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ゴッホと静物画〜ゴッホを含む巨匠の画家たちによる花の絵画が見どころ(1月21日まで)

ゴッホと静物画ー伝統から革新へ 
SOMPO美術館 
2023.10.17(火)- 2024.01.21(日)

ゴッホというと風景画だったり、人物画も多いのですが、静物画がけっこう残っています。今回は、その静物画に焦点を当てた展覧会。ゴッホというと一番有名な絵画のひとつは、やはり『ひまわり』でしょうか。もちろん今回もSOMPO美術館のほぼ常設展示の『ひまわり』展覧会中盤の4階に展示されていました。いつもポツンと最後におかれていた『ひまわり』ですが、この3ヶ月間だけは他の花の絵と一緒にいれて楽しかったんじゃないかなと思ったりしました。

フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》
フィンセント・ファン・ゴッホ《アイリス》

今回は、同時期の他の画家の絵と比べるように並べられており、ゴッホの独自性が際立つ構成になっていました。まさにゴッホは我が道という感じです。なぜ花の絵が多いかというと当時は貧乏で(結局亡くなるまで。。)手頃な花をモチーフにした絵が多かったようです。人間関係もあまり得意という話もありますが。

フィンセント・ファン・ゴッホ《赤と白のいけた花瓶》
フィンセント・ファン・ゴッホ《カーネーションをいけた花瓶》
フィンセント・ファン・ゴッホ《野牡丹とばらのある静物》
フィンセント・ファン・ゴッホ《青い花瓶にいけた花》

時代によって、色の違いはあるものの他の画家と比べるとぽさがでてます。個人的には、ゴッホの人物画は少し苦手なので、今回の静物画、特に花の絵は好感度高かったです。練習のため多作したパリ時代でしたが、絵の表現はよく掴めてますし、彼の画力が伺えます。

また、今回は比較する画家も豪華で、花の絵がめずらしいピサロ、ルノワール、モネの一輪挿し、特によかったのはヴラマンク。この人は街角や風景画のイメージが強いかもしれませんが、花の絵は秀逸です。そのあたりのゴッホ以外の画家も含め見応えがある展示でした。

カミーユ・ピサロ《丸太作りの植木鉢と花》
ピエール=オーギュスト・ルノワール《アネモネ》
アンリ・ファンタン=ラトゥール《花と果物、ワイン容れのある静物》
エドゥアール・ヴュイヤール《アネモネ》
ウジューヌ・ドラクロワ《花瓶の花》
クロード・モネ《グラジオラス》

最後に展示されていたリヒャルト・ロラン・ホルストの「ファン・ゴッホ展」図録の表紙が久しぶりに見られました。フィンセント、そしてテオが亡くなって、テオの奥さんだったヨハンナが開催した1892年の回顧展。しおれたひまわりの上に光輪というなかなかクールな図柄ですが、近くにいた外国人が撮影できずに悔しがってました。


皆さまのお気持ちは、チケット代、図録代とさせていただきます。