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展覧会の雑記帳(2023.2月振り返り)安珠/堀本達矢/沖綾乃/六本木クロッシング

A girl philosophy ある少女の哲学 安珠 写真展@シャネルネクサスホール(2/12まで)

銀座通りのシャネルの4階にあるギャラリー。いつも展示構成と展示内容のクオリティーに驚かせられますが、今回も暗い会場で写真が映えていました。展示内容は、モデルから写真家に転身された安珠の企画展。ある少女の哲学という少女を題材にして、いろいろな物語、不思議な国のアリス、青い鳥、幸福な王子、動物会議、ユニコーンなどをテキストと連動した写真でストーリーが展開しています。没入感が高いです。幸福な王子の物語のラストシーンのテキストと写真が、この上なくリンクしていてゾワってなりました。


ケモノ美術作家・堀本達矢「Meet the KEMONO」@銀座 蔦屋書店(会期終了)

2021年のロイドワークスで話題になっていた堀本達矢の個展。実際に見ると本当にいそうなケモノがたくさんいました。伊達にケモノ美術作家と名乗っていないです。顔は爬虫類に近いですかね。人間は猿から進化しましたが、爬虫類から進化したらこんな感じになるかのかと。ポケモンのミュウツーに似てるという意見もいただきましたが、たしかに似てます。瞳を見ていたのですが、虹彩(こうさい)の表現が細かったです。人のように丸くなっているのと、ネコ科のように、縦に細くなっているもの2つが作り分けられていました。ご本人も在廊していましたが、人がよさそうにいろいろな人としゃべっていました。

沖綾乃&下重ななみ 二人展 ―しわざ―@Artglorieux アールグロリュー(会期終了)

和製エゴンシーレとも言われる沖綾乃。以前、bukamuraギャラリーでインパクトが残っていました。今回、展覧会をするということで楽しみにしていました。今回は沖綾乃の話だけになります。下重ななみさんすみません。話は戻りますが、自身がすいた和紙に岩絵具で描かれた、素材を時折残したり、荒い顔料でキラキラ感を残し、メリハリを出ています。彼女の何がよかったかというとその退廃感ですが、前回と比べると、退廃感は薄くなってます、が、なぜ退廃感がうすいかわかりました。男性がいないからです。それを言うとエゴンシーレが男性だけでエゴンシーレだったのに比べると、沖綾乃がエゴンシーレになるにはもう一歩かもです。本人はエゴンシーレをめざしているわけではないかもしれませんが。。

2023年の展覧会


2021年bunkamuraギャラリー


六本木クロッシング2022展:往来オーライ!@森美術館(3/26まで)

3年に1度行われる定点的な現代アートの展覧会。もちろん全部理解しようとするのも酷な話なので、ところどころ印象の残ったアーティストをみつけていく展覧会となります。その印象的なアーティストがこの先、このアーティスト前によかったよ。って言えるような長い目でみていくといいかもです。ということで、今回印象にのこった展示を何点か。

AKI INOMATA《彫刻のつくりかた》
ぱっと見は木彫なのですが、実は動物園に木材を送って、ビーバーにかじってもらったもの。アートは人間のものだけではないみたいな問いかけです。実際に複数の木彫が並んでアートですね。ビーバー自体は、歯をけずるため、巣をつくるために削ってはいるのですが、見た目がそれっぽく見えれば、工程はあまり関係ないのかもしれません。

キュンチョメ《声枯れるまで》
トランスジェンダーの青年が、名前を変えることによって、心とからだの性が一致一致して暮らしやすくなったというインタビューです。アートぽくないです。ただ、見た人にインパクトを残すものが現代アートとするならば、そのサバサバした受け答えとインタビュー内容は一番印象に残りました。

SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD《rode work ver. tokyo》
工事現場の電飾をつかったデコレーションです。たしかに夜にクルマで通ると綺麗だったと思います。その部屋も明るさを落とした部屋で、電飾がきれいでした。また、作業服でスケードボードで疾走する動画も流されていて、実際に作業員がスケボーで移動すると楽な気がしました。


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