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悔いを残すな!【Recruit Blog 2023 #6】OL #78 町井大晟

「最初からアメフトをやろうと思って東大に入学してくる人はほとんどいない」というのはこの部活でよく言及されることなのですが、僕もまた入学前はアメフト部に入部することなどまったく考えていませんでした。「バイトとサークルで充実したキラキラキャンパスライフ」を夢見て髪を伸ばしたりダイエットしたりもしました。そこをもう一度方針転換してアメフト部に入ることになったのは、高校で味わった挫折感によるのかなと思います。

小学2年生から野球を始めたので、中学高校では特に迷うこともなく野球部に入りました。守備はあまりにも下手くそだったのですがバッティングが大好きで、暇さえあればバットを振っていました。他方で、中高でもう一つ、僕が熱中したものがあります。運動会です。僕の出身校では最も力が入っている行事で、僕が中学受験をしたのもその運動会に憧れてでした。高3が自分の組の下級生を指導する、というのが最大の特徴で、下級生から見る高3、特に各係を束ねるチーフの姿は憧れそのものでした。

高2の春、コロナが蔓延しました。野球が思うようにできなくなったことも、運動会がなくなったことも、自分にとって大きなダメージでした。運動会ができて後1回なんだな、と実感して、どうしてもチーフをやりたいと思うようになりました。野球の調子を落としてしまっていたこともあってかなり迷いましたが、きっとやらなければ一生後悔するだろうなと思い立候補しました。

無事高3チーフに信任されて一息ついたのですが、本当に大変なのはここからでした。感染対策など前例のない仕事も多く、目まぐるしく過ぎる日々の中で、バットを振る時間はどんどん少なくなっていきました。チーフになる際に決意した部活との両立はまったく達成できず、運動会が終わってからは野球に打ち込みましたがバッティングの感覚は二度と戻ってきませんでした。

最後の大会は驚くほど早くやってきて、先発投手としてマウンドに上がった自分は試合を壊してしまいました。同級生に申し訳ないという気持ちが一周した後は、不甲斐ない打席のことを思いました。何も良いところがなかったのが、最後の1年を野球に捧げられなかった自分を象徴しているようでした。

最後の大会の後は、いろいろ頑張ろうとしすぎたのかなと思うようになりました。高1のころは六大学で活躍するという野望を密かに掲げていたりしたのですが、大学でもう一度野球に打ち込むのは自分には無理だなと率直に感じていました。人生で最も充実した期間は終わってしまったのかなという寂しさと、とりあえず合格して遊び倒すしかないという前向き寄りの気持ちが共存した状態でした。

そんな時出会ったのがこのアメフト部です。活気あふれる様子、部員が一体となって日本一を目指している姿が当時の自分にはとても眩しくうつりました。何より、僕なんかにもすごい勢いで勧誘をかけてきているという事実が、日本一を目指す本気度を示しているような気がしました。もちろん入部するかは逡巡しましたが、今度はやりきったと思えたら素敵だなと感じて入部を決めました。

今は最後に笑って終わるために挑戦を続けている最中です。もし高校時代に悔いが残っているという方がいらしたら、ぜひ練習や新歓活動をのぞいてみてください。ここはきっと、その悔いを晴らせる場所だと思います。(新2年 OL #78 町井大晟)

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