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実際のプロジェクトを事例に、「アートプロジェクトの評価」について考えた動画シリーズを公開。

Tokyo Art Research LabのYouTubeチャンネルで公開中の、アートプロジェクトの運営に必要な視点を紹介する「アートプロジェクトの運営をひらく、◯◯のことば。」。その実践編として、具体的なアートプロジェクトを事例に、「評価」の考え方について紹介する動画シリーズを公開しました。

実践例として取り上げるのは、足立区を舞台に活動する「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」が市民とともにつくるアートパフォーマンス「Memorial Rebirth 千住(通称:メモリバ)」です。来場者数やウェブサイト等のアクセス数だけではなく、アンケートの声や個々人の変化などの数値化できないデータにも着目した評価に、アートプロジェクトの専門家などと共に取り組みました。

最初から順番に見るもよし、気になるテーマから見るもよし。ぜひ、ご覧ください。

「Memorial Rebirth 千住」とアートプロジェクトの評価

動画の第1弾では、「Memorial Rebirth 千住」のプロジェクト概要や、アートプロジェクトの評価についての概説を行います。発表者はアートアクセスあだち 音まち千住の縁プロデューサーの熊倉純子さんです。

ずっと走り続けてきたメモリバですけれども、一体我々は何を作り出してきたのか。文化事業は、簡単に集客数などで成果を測っていいものではありませんが、では評価をすることはできないのだろうか。
熊倉純子(アートアクセスあだち 音まち千住の縁 プロデューサー)

*動画より抜粋

「メモリーバックアップ」としてのロジックモデル

動画の第2弾では、「Memorial Rebirth 千住」にかかわる人々の活動や広がりをロジックモデルにして整理した槇原彩さん(成蹊大学文学部芸術文化行政コース 客員講師)に、アートプロジェクトにおけるロジックモデルの活用法や可能性についてお話しいただきました。

ある一定期間プロジェクトが継続した時点、さらにはプロジェクトが終わりを迎えた時に、ロジックモデルの型を援用しつつ、今までの道のりを可視化し振り返る作業には、記憶(Memorial)の風化を防ぎ、それを想起・再生(Rebirth)する「メモリーバックアップ」の効果がある。
槇原彩(成蹊大学文学部芸術文化行政コース 客員講師)

*動画より抜粋

アンケート調査から読み解く Memorial Rebirth 千住の価値

動画の第3弾では、「Memorial Rebirth 千住」にかかわるスタッフや来場者のアンケート結果をユニークな手法で分析した佐野直哉さん(上野学園大学音楽学部 准教授)に、その分析から見えてきたプロジェクトの特徴や成果ついてお話しいただきました。

つまり、評価は、客観的に、現在の事業の状態をあらわにする健康診断と思っていただきたいと。それから、事業外の人と共有する、共通語としてとらえていただけたらと思います。
佐野直哉(上野学園大学音楽学部 准教授)

*動画より抜粋

「評価」を活用してアートプロジェクトを運営する

動画の第4弾では、第1弾~第3弾の発表者が一堂に会し、アートプロジェクトの評価についてディスカッションを行いました。

評価という学びを通じて、アートプロジェクトの固有の可能性、あるいはアートプロジェクトではないとできない領域がやはりはっきりとあるんだな、ということに気づきました。事業の継続や成果に結びつけるのみならず、アートプロジェクトそのものをさらに力強く活性化させて推進していくために、「評価」という言葉は自分たちにとってのツールになるのではないか、ということを確信させていただいたと思います。
森司(アーツカウンシル東京)

*動画より抜粋

こちらの本でも「評価」について紹介しています

本動画シリーズで紹介した内容については、2021年度に発行した『アートプロジェクトがつむぐ縁のはなし 大巻伸嗣「Memorial Rebirth 千住」の11年』でもお読みいただけます。動画に出てきた多様な評価分析の手法に加え、アーティストによる絵物語や、事業にかかわってきた人の声、10年分の活動を一覧にした年表なども掲載しています。

Tokyo Art Research Labのウェブサイトでは、PDFデータを公開しています。動画と合わせて、ぜひご覧ください。


▼本動画シリーズの一覧はこちらから


▼「アートプロジェクトの運営をひらく、◯◯のことば。」動画シリーズはこちらから