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築コレ〜オツな若ぇの生け捕ってきやした56 春風亭一蔵


一蔵(左)と競艇仲間 戸田競艇場

2022年9月下席より真打に昇進する、春風亭一蔵、市弥改メ八代目柳亭小燕枝、小辰改メ十代目入船亭扇橋。
昇進を記念して3名の小誌掲載「築コレ」をアップいたします。
9月号と併せてお読みいただけると嬉しいです♪
(文章・プロフィールは掲載当時のママです)




一蔵さん(写真左)が仲間とゴキゲンな場所にいるよと誘ってくれた場所、そこは戸田の競艇場…。

 いやー僕の思い出の地と言われたらここは外せないですよ。0歳の時から来てるんだから。ちょっと複雑な家庭環境だったんで、小学生まではオヤジに会うために来てました。中一の頃には、自分でレースを考えるようになってました。今日は取材だから仕方なく来たんですよ(笑)。
 この競艇専門誌『競艇ニュース』見てください。各選手にA1とかB1とか付いてるじゃないですか、A1が真打みたいなもので、Bランクになると落ちる。やっぱりコースは一番内側が有利で…この続きは、私の「競艇の会」で詳しくやってますから是非お越しください。その会、ホワイトボード使って競艇の話したり、現役の競艇選手をゲストに呼んで対談したり力入ってます。で、落語も三席やんなきゃいけないんで大変です。僕の舟券の買い方は穴狙い。何か買ったんですか? 5─6ってけっこうな穴狙いだなあ。僕も舟券買って来ますね…お〜い、(5─6の舟券)乗っちゃたよ〜あの…今日は落語の話はやめませんか(笑)。
 高校の時、テキ屋でバイトしててお好み焼きや焼きそば作ったりしてました。卒業して引っ越し屋に就職し働いてましたが、結婚して子供が生まれたので、稼がなきゃいけなくなって長距離トラックの運転手に。沖縄以外は行きましたね。
 トラックの車中で、音楽のCD聴いてるんですけど飽きてくるんですよ。で、落語のCDを図書館で借りてきて、運転しながら聴くようになりました。聴きながらマネしたりしてましたね。で、一度生で聴いてみようと池袋演芸場に昼席からぶっ通しで聴きに行ったら、ウチの師匠が出てきて、その高座に撃たれちゃいました。「この人の弟子になろう」と翌日、会社に「今日で辞めます」と言いに行きました。そんなすぐには辞められませんでしたけどね。
 初めて自分でやりたいと思った商売だから、噺家は楽しくてしょうがないです。休みは多いですけど。でもその休みも何か面白いことないかなって探してて本当の休みではないですよね。
 同期の市弥、小辰が頑張っていて、仲もいいからよく一緒に会をやっています。これからも切磋琢磨していきたいですね。自分の勉強会もやってますんで是非いらしてください。そして『競艇の会』も忘れずに!

※一蔵さんの言う「競艇の会」とは「神楽坂路地裏落語会」です



春風亭一蔵(しゅんぷうてい いちぞう)
本名=吉田正。一九八一年七月一三日生まれ、東京都練馬区出身、A型。二〇〇七年八月、春風亭一朝に入門。〇八年四月「朝呂久」。一二年一一月、二ツ目昇進して「一蔵」。出囃子は双面。



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