学校警備員をしていた頃 その29
以前、学校警備の仕事をしてた頃のことについて振り返って思い出せることを書いています。
※ 最初から読みたい方は、学校警備員をしていた頃から読むことをおすすめします。
※ ひとつ前の話→学校警備員をしていた頃 その28
暇なときに作った替え歌
現在学校警備をやっている人とか経験者の中には「学校警備が好きではない」という人がいる。その理由を聞くと、「暇でやることがなく、退屈だから嫌だ」と答える場合が多い。逆に「学校警備は楽だ」という人に理由を聞くと、やはり「何にもしないでいい時間が長いから」と答える人が多い。
確かに、建築現場などの方が車の誘導などそれなりにやることがある場合が多いので、これらは大いに納得できる答えである。
それと、別に統計をとったわけではないが私が話をした範囲だと、年齢別では若い人の方が「暇なのが苦痛だ」という人が多かったと思う。おじさんの方が何もしないでのんびりしているのが好きなのだろうか。「好き」というと言い過ぎで、「何もすることがない退屈な状況に耐えられる」と言うべきなのかもしれないが、とにかく「暇」ということに対する感じ方は、年齢とか人生経験なども関係があるのかもしれない。
「学校警備で何もしないで立っている時間をどう過ごすのか」ということについて、実績報告を出すために支社に行った時などに、学校警備員同士で話すこともあった。
「退屈だけど、ただただ何もしないで立っている」という人とか、「替え歌を作って遊ぶ」という人、立ったまま寝るという技を覚えた人、妄想にふける人など、いくつかのタイプに分かれた。実際はみんな時と場合によっていくつかのやり方を組み合わせていると思うので、すごく大雑把に見ればみんな同じようなものなのかもしれないが、「他人に対してどう言うか」「どういうやり方を重視しているか」というところで違いが出る。それと、特に意識しなくても「何もしないでいい」という状況になると頭の中に勝手に妄想が湧いてきて退屈しない、という「この仕事に体質的に向いている」うらやましい人もいた。
私は、基本的には退屈でも何もしないでただただ立っていたが、たまに睡眠不足の時には少し寝そうになることもあり、たまに替え歌を作ってみたことなどもあった。
その頃作った替え歌では、「サザエさん歌」の替え歌というのを覚えている。
ズボンを脱いで町まで、出かけたよ
パンツも脱いじゃう楽しいマスオさん
みんなが見つめてる
警察も見つめてる
女が見つめてる
とってもいい気持ち
こんな歌詞だったが、それにしても我ながら実にくだらない歌詞だと思う。「退屈だからこそ思いついた」としか言いようがない、よほど暇な人でなければ作れない歌だ。ということは学校警備員というのはよほど暇な仕事なのだろうか。
ただし、こうして振り返ってみると、自分なりの好みが現れている歌で、それなりに個性的で面白いと言えないこともなさそうだ。
この替え歌を家の近くのスナックのカラオケで歌ったら結構うけて、「面白い歌詞だ。よく思いついたね。天才だ」なんて褒めてくれる人までいた。が、それはからかって言っていたのかもしれない。
退屈なのも悪い事ばかりとは言えないのかもしれないが、それをうまく生かしている人は私の周りにはほとんどいなかったと思う。
例えば、俳句とか川柳などを考えるとか、頭の中で小説やパズルを作るなどの方が生産的でいいのかもしれないが、なぜか、そんな人はいなかった。
※ 次の話→学校警備員をしていた頃 その30
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