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【反動】外国人気軽に雇ってた前職が外国人雇用嫌いになるまで【やっぱ言えないホンネ】

大人になると公言できないことがホントに多いんですよ。だから、みんな耳触りの良いこと言いますが、大人って言ってること大抵実行しないものでしょ?

そういや新しい資本主義ってどこに行ったんだ・・・?

こんにちは、トカゲです。

ところで先日こんな記事を書きました。
私の前職が「外国人雇ったら、なんかかっこいいかも」くらいのノリで外国人新卒を雇い、何も有意義な教育をさせられず、挙句辞められてしまったという話です。

この記事の前日談なので興味あればどうぞ。

というわけで、本日は外国人採用をしくじった私の前職外国人雇用嫌いになる、その極端な流れを実話ベースでお送りします。

外国人なんてもうウンザリや!

最初に前日談を軽く説明すると、我が社はセキュリティソフトを固い日本企業に売ってるIT企業でした。

ですがある日、「Googleみたいになりたーい」と社長が思った結果、就活に苦戦していた「日本語が話せるだけ」の白人新卒を2人雇ってしまったのです。

もっと優秀な韓国人や中国人もいたのに白人2人を選んだのは「なんかかっこいい」が理由でしょう。ゴリゴリの人種差別ですが、そういう難しい理論は通用しません。だってワンマン社長の肝煎りプロジェクトだから

多分社長の頭の中にあった世界

しかし、採用した彼らにはセキュリティソフトの知見なんてもちろんありません。日本語しか外国で勉強してないのです。なんなら日本語で電話応対を覚えるのも一苦労。現場は彼らの教育に悪戦苦闘しました。

そして誰も面と向かっては言わないのですが、2-3ヶ月もすると内心思い始めました。

「おい、この外国人にどうやって仕事してもらうんだよ。契約書、コード書けない、半年経って電話番しかできてないぞ…?人事と社長は何を考えてコイツラを雇ったんだよ…」

ド直球の内心

そして外国人社員の方だって同じです。23-24の頃は仕事ができるだけで人生一歩前進した感覚があります。ですから自分が選んだ道のヤバさなんて感じません。むしろ、日本で働けていることで脳汁ドバドバ出ているかもしれません。

そりゃ欧州で正社員になれたら私だってテンション上がります。

しかし27-28位になってくると露骨に日本人の同期との差が出てきます。片やサブマネージャーまで出世して後輩を育成している同期もいるのに、自分は万年平社員。

そして、自分だけができる特別な仕事といえば会社のホームページに使う画像のモデルになるくらい。

いや、もうそれって外国人タレントやん。専門性も育てられずガラスの天井を見ながら飼い殺しにされる日々…

そりゃ、辞めますよ。

これ、誰のせいで起きたか?
どう考えても会社のせいだと思うんです。
「日本語しか使えない」外国人雇っちゃって育成できないから、放置した。そして耐えきれなくなって20代後半で彼らは辞めた。

もちろん、そんな無謀なことする会社にやって来ちゃった社員たちの責任もあるんですが、会社側だって扱えない人材雇うなよ。とは思います。

しかし、会社はそもそも「外国人材雇っても教育する人がいない」という課題を棚上げして以下のように考えました。

そうか!ただ外国人を雇うのではだめだ!
多様性を担保しつつ、優秀な人材を集めなければいけないのか。
なら入社試験を難しくしたろ!

本当にそれが答えか...?

めっちゃ厳しくなった採用試験

こうして会社はリクルートと契約。SPIのテストを入社試験に導入して優秀な外国人を採用する方針に転向しました。

しかしこの試験、解いた方ならご存知だと思いますが、SPIは国語、数学、英語、そして人格診断が含まれるテストです。

このレベルの問題をすらすら解けるノンネイティブはおらんのよ!

そして国語の問題は日本人にとってもまぁまぁ難しいのです。ですからあれを突破できる普通の外国人はいません。更に、そもそも日本の大学を卒業して就活の方法を先輩から聞いていないと、SPIの存在すら知らないのです。つまり彼らは対策すらしないので、結果的に...

