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本とコーヒーの香りに包まれて、病気や障害がある子どもの親も「わがまま時間」を。


「文喫へおでかけプロジェクト」とは

こんにちは!東京おでかけプロジェクトです。

病児や障害児を育てる母親向けに、「自分を大切にする時間を持ってほしい」という想いからはじめた「銀座へおでかけプロジェクト~ママが”わたし”に戻る週末」。

これまで「お父さん向けのイベントはないの?」というお問合せをいただくことが多かったのですが、満を持して父親にも参加いただける「文喫へおでかけプロジェクト」がはじまりました。

第1回目となるイベントを2024年5月22日、六本木にある「文喫」をお借りして開催しました。今回はそのレポートをお届けします。

「”〇〇ちゃんママ”や〇〇くんパパ”ではなく、1人の自分として楽しんでほしい」

イベント中は父親や母親の顔は脱ぎ捨てて、とにかく自分にわがままに、自分本位に時間を過ごしてほしい。

そんな「文喫」と東京おでかけプロジェクトの想いが交差してはじまった今回の企画。

イベントは「文喫」を運営する(株)ひらく 代表取締役社長の染谷さんのWelcome Talkからはじまりました。

(株)ひらく 代表取締役社長の染谷さん

「僕自身も障害を持つ子を育てる一人の親です。家族が笑顔で過ごすその裏側では、孤独や悲しみをポケットに入れ、ジェットコースターのように浮き沈みの多い日常をなんとかこなしています。 そんな毎日のなかで、『書店で過ごす自分だけの時』」をつくれるなんて!

ずっと何かできたらと思っていたんですが、お話をいただいたとき『自分も参加したい。これだ』と思ったんです。

「文喫」として、そして同じ当事者の親として協力に至るまでの熱い想いを語ってくださいました。

東京おでかけプロジェクト代表の中嶋

東京おでかけプロジェクト代表の中嶋からも、団体の紹介と「文喫」での開催にこだわった理由をお話しました。

「今日、もし障害者になったとしても、わたしたちは行ける場所』じゃなくて『行きたい場所』に行きたい障害者になったとしても、心躍るものは変わらない。

六本木ヒルズの麓にあるおしゃれな本屋さんに、だれだって行ってみたい。そんな想いが叶って、この素敵な場所を提供いただけることになりました。夢のようです」

わがままに、好きなことに向き合う時間

まずは「自分と向き合う」ワークショップ。

今回のイベントのファシリテーター三上さんの合図で、参加者たちは好きなものを1000本ノックで書いていきます。

ファシリテーターの三上さん

好きな食べ物、好きな景色、好きな時間。
おもいおもいに好きなものをこれでもか!と書き連ねていく参加者たち。

書き終えるとお互いに好きなものを紹介し合います。共感したり、驚いたり。

子どもやケアの話ではない話題で繋がっていく時間を楽しみます。

”わたし”に戻る本棚をつくりあげる

紹介タイムが終わるといよいよ3万冊の本が並ぶ本棚の中へ。自分が書いた「好き」にちなんだ本を、自由に好きなだけ選んでもらいます。

すべて違う本が並ぶ、「文喫」の本棚に魅了される参加者たち。

「選べなくて全部持ってきちゃった!」テーブルにはズラリと本が並び、持ち寄った本の話で笑顔がこぼれます。

そして手元に残しておきたい、購入したい本をテーブルに残したら、他のお気に入りの本を抱えて、いよいよみんなで”わたし”に戻る、特別な本棚をつくりあげていきます。

はじめてとは思えない手つきで本棚をつくりあげていく参加者たち。
この本棚は1週間特別に設置され、実際に販売もされます。

完成した特設の本棚と参加者たち
この日は文喫私選の特別販売も

”わたし”を大切にすると、”だれか”のことも大切にしたくなる

本棚をつくり終えるとまた参加者は、本を探しに本の中へ。

今度は「大切なだれか」のために”本”を、あるいは本の中の”フレーズ”を探しにいきます。

戻ってくるとその人のこと、その人の好きなこと、好きな本や言葉に想いを馳せながらしおりにメッセージを書きます。

お子さんだったり、パートナーだったり、親御さん、ご友人、いつもお世話になっているケアラーの方やワンちゃん。

「大切なだれか」に宛てたしおりは、渡しても渡さなくても、好きにしていい。でも、「大切なだれか」を想う余白を持ってほしい。

参加者からは、「大切なだれか」を思うことがどういうことか、いろんな声が聞こえてきました。

「大切なだれかを想いながら選書するのはとても楽しくて。相手が喜ぶ顔を思い浮かべて時間を注ぐことは、素晴らしいことですね。相手に本を届ける、しおりに書いた言葉を伝える。それをせずとも、なんだか相手を想って過ごした時間そのものだけで、自分と相手の関係は変わり得る。そんな気配がした時間でした。」

「だれかのために本を選ぶことは思ったより難しい作業でした。その人は、どんなことが好きだっけ?どんなライフスタイルだったっけ?たくさん考えて、そして、その人の好きなことや興味関心ごとを、もっとその人について知りたいと思いました。大切な人のことを深く思って、そういうことだな思いました。」

自分にわがままになること、大切なだれかを想うこと

病気や障害がある子どもからは、こんなに世界はやさしさで溢れているんだと気づかせてもらうことがたくさんあって、幸せ。

そんなふうにイベントに参加してくださる皆さんはいつもお話してくださいます。

「自分を大切にする」って、とっても大切で、とっても難しい。

でも、「自分を大切にする」と、「わがままになってみる」と、だれかのことも大切にしたくなる。

自分にわがままになってみる。自分を大切にして、自分を好きになる。

そんな自分のための時間や心躍るわくわくを持ってもらえるきっかけに今回のイベントがなったなら、嬉しく思います。

これからも、東京おでかけプロジェクトでは、「未来を変える、ひとときを」目指してイベントを続けていきます。

さいごに

今後も継続的に活動を運営するため、東京おでかけプロジェクトでは、年間を通して寄付を募集しております。

活動には会場利用料や、医師/看護師/ヘルパーと いった専門的なケアにあたってくれるスタッフ、 物品などの費用が必要です。

ご寄付いただける方は、いずれかの方法でぜひお願い致します。

◆振込み口座
三井住友銀行  中野支店    普通4994025
三菱UFJ銀行 中野駅前支店  普通0576715

◆クレジットカード決済・グッズ購入による寄付

◆「WeWard」アプリで歩いて寄付する
※紹介コード「YUM+-iygPQ」をぜひご利用ください

Special Thanks

銀座へおでかけプロジェクト SUPPOTERS

撮影:須藤敬一
文喫 六本木:染谷 拓郎、三上 京香、大塚 妃呂子、有地 和毅、小粥 莉子、三石 怜奈、原田 愛穂(敬称略)

ご寄付・ご協力いただいた皆様

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