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衆院選2021政党アンケート①「学校復帰を前提としない不登校支援政策の地域における現状認識と今後の政策について」

2017年に「普通教育機会確保法」が施行され、学校復帰を前提としない不登校政策が全国で始まっています。同時に、私たちフリースクールなどのような、学校外の学びの重要性が認められ、行政と民間フリースクール等の公民連携も進みつつあります。

そのような中、私たち東京都フリースクール等ネットワークでは、衆議院選挙に先立ち、各政党に対して「不登校支援及び子どもの学びの場の選択」に関してのご認識と政策についてアンケートを行いました。

※封書にてアンケートのご依頼をしたため、解散前の衆議院議員所属政党や出馬が見込まれる東京都議会の会派など、事務所住所などが公開になっている政党9団体に対してアンケートの依頼を実施し、6団体から回答をいただきました。

各政党がどのような現状認識をもって、どのような政策に取り組んでいるのかを知る機会となりました。ご協力くださった各政党の皆さまありがとうございます。

今回は、学校復帰を前提としない不登校支援政策の東京都における現状認識と今後の政策についてのアンケート回答となります。ぜひご一読いただき、衆院選に向けて参考にしていただけましたら幸いです。

回答いただいた順番に掲載しております。(10/28:国民民主党の回答を追記)

【質問】学校復帰を前提としない不登校支援政策の東京都における現状認識と今後の政策について

①義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律を受け、令和元年10月25日文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」に基づき、学校復帰を前提としない不登校支援政策が進められていますが、地域における現状認識と今後の政策について200字程度でご回答ください。

【回答】立憲民主党

行政と民間フリースクールの連携が進み、行政においても様々な取り組みが進んでいることに敬意を表します。

今後とも、いじめや部活動、進路など、子どもたちの悩みや苦しみに寄り添うための学校 体制の強化とともに、フリースクールへの支援を推進します。

また、小中高校での相談体 制の強化と意見表明権を保障する仕組み作りや、学校外にも若者の居場所作りを進める等 の取り組みを推進していきます。

【回答】社民党

地域の中に、登校できない子どもたちがいることは、各区や各市の教育委員会が数値を示しており、議会の中で議員が質疑する際にも答弁があり、承知しております。

しかし、その具体的内容、つまり理由や原因、当事者の状況などは、個人情報の上からも全くわからないといって過言ではありません。

政策としては、スクールソーシャルワーカーの活用や、専門家による相談窓口の充実があります。各学校の対応だけでは難しいので、専門的対応ができる体制づくりが必要です。

【回答】日本共産党

不登校の増大は、学校が子どもにとっていかに息苦しい場となっているかを示しています。

日本共産党都議団は、都教委が「登校支援シート」を作成するとしていることや、不登校の要因を心の問題、本人の問題と捉える傾向について問題を指摘してきましたが、登校することのみを目標にするのでなく、子どもたちが社会的に自立していけるよう支援することが重要だと考えます。

同時に、子どもの個性や多様性に反し、競争や管理を強化する教育政策を改善し、学校が子どもたちにとって行きたいと思える場、〝安心して休める学校〟になるようにする必要があると考えます。

【回答】自由民主党

不登校の児童生徒数は依然として高水準で推移する一方、要因や背景は複雑化、多様化が進んでおり、喫緊の課題と認識しています。

教育機会確保法の趣旨を踏まえ、教育支援センターへのスクールカウンセラーの配置などによる機能強化や設置促進を行うとともに、不登校の子供に配慮した特別の教育課程を編成する学校の全国展開、学校外で学ぶ子供たちへの支援、夜間中学の設置促進・教育活動の充実と就学希望者への積極的支援などの施策を一体的に実施します。

【回答】公明党

文科省通知には「『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」とあります(「学校復帰を前提としない」とはニュアンスがやや異なるように思えます)。

いずれにせよ、私自身も教育現場の声を伺う中で、児童生徒一人ひとりが持つ多様な可能性を引き出すため、学校教員の負担軽減や少人数学級のさらなる推進はもとより、未来の人材を守り育てる地域社会の機能強化が不登校支援の後押しになると考えています。

【回答】れいわ新撰組

「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」により、フリースクールでの学習を義務教育として公認されることになりましたが、それだけでは、その場しのぎで不十分と考えています。

子どもが学校に行けない状態を生み出している学校の現状(学力競争、ブラック校則や「●●(学校名が入る)スタンダード」と呼ばれる子どもの行動や思考方法まで一律に縛る基準が設けられ、型にはまらない子ども、うまく適応できない子ども(とりわけ障害のある子ども)が、学校カーストの中ではじき出され、いじめの対象になったり、無視され、学校における居場所を失っていること)を変えることが根本的解決につながると考えます。

【回答】国民民主党(10/28追記)

不登校児童生徒の正しい実数および実態把握に努めると共に、画面オフでのオンライン授業参加や、学校外活動 の出席カウントを認めるなど、柔軟な学びの場の提供や、教員や地域の協力者の伴走が叶う予算確保や人的配置に努めます。不登校の子どもたちの居場所づくりやオンラインスクール、フリースクールへの支援を拡充します。

【その他の質問】
「フリースクールなどの多様な学びを子どもたちが選択することに関する認識について」、「家庭の財政的負担に関する、家庭や学びの場への財政的支援について」のアンケート結果はこちらにまとめております。

東京都フリースクール等ネットワークの設立経緯などは下記の記事をご覧くださいませ。


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