竹千代よこ

築コレ〜オツな若ぇの生け捕ってきやした105 桂竹千代

今日の待ち合わせは上野恩賜公園。そこへやって来たのは、竹丸門下の桂竹千代さん。
 ここへは、浅草や上野で打上のあとにやって来て飲んでいました。二ツ目昇進直前の時も、後輩がお祝いをしてくれて、二次会で15人くらいでここへ来て朝まで飲みました。思い出の地です。
 大学在学中は落研に所属しつつ、ワタナベコメディスクールにも入り、大学院を卒業するまで、漫才師やピン芸人として活動していました。漫才コンビを解消した時、同期の仲間が「落語家が向いているのでは?」と、落語のCDを貸してくれたんです。それではまりました。
 古典落語はものすごく上手い人がいくらでもいる。普通にやっていても勝てないと思い、文学修士の知識を活かして、「古事記」を落語にしてやってみたんです。そうしたら反応がいい。手応えを感じました。ナンバーワンからオンリーワンへの指標となりました。
 笑福亭希光さんと毎月新作落語のネタおろしの会をしています。常にメモを持ち歩き、ひらめいたらすぐにメモがとれるようにしています。毎月ですから、基本ほぼずーっと新作のことを頭の片隅で考えています。もちろん、古典も毎月ネタおろししています。
 内幸町ホールでの独演会も年4回。おかげさまで毎回完売です。でもそれは人気や実力ではなくて、チケットの売り方が上手くなっているだけかもしれない(笑)。仕事もたくさん欲しいし、メディアにも出たいし、賞も欲しい。ガツガツしすぎと言われることもありますが、将来への不安が常にあって、じっとしていられないんです。
 師匠・竹丸からは「とにかく何でもやれ! 経験しろ! 芸の糧になるから」って言われています。確かに、悪い事も嫌な事も、生活の全てがネタに変換できる。好きなこと、やりたいことで食えて落語家になってよかったと思います。
 ネタにもしていますが、師匠とはFacebook上で〝 友達 〟です。時々私の記事のコメント欄に小言があり「ご指導ありがとうございます」と返信すると師匠から〝 いいね! 〟を押してもらえる関係です(笑)。
 将来の夢はテレビの旅番組に出てご当地の歴史を語ること。あと落語人口を増やしたいので、落語初めての若い人でも面白いと思ってもらえるような高座を心掛けております。

●温泉ソムリエの資格もある竹千代さんがおすすめの温泉は「なんだかんだ言っても、西(さい)の河原露天風呂かな…。草津にあって、とにかく広い!」だそうです。

桂竹千代・かつらたけちよ

1987年3月17日生まれ。千葉県旭市出身(観光大使)。明治大学大学院文学研究科古代日本文学専攻修士課程修了。2011年8月、桂竹丸に入門。10月に「竹のこ」で前座。15年9月二ツ目昇進して「竹千代」。出囃子=猩々。血液型O型。独身。

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