摂食障害とドーパミンD2受容体:遺伝子型とサブフェノタイプ
全文は下から(研究者向け)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0278584612001042?via%3Dihub
概要
目的
過食症(BED)の研究は過去10年間で急増しているが、その神経生物学的基盤の理解はまだ初期段階にある。これまでの研究から、BEDは報酬に対する過敏な反応を特徴とする過食症候群である可能性が示唆されており、快感や食欲行動を制御する神経回路において強いドーパミンシグナルが生じていると考えられている。我々は、D2受容体遺伝子(DRD2/ANKK1)と、BEDの表現型および肯定的な食物刺激に対する反応の増強を反映するBEDの4つのサブ表現型との関係を調べた。
方法
BEDの有無にかかわらず、230名の肥満の成人を対象に、D2受容体の5つの機能マーカー(rs1800497、rs1799732、rs2283265、rs12364283、rs6277)の遺伝子型を決定し、次元的にスコア化された自己報告式の質問票から、過食、情動的摂食、快楽的摂食、食への渇望を評価した。
結果
体重をマッチさせた対照群と比較して、BEDはドーパミン神経伝達の亢進を反映するrs1800497およびrs6277の遺伝子型と有意に関連していた。また、BED患者はrs2283265のマイナーTアリルを持っている可能性が低かった。同じマーカーがBEDのサブタイプにも関連しており、rs1800497は予測された方向に最も強い効果を示した。
結論
本研究は、BEDが報酬に対する過敏性に起因する疾患である可能性を示唆している。この素因は、嗜好性が高くカロリーの高い加工食品が豊富に入手できる現在の環境では、過食を助長する可能性が高い。
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