  1. 面接を受けに行った

  2. ペーパーテストをしろと言われた

  3. めっちゃムズい。死んだ。

こうなります。

つまり、この試験を導入することは、「うちはまぁまぁ地頭のいい日本育ちの学生さんしかいりません」と宣言したに他ならないのですが、会社はこれで「日本語も話せるし普通の日本人より優秀な外国人新卒」がやってくると考えたようです。

本当に「優秀で、日本の大学を出た、白人の外国人」が面接受けに来ると思ったんですかね?結果はすぐに出ました。

そして誰もいなくなった

はい、来ません。誰も来ません。
来ても試験に合格しません。

そもそも、そんなネイティブレベルの日本語を勉強していて、セキュリティソフトに関する専門性を持ってる外国人は、日本の2流IT企業には入社せんのです。

少なくとも新卒月給手取り21万じゃ来ません。

それに、うちの会社が求めていたレベルの外国人なんてほぼこの世にいないと思います。だから来なくなって当然の結果だったんですよ。

そもそも外国人必要な会社だったか?

流石に、このあと外国人社員が全くやって来なくなると会社も冷静になって考え始めました。

  • うちの会社って多様性必要だっけ?

  • うちの会社が多様なメンバーで構成されてたらどんなメリットがあるんだろう?

社長も取締役達も色々考えました。
結果今では眼鏡をかけた高専か大卒のプログラマー男子が8割を占める会社になっています。

多様性がむしろ全くない方に進化してもうた。

ようやく会社は自分たちに多様な人材を組み込む余地がない中小企業だと理解したのでした。

前職、多様性とか使いこなせる企業じゃなかった件

結論ですが、結局多様性って私の前職では必要なかったんですよね。

ビジネス的に。

うちみたいな企業向けの固いセキュリティソフト作ってる会社に必要なのは、プログラムの設計ができるエンジニアであって、なんか素敵な多様性のある人々ではありませんでした。

かつてのTwitter社内みたいなのを目指して多様性を実現しようとしましたが、結局現在にX社内のようになってしまったわけです。

まじで右画像ですわ

多様性とか、クリエイティブで稼いでた会社じゃなかった

後、うちって結局多様性であることを活かせるクリエイティブな会社じゃなかったってことだと思うんですよね。

でも世の中にクリエイティブなことしてる企業って何割あります?1割もないんじゃないでしょうか?

例えばクリーニング屋さんって多様性を促進したらビジネス向上すると思いますか?

皆さんが求めてるのってクリエイティブな形したシャツに加工されることじゃなくて、安くて早く仕事してくれることですよね?

マスコミはこういう社会の8-9割に属する、「クリエイティブでもイノベイティブでもない、社会の秩序を支えてる仕事」を無視して多様性を礼賛しているようにしか私には見えません。

確かに多様性が担保されてる方が社会を変えられる様な新しいことができる企業はあると思いますが、大多数って社会の歯車じゃないですか。

結局そこにオリジナリティとかクリエイティビティとか求められてないと思うんです。そして私たちの会社もその歯車でした。

だからどんなに多様性が大事でも、他の歯車とうまく噛み合わない歯車は不要だったんですよ。

外国人がいう「日本楽しい」なんて生活苦でいくらでも歪む

これまでたくさんの外国人と交流して来ましたが、生活基盤が整ってない外国人がいくら「日本の生活が楽しい!」などと言っても、そんな気持ちは2-3年で歪むということがよくわかりました。

人間は余裕がないと簡単に初心を忘れて不平不満や恨みを募らせるものなのです。

うちの会社で採用されてニコニコだった外国人新卒も、都心で家賃8万を払いながら月収21万で暮らしていったら、みるみる顔つきが変わりました。

だから刺激なんかより金と安定。刺激なんてものはその後楽しむ嗜好品なんだと思っています。だって刺激だけあっても不安にしかならないんですもん。

そんな経験もして、今では私も外国人の移住者たちが言う「日本楽しいです!ずっと住みたいです!」と言う言葉を100%信じられなくなっています。

せめて定職についてる人、生活が安定してる人じゃないと数ヶ月単位で意見がコロコロかわるのを見て来ちゃったんですよね。

結局いつの時代も結果が不明確で謎に包まれてるからこそ外国暮らしに憧れが出るんだろ思うんです。だからこそ、無邪気に国際交流を楽しむ秘訣はあまり近づきすぎないことなんだろうなぁと思います。

リアルになりすぎちゃ夢が見れませんからね。

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