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「ヒトコト旅 in 島根 東部コース」のはじまり!(1日目)

旅を共にする仲間をご紹介!


突然ですが、あなたにハッシュタグをつけるとしたら、なんでしょう?
自分ができることや興味をひかれること、人から指摘されてあらためて発見した自身を表すことばを拾ってみる……。
今回の「ヒトコト旅 in 島根 東部コース」を共にまわった5人のメンバーを、ハッシュタグとともにご紹介しましょう!

クロさん。山、おいしい水、日本酒を好み、自転車と温泉を愛し、腸活に取り組む。
神楽や出雲街道にも興味あり
祖父の墓じまいがきっかけで島根に興味をもったアイコさん。ベトナム在住歴のある日本語教師。
工芸好き。書いてないけど日本酒も
「食は農から」「迷ったらワクワクするほうへ」をモットーとするあやさん。
奈良県出身で地域活性に興味あり。「なんでも納得するまで聞きたいです」
アキさん。奄美大島への一人旅で土地とつながる楽しさを知る。
整体やヨガなど手に職をもち、HIPHOPから三味線まで幅広いカルチャーを愛す
ひろみさんの生業は高齢の方へのリハビリ。3姉妹のお母さん。
娘の進学のため「教育」や「若者ライフ」にアンテナを立てる


……これは、ツアーでの1コマです。

奥出雲町・三沢(みざわ)地区にある「レンタルスペース&キッチン金吉屋(かねよしや)」でのワークショップ。ここを運営する糸賀夏樹さんは言います。
「地域とどんなつながり方ができるのか探るために、自分のことを言葉にして伝えることが第一歩だと思うんです」
シール台紙に書き込んだ自分を表すハッシュタグ。服につけていると、「さっきからこれ気になってました……」と話しかけられることも。はじめましてにふさわしいツールなのかもしれません。

「金吉屋」を主宰する株式会社OKU-Reno.の糸賀夏樹さん


三沢を散策。「ともの会」と「古民家オフィスみらいと奥出雲」


「金吉屋」の説明はのちほど、と糸賀さんと三沢地区を散策。
宿場町として栄えた三沢、かつての街道を思わせる町並みが印象的です。現在は200世帯600人あまりが暮らす、奥出雲で一番小さなエリアです。

三沢の町並みを上から


「よかったら豚汁どうぞ!」と、元気なお兄さんたちに声をかけられました。
三沢地区の若者会「ともの会」のみなさんが豚汁をふるまってくれたのです。この日、三沢ではフリーマーケットが行われていて、それを企画したのが「ともの会」の面々だとのこと。
「フリーマーケットは年齢関係なくできるんで、企画しました。よかったら見て買い物していってください!」

風合いのある籠をゲットするクロさんと、豚汁を味わうメンバーたち
「金吉屋」では子どもたちによるフリーマーケットが。勢いと安さに圧倒される


一同は、さらに奥の建物へ。奥出雲町の起業・創業支援施設「古民家オフィスみらいと奥出雲」を見学させてもらいました。ここで案内人は、落合孝行さんにバトンタッチ。
「こちらは、起業をしたい人や副業をはじめたい人がつながれる場所です。起業プランを立て、実際に創業した8社がここをオフィスとして使っています」
元造り酒屋の築90年にもなる建物を、奥出雲町が旗振りをしてリノベーションし2018年にオープンしました。

「みらいと奥出雲」を案内する落合さん。まちのケータイ屋さん、子どもでも安心して食べられる
ドレッシングなどを作る会社などがオフィスとして使っている
コワーキングスペースも1日550円で使える(※事前申請が必要)

糸賀さんが補足を入れます。
「ここは行政管轄の施設で、条例上使用目的を明確に決めなくてはいけない。創業計画や相談をするのが最初のステップで、そこから実際に起業までのハードルってけっこう高いですよね。その間のチャレンジできる場所として『金吉屋』をつくりました。『金吉屋』でうまくいったことをこっちに戻すイメージです」

「やりたいことをやりたいときにできること」を実現するために「金吉屋」ができた


「ともにマーケット」と「金吉屋」


お隣の商店へ。中では、吉川英夫さんが待っていました。
「ここは『ともにマーケット』といいます。このエリア唯一の小売店が2年前に閉まってしまい、地域の高齢の方たちが買い物に困っておられた。そこでこのマーケットを開きました」
2018年に「NPO法人ともに」を立ち上げ、訪問介護事業をしていた吉川さん。三沢出身で、地域の困りごとも耳に入ってきやすい。マーケットの他にも、移動販売車の運行や「金吉屋」で「ともに食堂」の運営もしています。吉川さんは、まちの人と移住者のつなぎ役でもあります。

「ともにマーケット」の説明をする吉川さん。
買い物のついでに交流ができるコミュニティスペースも併設している

驚くのは、見てきた場所が以前は空き家だったということ。4、5年空き家の状態が続いていたという。
まず、奥出雲町がつくった「みらいと奥出雲」。そこをハブにして「ともにマーケット」が展開しました。さらに若者会「ともの会」の協力があり、2021年8月に「金吉屋」がオープンしました。
糸賀さん、落合さん、吉川さんは「三沢オールスター」と呼ばれます。それぞれの役割やチームワークを体感したメンバーはワクワク、そわそわした様子でした。


「つちのと舎」でよりない作り

三沢を満喫した一同は、雲南市木次(きすき)町にある「つちのと舎」へ。ここは、このツアーの案内人・サンベさんが主宰する自然農体験や民泊ができる場です。
三沢地区でたっぷりとインプットをしたメンバー。フル回転の頭をクールダウンすべく、次はよりない作りで手を動かします。
「稲刈りになくてはならない『よりない』。刈った稲を束ねるための紐です。みなさんに作ってもらいます」とサンベさん。
すでにスタンバイしていた、三瓶浩己さん(サンベさんの夫)が手ほどきをしてくれました。

見るのは簡単、やるのは……。

気になることはなんでも聞きたいあやさんが、浩己さんに移住のきっかけやここでの暮らしについてあれこれ質問。手を動かしながらのおしゃべりが続きます。

ふと、あやさんが言いました。
「なんだか混乱してます……。わたしにできることは何なんだろう?」

「移住って、覚悟が必要だと思っていたんです。だけどそうでもないのかなって。流れてたどり着いた印象。軽やかに暮らす人たちを見て、がんばらなくてもいいんだなって」
アキさんも、今日見てきたことで感じたことを口にします。

「つちのと舎」では、ここまでで感じた疑問や感想を素直に出し合う時間となりました。

薪ストーブの前でリラックス


おつかれさまでした! 本日のお宿「tsukaru」へ


晩ごはんは、泊まれるレストラン「tsukaru」のスペシャルディナー。
「食材は、このあたりで採れた野菜を使っています。バーニャカウダの野菜は、わたしたちの畑から採れたものを使ってみました」
と足立志帆さんが、お料理の説明をしてくれました。

バーニャカウダと野菜の相性が絶妙!
photo by あやさん
「tsukaru」を営む足立竜太さんと志帆さん

もりだくさん一日目はこれにて終了! 二日目に続きます。

text & photo by Azusa Yamamoto


※行程中はマスクを着用し、飲食及び集合写真撮影時は外しています