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「フォロワー数増やしましょう」は「応援団増やしましょう」だったんだな。

「フォロワー数を増やす」って目的でSNSをやるのが、すっごくしんどかった。

漫画を読んで下さっている方にはバレているかもしれないが、私は、「去るなら去りなされ」と言いがちな性格だ。そして「去りたいから去りますね」と言いがちな性格でもある。(犬の漫画よりも『今日のてんちょと。』とかの方が、そういう雰囲気があるかもしれない)

サッパリした人間だからじゃない。人が私なんかの周りに集まってくる自信がないからだ。この指とまれと言っても誰もとまってくれないと思ってるから、恥をかく前にこう言ってしまう。「いや、別に数を増やそうと思ってないから」

今、私は、そんなこと言ってた自分をぶっ飛ばしたい。

『今日のてんちょと。』『いとしのオカメ』『いとしのギー』と、3冊出させてもらって痛感した。漫画は、一生懸命描いただけじゃダメだ。それを買って、広めてくれる応援団が要る。その応援団は、読者でありファンであり、フォロワーさんたちなのである。

私がやってたことは、「応援団なんていらない。ひとりでやる」って言ってたのと同じだ。出版社の方が、あんなに宣伝に力を尽くしてくれている横で、よくもそんなことが言えたもんである。「フォロワーなんて減ったっていいんです」などと口にしたこともある。大バカ者とはこのことだ。

今年は、どんな臨時の仕事や情緒の乱れがあっても、週に4回必ずSNSを更新する時間割りを組んだ。私がどんなに、私に自信がなくたって、待っててくれる人たちがいるのだ。そのことをもっともっと自覚しなくちゃ、まじで愚か者になってしまう。

今、SNS経由で声がかかって、出版社の方に「フォロワー数増やしましょう」ってニュアンスのことをやんわり言われて、「え、そこ?」ってもんやりと思っている漫画家さんがもしこれを読んでいたら言いたい。「応援団増やしましょう」って意味だと思うんです、それは。

そこに多少の気疲れがあっても、応援団の人たちほど、描く側に幸せを届けてくれる存在はやっぱりいない。私は本当に愚か者なので、3冊目でやっと気がつきました。遅い!ああ、遅い!!自分のこういうところ、ほんとに嫌いだ。

好かれるために漫画は描けないけれど、描いた漫画を粗末に扱わないことを誓います。きちんと丁寧に、SNSを通して、1人でも多くの人に「おおがきなこ」を届ける努力を怠らないことを、誓います2020。


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【おおがきなこ】漫画家。著書に、『今日のてんちょと。』『いとしのオカメ』『いとしのギー』がある。2020年冬『エミ、34歳 休職させていただきます。』発売予定。1/28よりUNIQLO下北沢店にてコラボ棚が出現(グッズはありません)。座右の銘は「嘘を描くな」。noteにて作品を発表中。



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