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第30回:配信プレイバック(21〜29回)

 東京西側放送局は、ライター、編集者、記者の3人がカルチャアな話題で盛り上がるWebラジオ。鹿間、大丘、中田は、これまでの配信で何を話してきたのか。ぼちぼちと振り返っています。

◇配信内で出てきたキーワード

ハルキスト/村上春樹Tシャツ/「丸善の店員が着ちゃうんだ」/千葉雅也本人からのリアクション/先月の小銭貯金は1万2000円/私作る人、僕食べる人/電通アレルギー/センシティブ領域の広告/NIKE/ボイスロイド/30歳を超えている人はボカロ曲がうまく歌えない/ダービーで大炎上/「副業」としてのライター/尿管結石/筋肉アムウェイ

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◆東京西側放送局について

 東京西側放送局は、東京都の西側に住むWebメディア記者、フリーライター、出版社編集者の3人がお届けするラジオです。 暗い・気持ち悪い・嫌われがちという文化系3K職業を生業にする私たちが、仕事では取り上げ辛いトピックについて真面目に考え、面白おかしく吐露しています。
詳しくはこちらの記事で!

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第21回:「ハルキスト」に気持ち悪さを感じる?

Wikipediaによると、「ハルキスト」は小説家村上春樹の熱狂的なファンを指す俗称である。
“村上の趣味や生活スタイルに影響され、村上の著作のほか、村上の小説に登場する音楽や料理などを他者が紹介した本なども情報源としている。それらの自身について言及した書籍が自らの管理下にない、と村上は懸念を表している”そうだ。
そんな「ハルキスト」を蛇蝎のごとく嫌う大丘の嘆きから始まる今回。「ハルキスト」について、そして村上春樹の作家性について考える。

ラベリング/「ハルキスト」を自称する人/UNIQLOとコラボ/村上春樹好きを自称したときの「あぁ…」という反応/研究の対象にならない/文壇から無視されていた/村上春樹(笑)/売れ線(笑)/「オタクです。ワンピース好きです」/「やれやれ僕は射精した」/架空の村上春樹文体/クール系主人公/セカイ系の原点/閉じた世界から展開されるファンタジックな世界/ドラスティックな出来事/敗戦の受け入れ/しらけ世代/もどかしさ/ハルキズム/フランス映画感/匿名的な都市の寓話/東浩紀/消費社会が一定の段階に達した途端に村上春樹がブームになる

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第22回:千葉雅也の短編小説『マジックミラー』が浮かび上がらせたもの

川端康成文学賞を受賞した千葉雅也氏の『マジックミラー』についての感想回。新作とあわせて作品が掲載された『新潮 6月号』はAmazonで売り切れ、出版社も在庫切れを起こすなど、大きな話題を呼んでいるが、肝心の作品内容はどうだったのか、Webメディア記者・フリーライター・編集者の3人が、考え、喋る。

スマートな説明/短編ならではの鋭さ/小説だからこその表現/闇/色描写の連打/眼差し/ハッテン場のグラデーション/日焼けしていく体との対照/こちらからは見えないけど向こうからは見えている/LGBTQ/庇護する対象/剥奪される人格/ラッシュ/摩擦をする機械/『オーバーヒート』/「覚えておく」/color is not physics/色そのものにかかるバイアス/「最後にポップなことだけ言っていい?」

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第23回:「低収入」「一人暮らし」で貯金ってできる?

「一人暮らしでも普通にお金は余って貯金できるはずなのに(俺はできない)……」というメッセージを受けての配信。はたして「一人暮らしで貯金をする」のは簡単なことなのか、どうすれば貯金ができるのか……。マネーリテラシーが高いとはいえない私たち3人が「ああだ」「こうだ」と考え、話し合う。役に立たない“与太話”回です。

一人暮らしで貯金をするハードル/無いものとして扱う/投資信託にぶち込む/自分の生活がカツカツにならないことが条件/給与額を上げるか支出を抑えるか/精神的余裕/なんでもいいから貯金を始める/不可侵性を付与する/無邪気にお金を使っちゃう/地方の信金/馬券で増やす/投資と投機/勝間和代/小銭を貯める

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第24回:しまだあや騒動から考える「文章」と「炎上」

大阪市の「新今宮エリアブランド向上事業」の一環として、noteに記事を公開し、“炎上”してしまった、しまだあやさんのPR記事『ティファニーで朝食を。松のやで定食を。』。
彼女の書いた文章は、なぜ炎上に至ってしまったのか。本質的な問題は何だったのか。炎上した、謝罪した、はい、お終い……ではなく、改めて問題の根本を見つめ直しながら3人で話し合う。

プロからの批判がない(目立って見えてこない)/当初は絶賛する反応/人の生活を娯楽として消費/自治体からのPR案件というのがどうにも/「人の温かみ」/「町の温かみ」/謝罪文/直近でホームレスの炎上案件があったのに「またかよ」/暴力性/サービス精神/無邪気/明快なメッセージがないとPRしづらい/観点が“マーケティング”/貧困の問題よりも大きな話/“行政”が救っていくべき対象/ジェントリフィケーション/街のPRになる要素がそもそもない/文章の問題だけじゃない/エモい文章/発注側の意図/文脈を掘れば「燃えるものじゃなくね?」ってものと、文脈を掘るほど「これは燃えるだろ」ってもの/キラキラさせれば解決するという価値観/クライアントのニーズには合致している/PR表記/広告の倫理/インフルエンサーマーケティング/エッセイとして楽しんだ人

