"ラグビー夏の聖地" GISで可視化してみた
みなさんこんにちは!
東京地図研究社、広報販売グループです。
今回は東京地図研究社のスポーツ担当、T部長とYさんからの話題です。
突然ですが、ラグビーといえば、どこを思い出しますか?
秩父宮、花園、熊谷、そして東京地図研究社のある東京都府中市も思い出されると思います。
では、"ラグビーの夏の聖地"といえば、どこを思い出しますか?
ラグビーファンでも、そうでなくとも、「菅平高原」を思い出すのではないでしょうか!今回は、菅平高原×GISのお話です。
1.菅平高原
東京都心から約3時間、長野県上田市に菅平(すがだいら)高原はあります。
約1,300mの高地にあることから、7~9月の平均基本は20℃程度で、都心の猛暑に比べると、とても涼しい避暑地になっています。
夏の「菅平」といえば、連想されるのはラグビー!
戦前の1930年代にスキー場として発展していた菅平に、夏の気候を活かしたラグビー合宿が行われたのがきっかけだとされています。その後、菅平側もラグビー環境を整え、日本代表の合宿を招いたり、国内の夏の主要大会を開催させるなどで、ラグビーの夏の「聖地」として栄えてきました。
「菅平高原グラウンドマップ」 はこちら(PDFリンク)
大学合宿所や宿舎備付のものまで、現在では100を超えるラグビー場や運動場が整備されました。地域全体がラグビーパークのようです。
私たちは、地図・GIS屋さんなので、このラグビー場をGIS(地理情報システム)データを用いて、分析してみました。
2.傾斜角地図
菅平高原は、山間部なのにも関わらず平坦なラグビー場がある、ということで、国土地理院の基盤地図情報の5mDEMデータ※を用いて菅平の傾斜角地図を作製してみました。
茶色~緑の凡例で表現されていますが、茶色が濃いほど平坦な地形です。
山の傾斜部の中に幾つもの傾斜角のほとんどない(=平坦)長方形の範囲があることがわかります。綺麗に長方形が表現されていますが、この長方形の傾斜角の低い範囲のほとんどがラグビー場(運動場)です。
※DEMデータについてはこちら!
3.天然芝と人工芝のグラウンド
近年では人工芝のグラウンドも多くなってきました。「菅平高原グラウンドマップ」では天然芝と人工芝が区別されていますが、ふと衛星画像から天然芝と人工芝を判断できるのか?と疑問に思いました。
そこでSentinel-2の衛星画像データからそのグラウンドが「天然芝」と「人工芝」が判断できるか試してみました。
Sentinel-2とは ESA(欧州宇宙機関)によって打ち上げられた人工衛星で観測機器は13の波長帯を持っています。
「天然芝」と「人工芝」の判断には衛星画像が観測できる2つのバンド(波長)の値の違いからNDVI(Normalized Difference Vegetation Index)を算出します。
NDVIの値が高いほど植生が多いという結果となります。
「菅平高原グラウンドマップ」から実際の天然芝グラウンドと人工芝グラウンドの位置を○と□で表してみました。
※○:天然芝グラウンド □:人工芝グラウンド
結果はどうでしょうか??
天然芝グラウンド(○)はNDVI値が高く(植生が多く)、人工芝グラウンド(□)はNDVI値が低い(植生が少ない)という傾向の結果になりました。
衛星画像データを使えば、天然芝グラウンドと人工芝グラウンドも見分けることができそうです。
4.おわりに
今回解析した植生以外にも、衛星画像から得られる情報はたくさんあります。また、まだ誰も思いついていない衛生画像の利活用方法があるかもしれません!今後もデータを活用して、可視化・分析をしていきたいと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?