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#063 「ひきこもりに関しては自然治癒はほとんど起こらない」斎藤環氏

「自分で回復したといってくれた人は4人。」斎藤環氏

「みなさんが簡単に思い付くようなことはだいたい失敗している。」


「長い人は30年、短い人は6ヶ月とか。
長期化する場合は福祉の利用を考えるのがよい。
私はどんどん利用したほうが良いと思う。

8050のあとは、親なきあとの問題が来る。

一人になったらどうしよう。
→正直なにも考えていないという人が44人いた。」

「医療に繋がる前に家族が相談に行き、医者を見定めること。合わない医師に繋がり、かえって悪化するのを防ぐ意味がある。」

「2021年、事件。
息子(60代)が親(高齢)を殺して冷蔵庫に保存した。ケアされていた人が、急に親をケアする側にまわれるか。答えはムリ。

これを防ぐのが必要。」

「親のセルフケアが極めて必要。親御さんがまず、自分の精神健康を保つ。いちばん大事なのは親御さんのメンタルヘルス。次が本人。」

「引きこもりの当事者は、要介護ではないから、1ヶ月くらい家を開けても大丈夫。距離を置くことも検討して欲しい。」

「ばらばらの状態が、引きこもりシステム。
ばらばらの状態で安定してしまう。」

「コミニケーションをつなぎとめる努力をする。」

「たまたま困難な状況にあるまともな人である、と考えるようにしている。この方が基本的なスタンスとして正しいと思える。厚労省もこっちの方向に切り替えている。治療法はない。」

「ゴールは、就労就学はタブー。周囲がそう設定してはいけない。本人が自分自身の状態を受け入れる。親御さんがともに歩む。自尊感情の回復を目指す。」

①家族サポート
②個人サポート
③集団サポート
④ソーシャルワーク


①最初のニーズは「ほっといて欲しい」
→家族相談。

②繋がりの維持。信頼感を得る。

③一人は嫌だ。家族以外の人間からの承認。
どうやったら、家族以外の人と人間関係が作れるか。本人を責めずに辛抱強く付き合ってくれる人と出会うこと。出会えなければ→相談

段階を追って、焦らずに、同意を得て、進める。

④自分から就労を希望したりする。
自分自身で発見しなければ意味がない。就労動機がいかにして芽生えるか。対話したり。結果を急ぎするのは逆効果。


引きこもっている状態で一番恐ろしいのは、欲がなくなる状態。

何も要らない、現状で良い。という状態。

就労意欲=承認欲求 というのが今の時代は強い。

ということは、
マズローの〜
原始的なものから芽生えると考えた。
逆にこれらが満たされれば、その上の段階が求められる。

1〜3までを家族が満たしてあげるのがよい。
と私は考える。

一見甘やかしに見えるが、
食う困らない環境を用意して、個室を与え、家族の一員としてフェアに扱う。
これを強く要求したい。

安心して引き込もれる関係づくりをしてください。
1番安心できる状態は常に対話できる状態。
会話がないといつでていけと言われるかと考えてしまう。
平均的な普通の人は、不安を与えて動かそうとします。
勉強しないとホームレスになっちゃうよとか。
引きこもっている人には一切通用しない。

うちにはお金がないとか、親が高齢だからとか、よくあるが、脅かしてもいいことはないか、マイナスになる。やめていただきたい。

暖かい行動でうごかす。
一定の距離を崩さない。
一体化したいというのは良くない。
距離感が大事。
「私は自分の子どもと思わずに、友達の子を預かっていると思って接しています。」それくらい水臭く付き合ってください。

人間には寿命があるので、
すべてを受け入れることは出来ない。
お金は枠を守る。と同時に、必ず与える。
兵糧攻めはだめ。
お小遣いを与えないと、お金がいらない人になってしまう。
小遣いは絶対にあげていただきたい。 
私の家族会の平均は27000円/月。
これより多くても少なくてもいいが、月額守っていただきたい。月イチ同じ額を渡しておしまい。それを守る。パチンコで全部すっても、補充しない。来月まで待って、という。
小遣いいらない、といっても、無理やり押し付ける。それでもうけとらなければ、口座を作って、振り込む。
それくらい大事。