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第25回:記者・ライター・編集者が考察する『うっせえわ』の「歌詞」が示すもの

「ポップスは社会の写し鏡」といわれていたのは過去の時代……? Ado『うっせえわ』の歌詞解釈を巡って、記者・ライター・編集者の3人が話し合う。

関ジャム完全燃SHOW/いしわたり淳治/感想/特定アーティストの計量テキスト分析/Ado/『うっせえわ』/メタ/共感/母親に対する目線/父親殺し/エディプスコンプレックス/社会一般に対した最終的な審級がママ/子どもの頃の親の存在=神/「うっせぇわ」を聞いた30代以上が犯している、致命的な「勘違い」/ギザギザハートの子守歌/読み方が全般的にわからない/反抗ではなく断念/分断/逸脱しない自己/天才制への飛躍/社会に物申すための特権性/否定する根拠は身体的/怠慢の象徴としてのルックスの汚さ/ボカロ文化/小学1年生からボカロを聞いていた/新人類/YOASOBI/社会の写し鏡としてのポップス/米津玄師/ヒャダイン/supercell

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第26回:「文系」の人間が説く「競馬」の魅力

日本ダービー直前。ギャンブルとしての「競馬」に興味の無い人間に、競馬好きの人間が競馬の魅力を文系の文脈で説く回。

やられたオッサン/負けを痛いと思わない/競馬をやっていると優しくなれる/アドラー心理学/想像力が豊かになる/自分の間違いを受け止める/過信を防げる/俺はそこまで大した人間ではない/意識低い系のダイバーシティ/日常的に挫折経験を受け入れている/自らの特権性を信じない/差異を受け入れる/チャールズ・ブコウスキー/クローズドクエスチョン/ナチス

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第27回:世の中に数多ある「不毛な解説記事」が生まれるワケ

「ファーストピッチセレモニー」と「始球式」の違いについて……そんな無意味な記事を目にした鹿間の発言から、インターネット上に数多ある不毛な解説記事が生まれる理由について考える。SEOの意義、意味、目指されるものとは……。

“ファーストピッチセレモニー”と“始球式”/解説記事/違いをでっちあげる/Googleからの評価/適切な文字量/SEO/~~とは/「3000から5000字くらいは欲しいよね」/検索汚染/英語で検索したとき違う説が結構出てきた/開発が英語ベース/発注の仕方が雑/上位記事の再生産/コタツ記事/ライターの矜持/コスト/文字単価/デフレ/サイトパワー/質勝負/「なんかSEOって大事だよね」/見られないと意味がない/粗製乱造以外の作り方を知らない

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第28回:《オタク論》「●作品名● 考察」という検索候補…どうなの!?

映画情報を調べようとすると、検索候補に「考察」が必ずサジェストされることに気持ち悪さを感じてしまう……。そんな中田の話から、オタクに対する憧れを持つ若者が増えていること、そしてオタクとは何者なのか、「作品」を「解釈」する態度についての話へと……。

考察/オタクに憧れ/最短距離でオタクになりたい/ミッドサマー/消費社会的にメジャー/薄っぺらい奴/レコンキスタ/何者でもない私/ハッシュタグ文化/すぐにGoogleに頼る/答えを知りたい/疑問を解消/答え合わせ/「めっちゃ早口で言ってそう」/人口に膾炙した考察/最大公約数/ジョーカー/専門知/考察としての価値/わからないことに対しての態度/作品を受容するうえでの態度/答えがあることが自明という認識/「わからないものはないはず」という枠組み/わかりたい欲求/わかりはじめる/脳汁/競馬/パチンコ/当たりを確信する瞬間/解釈することが正しい態度なのか/共有する前提

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第29回:文化系の人間に「筋肉」は必要なのか?

歳を重ねるにつれて如実に表れてくる「健康」にまつわる問題。改善させるために大切なのは「運動」……? マチズモで虐げられてきた文化系人間が考える「筋肉」の話。

老化/日常的に使う筋肉/1日の移動距離が50mくらい/散歩で息切れ/お父さんが参加する運動会/筋肉なんてどうでもいい/自分の身体を肯定したい/マッチョ/理想との乖離/自分にとっての理想のカタチ/プロポーション/コンプレックス/マチズモ/復讐

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◆配信後記

 各人が収録後に考えた「気づき」だったり「言い忘れ」だったり「振り返り」を各回の更新後にアップしています。これまでにアップした配信後記は以下のマガジンよりご覧いただけます。

それぞれの更新はこちら。

◆最後に

 これからも東京西側放送局では、Webメディア記者、フリーライター、出版社編集者の3人が仕事では取り上げ辛いトピックについて真面目に考え、面白おかしく吐露し続けます。

 配信についての感想、扱ってほしいテーマなど、皆様からのお便りもお待ちしております。宛先はTwitterのDM、もしくはメール(tokyowsb@gmai.com)までお待ちしております。

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