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【企業向け】メンタルヘルスマネジメント~医療・支援側からのケアを考える~

いつもnoteをご覧いただき、ありがとうございます。

前回は、メンタルヘルスマネジメント~セルフケアを考える~と 題し、セルフケアの重要性をお伝えしました。
しかし、障がい者社員自身でセルフケアを進めていくことが 難しいこともあるかもしれません。 時には医療面や支援者のサポートが必要な場面も出てくるでしょう。
これまでメンタルヘルスマネジメントを雇用側、障がい者社員側から 見てきましたが、今回は医療・支援側の役割を考えてみたいと思います。

さて、今回のテーマは
「メンタルヘルスマネジメント~医療・支援側からのケアを考える~」
障がい者雇用では、ここに「医療」と「支援者」が深く関わってきます。
障がいのある方のほとんどには「医療」は無くてはならない機関です。
ここでの「医療」は
「事業場外医療」、障がい者社員各人が普段利用している主治医などと、
「事業場内医療」、産業医や社内の保健師・看護師・精神保健福祉士や、調整に当たる人事担当者など、の大きく二つに分けられます。
では、「医療」は障がい者雇用において、どんな役割を担っているのでしょうか。
「事業場外医療」=主治医の役割は治療や経過観察、場合によっては業務上の助言などが挙げられます。

医療・支援におけるメンタルヘルスマネジメントの役割

「事業場内医療」と「事業場外支援」のメンタルヘルスマネジメントの役割をお伝えします。

「事業場内医療」の役割

まず「事業場内医療」の関わりとメンタルヘルスマネジメントにおける役割について考えましょう。
産業医や社内の保健師・看護師・精神保健福祉士や人事担当者が行う業務は、主に以下の項目が中心となると思います。
メンタルヘルスケアの計画策定と実施
  障害特性の把握、定期的な面談予定や面談内容についての計画・実施
労働者の個人情報の取り扱い
  個人情報(障害特性、医療情報等の機微情報)の守秘義務と配属部署との連携
就業環境の改善などに関するアドバイス
  医療的立場からの障害特性に則した改善案の助言
職場復帰への支援
  休職者の職場復帰に際し、職場定着への医療的助言、状況に応じた主治医との連携等

仕事を続けていく上で、医療的立場から計画や助言を行うことが中心ですね。
ただ、企業の担当者から時々こんな声を聞くことがあります。
「医師や保健師などは医療面からのアドバイスはあるが、業務の内容を把握していないので、実際に業務上でどう対応すべきかは的を射た助言がもらえない」
勿論、企業に常駐し、障がい者社員がどんな現場でどんな仕事をしているか把握して、的確にアドバイスをされる方もいます。
しかし、医療側の視点に寄りすぎ、または雇用現場の実状を知らずに助言内容にずれが生じてしまうということもあるようです。
そのため、人事担当者や現場の上司が対応に苦慮するといったことが、発生してしまうのです。
医療従事者は、一般企業での勤務経験がない方が多数なので、企業目線を理解できないことも仕方ないことではあります。
ですが、社内の医療担当者には、職場環境を把握する・業務内容を見学する・現場担当者とディスカッションをするなど、雇用現場を理解していただきましょう。
理解があってこそ、医療的知見が活きてくるはずです。

「事業場外医療」の役割

次は「事業場外支援」=「支援者」の役割を考えてみましょう。
「支援者」とは、障がい者社員の就労をサポートする立場の機関・人のことです。
障がい者就労支援機関、特別支援学校、障がい者雇用のエージェントなどがこれに該当します。
特に、精神・発達・知的に障がいのある方には、障がい者就労支援機関のサポートがついていることが多くあります。
役割としては、以下が主となります。

労働者情報の提供や障害特性に関するアドバイス
  障害特性や性格、行動に係る情報提供、
本人との関わり方(指示の出し方、担当業務内容、日々のコミュニケーションの方法)への助言 など
職場定着に係る支援計画の策定と実施
  配属部署へのヒアリング、本人へのヒアリング
  支援計画書の作成、計画書に則した支援の実施 など
定期的な職場訪問
  本人との面談・助言、配属部署との面談・助言、職場環境・業務内容確認、問題点への助言 など
職場復帰への支援(休職の際は)
  本人・家族・医療機関と連携し、配属部署との調整・復帰への助言 

支援者は、担当している障がい者のことを入社前からサポートしていることが多く、それだけ障がい者の情報を持っています。
また、障がいに関する知識、障がい者雇用に携わった経験も持ちあわせていることが多い、いわゆる専門家です。
支援者との連携は、雇用定着の大きなポイントとなります。是非活用してください。
ただ、こちらも企業からの声として、
「障がい者側に寄りすぎて、配慮すべき点ばかりが伝えられ、企業としての対応に困る」
といった意見が聞かれることもあります。
企業の視点にも気を配れる支援者であれば、企業と障がい者双方の間に立って、うまく調整してくれるでしょう。

医療と支援のメンタルヘルスマネジメントにおける役割をお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
いずれも、企業と障がい者の間に立って調整を行い、サポートをしていくことが重要となります。
今一度、自社の体制などを見直す機会を作ってみるのも良いかもしれませんね。

どのように連携すべきか、どうしたら社内の医療や支援を構築していけるかなどお困りの時は、当社でも定着支援やメンタルヘルスについてご相談いただけますので、お気軽にご連絡ください。

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