とにかく対話をしていただきたい。

ヒント
まず、対話じゃないことをやめる。
議論と説得と尋問とアドバイスをやめる。
これは全部モノローグ。
ダイアローグじゃないから。
もう対話ではない。
これはすごく難しいです。
アドバイスってなかなかやめられない。
親子で尋問しないでしょ?って想うでしょうが、
あなたは本当は何がしたいの?
というのは尋問です。

引きこもっている人のQOLが上がること。
対話を続けることをしていただきたい。
主観と主観の交換。
客観的正しさを求めない。
それを排除する。

主観と主観の交換に徹する。

ポリフォニー、いろんな価値観が共存する状態。

ハーモニーは一見良いようだが、統一されてしまうから対話においては良くない。

ポリフォニーは隙間が多い。
自分の主体性が回復につながりやすい。

とはいっても対話は難しい。

口を利かないどころか、姿を見ていない。
それでも、対話を頑張っていただきたい。

あいさつ
誘い
お願い
相談
から始める。

手の内を明かしてやっていただきたい。
水面下で画策したいと思っている事が多いが、
悪手。
何を考え、どうしてそういうことをするのか説明する。

心の内で何を思うのかを大切にしていただきたい。

誘って断られるのがセットですが、必ず誘っていただきたい。

あと、お願いは、頼めば意外とやってくれる。
「もしよかったら、ちょっとお母さん腰痛いから◯◯やってくれたら助かるんだけど、、、」

とお願いしてみる。
断る余地を残して欲しい。

キッチンテーブルにバイトのチラシが置いてあるとかは、辞めて欲しい。
やるなら、こういうのがあったのだけど、どうかな?と説明付きでやっていただきたい。

そうすると、全く喋らなかった人が喋ったりする。大体が恨みつらみ。親は倒れちゃうかもしれないけど、とにかく全部きちんと聞く。
反論、弁解を決して言わないこと。

一切しないで徹底して聞く、そうすると、いつか終わる。

親が逆ギレすると、水の泡。


オープンダイアローグ、もともとはフィンランドの統合失調症の患者さんの薬を使わない対話を使った手法の応用編です。


ある事例の方は、活発になり、引きこもり新聞を出版した。
よかれと思ってやったことが本人の力を奪っている。

早い段階で資産状況のチェック、専門家を交えて話し合っていただきたい。

縁起が悪いからやりたくないというのはよくない。

それは、働けなかったときのプランBです。
素人にはムリ。
専門家に頼るのが1番。

本人にいくら残すか。
引きこもっている人は平均で固定費以外に年間数十万しか使わない。それも含めて、検討して欲しい。

共著『ひきこもりのライフプラン』岩波
参考にして欲しい。

暴力については、おさめてから、対話的な退去法をして欲しい。

暴力は徹底して拒否。親でも子どもでも受ける意味は0もしくは、マイナスです。

力で抑え込むことは暴力の肯定になるので有効ではない。

刺激をしない。
本人の言葉に耳を傾ける。

暴力には『イヤだ』と言ってください。
ダメは無効。

第三者の前ではほとんど起こらない。
どんどんお客さんを呼ぶ、他人を入れることを取れる人はとる。
通報か避難。

つぎやったら、通報か避難します。
と予告して、実際激しい暴行したら通報してください。
実際にして、警察が来たら本人はショックを受けるから、その事実が大事。

避難をする。避難から別居にはしないほうがよい。
一週間程度。すぐ電話連絡。でないとしても、する。
暴力からは逃げたけど、あなたから逃げたわけではない。

居場所を教えても良い。 
子から親への場合限定。

子どもの暴力は、夫婦間とはちがう。

一事帰宅をする。
暴力が収まったら、そのままいる。

端折らずにやること。
気をつけて使ってください。


以上、上記貼り付け先の講演動画より引用。

2023.12筑波大学

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クソバイスは無用。

ということだな。
おやすみ。