメがつかないと天羽が三角に苦言を呈する。 「お前ヤクザフェチかなんかか?」と三角に聞かれた矢代は、 と答える。(このコマで後ろから犯される矢代の姿もまた…)  ここで矢代は、≪

「囀る鳥は羽ばたかない」 2巻第9話 矢代は「淫乱ネコ」?

 1か所だけ第46話の内容が含まれますので、未読の方はご注意ください。  左手の小指を詰めた百目鬼は、影山医院で応急処置を受け、 「頭を守れなくてすみません…っ」と頭を下げる。  影山は「デカイ病院なら今ならまだ指くっつくんじゃないか?」と言うけれど、百目鬼は初めから指を繋げるつもりはなく、ただ謝りに行ったのだ。 (七原がこの後電話越しに「影山先生? あの人じゃ繋げらんねぇだろうが」と言うので、指切断に馴染みのない方が誤解しないように書かせていただきますが、切断した指を

「囀る鳥は羽ばたかない」について 2巻第8話

 第7話と第8話は、物語全体にとって重要な回と言える。  矢代の過去と内面の一端が読者に明かされ、百目鬼が矢代への想いを自覚し、二人の関係が変化していくターニングポイントとなる。  第7話の終わりに誰もが予想した通り、映画館の前で矢代が銃で撃たれる。  右腕と右脇腹に2発食らっても、矢代は動じることもなく と相手を煽る余裕すらある。  3発目の銃弾が矢代の左肩をかすめる。  こんな至近距離で外すなんてど素人かと思うような銃の腕だが、矢代を狙った殺し屋は、わざと急所を外すよ

「囀る鳥は羽ばたかない」について 2巻第7話 序盤の神回 映画館デート

 私はこの回が「囀る」全体の中でもトップクラスに好きだ。  百目鬼の矢代への想いが読者にはっきりと伝わる。その描かれ方が最高に素晴らしい。  表紙は映画館で百目鬼に肩枕をしてもらう矢代。これはデートだったのだと、「The clouds gather」の特典を読んでわかった。  百目鬼、久我、影山が3人で飲んでいる。久我が席を立ち、影山と二人になった百目鬼が尋ねる。  百目鬼は矢代が影山を好きなことを知っているから、影山が矢代をどう思っているのか知りたいのだ。  高校

「囀る鳥は羽ばたかない」について 2巻第6話

第6話 矢代と竜崎がしている部屋から、三角に追い出された百目鬼と七原。さっきまで険悪な雰囲気だった二人が、昔のようにセックスしていることに七原が呆れる。百目鬼は七原のセリフから、矢代と竜崎が「昔はさんざんヤリまくっていた」ことを知る。  そこに矢代が現れて と七原を窘める。矢代のこういうヤクザらしい言動が物語を引き締める。  竜崎が部屋から出てくる。 「よお。いいところだったのになぁ。イケなくてお互いザンネンだったな」と矢代がからかうように声をかけると、竜崎が矢代の顎を中指

「囀る鳥は羽ばたかない」について 2巻第5話

第5話  自分の影山への想いを百目鬼に気づかれて、矢代はこう思う。 「漂えど…」でもそうだったように、矢代は影山に好意を抱いていることを自覚している。では、百目鬼に対してはどうなのだろう。この問いは5巻に続く。  廊下に座り込んで寝ている百目鬼の横顔に、矢代がそっとキスをする。  この場面は2巻でははっきり描かれないが、読者には何が起こったかちゃんとわかる。詩情あふれる美しいコマ割り…。  ここで、矢代は百目鬼が好きなんだともう間違いなく伝わる。表向きは、いや矢代自身にさ

「囀る鳥は羽ばたかない」について 2巻第4話

第2巻 第2巻は名シーン、名言がたくさんあって、個人的には大好きな巻だ。 第4話 巻頭カラーでは、百目鬼に警官のコスプレをさせた矢代が事務所の机の上に座っている。これだけで絵になる。スリーピーススーツのベスト姿と言うのは矢代を象徴する服装で、本当にセクシーでかっこいい。こんなにスリーピーススーツが似合う人は他にいない。  第2話で矢代が と言っていたことをそのままする。  勃たないとわかっている百目鬼に矢代は何度も口淫する。なぜなのだろう。ただやりたいからと言えばそうな