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①ウツってやつはアリ地獄

こんな、有名でも何でもない、一般人のエッセイを読み始めてくれてありがとう。36歳になりました、フツーの人です。

夫と犬2匹と共に、東京で小さなアパート暮らし。

フツーでない事といったら、「おおが きなこ」という名前で漫画家をやってる事くらい。(4冊目を発売させてもらえたので、もう漫画家と名乗っていいよなぁ…)少年ジャ◯プとかマー◯レットとかの漫画ではない。

『大家さんと僕』の隣くらいに、たくさん並んでいる1000円代のエッセイ漫画やストーリー漫画。その中に私もいる。

聞いたことない、と言われても傷つかない。私、フツーすぎるからなぁ。特に大きな不幸もなく育ち、特別何かのマイノリティって事もなく…

そうだね、「ウツ」で5、6年間引きこもってた事があるくらい。

記憶がぼんやりしてるもんで、多分21歳から27歳までの間だと思う(間違えてたら後でシレッと書き直そ)。同年代が夢に向かって走ってたり、お給料でちょっと良いバーやレストランに行っている頃。

私はアパートの布団の中で、痺れる手足をバタつかせながら、毎日気を失うまで「消えたい、もう消えたい」と過呼吸を繰り返していたのであります。

(ああいう発作って超怖いよね)

その辺の事はまた別の回に、もっともっと怖い話をしながら書くとして。

今は元気です。健康だし、もう消えたくないな。夢だった漫画家になって、夫にも友人にも愛犬にも恵まれて、悩み事なんかなーんにもなくなっちゃった。

…ってわけには、やっぱいかないんだなぁ。消えたいって気持ちは消えたけどね!

もう過呼吸もないし、そんなになるほど気持ちが落ちきることもない。あの5年間がアリ地獄の真ん中だとしたら、今の私は、いつもちょっとだけ渦の入り口あたりに立っている感じ。

そうだねぇ…心が落っこちていくのは『フォロワー数が少なくて売り上げが伸びない』『バズらないと広まらない』この辺の大人の事情と、対面した時だねぇ。

でもフォロワーさんって応援団だからね。フォロワー「数」って言うから、なんか物みたいに聞こえるけど、人だからね。だから私、真剣にSNSやらなくちゃって反省して、TwitterもInstagramも本腰入れてやってる。

けど、「バズれバズれ」って考えた文章、ツイートボタンを押すたびに、心がゆっくりつぶれてく感じがするんだよ。

私は、人に好かれようとニコニコするのに心底疲れて、昔ウツになったのにね。そして、それをもうしたくないから、漫画を描き始めたのにね。(この辺の話も今度書いてみよう)

漫画家じゃなくたって、SNS上の事じゃなくたって、物事を運ぶために心をグッとつぶす瞬間…どんな仕事してても、みんなあると思う。

『うん、でも、楽しんで頑張ります!』

...っていう笑顔が、どんどん自分のものじゃなくなってく感じ。「笑顔」が、タテマエをタテマエに見せないための、ただの「道具」になっていく感じ。

心が、スローモーションで壊れていく。

最近、本心で笑ってるかなぁ。笑顔が演技ばかりにないかなぁ。もしかして、アリ地獄の入り口から、じわじわ渦に落ちていってないかなぁ。

36歳になった今も、自分の目の前にはアリ地獄があると思って過ごしてる。落ちないように、とてもとても気を付けてる。

これから1年間、「休む」をテーマに、自分の話を小分けにして書いていこうと思う。

『いつも笑顔でいれば幸せになれる』とか『幸せな言葉だけを口にする』とかを全く信用してない私のエッセイが、あなたを励ましたり勇気付けたりはしないと思うけど。

でも、しんどくなったら読みに来てほしい。言葉を通して会いましょう。

最後に、これを読むかもしれない私の家族や友人を安心させるために追伸を書かせてね。心配かけちゃうもんで。

P.S  今は3時間犬の散歩をするほど元気です。いつもありがとう。また来週!

・・・きなこ・・・

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