システム導入に時間軸を取り入れる

東京ラプソディ

企業のシステム活用に関して、レガシーシステムの問題がある。
レガシーシステムとは、そのシステムが現行業務を運用する上で必要な機能を備えてはいるもの、より新しい技術を活用した効率的なシステムが存在することで時代遅れとなってしまったシステムのことを言う。

おそらく多くの企業がレガシーシステムを問題視していると思うが、実感として対応が中々進んでいないように思われる。(システム刷新のプロジェクトが走り出した〜ようやく一部の刷新が終わったくらいが多いのではないだろうか。)
レガシーシステムの問題を解決する際に、これまでそのシステムで実施していた業務を新しいシステムに置き換えることになる。この”置き換え”で頭を悩ませることが色々とあるので、対応が進んでいないわけだが、その困難の1つとしてシステムがモンスター化してしまっていることが挙げられる。
※システムのモンスター化は造語である。高度な作り込みとそれに伴うブラックボックス化で一筋縄に理解出来ないシステムは、まさしくモンスターである。

このようなシステムは、システム刷新という観点のみならず、日々の業務でも問題を引き起こす。

・処理の作り込みが複雑で調査工数が甚大なため、他機能の修正やシステム全体のバージョンアップで多額な費用がかかる。
・仕様がブラックボックスになっていてトラブルが起きた時に誰もどうすれば分からず時間がかかる。
・そもそも数年に一回のジョブローテーションと比べてキャッチアップすることが多すぎ、教育コストが負担になる。

ざっと挙げても、企業利益という観点でかなりのマイナスを生み出してしまっていることが見て取れる。
それでは、どうしてこのようなことが起きるのか。
それは、システム導入時の焦点が現場の課題解決のみに当たっており、そのシステムから発生する5年-10年スパンでの費用を考えられていないからだ。
その理由は、時間軸での企業利益を意識したところでプロジェクト当事者は一切得をしない、という点にある。

理想論でいうと、年スパンで使うシステムを検討する時、真っ先に抑えるべきは標準化と簡素化だ。しかし、これは”経営から見たシステム導入”という文脈であるので、それよりも高度に処理を組込んだシステムの方が実際に使う人間としては便利がいいのだ。そして、よほどの会社の根幹をなすシステムや炎上案件でなければ、プロジェクトの担当者は現場の人間がほとんどだ。となれば、”今”便利が良いシステムを作りたくなるのも無理はない。

また、(おそらく)多くの会社でその視座の高さを評価する仕組みが整っていない、ということも考えられる。
企業にとって良いことでも、その追求が現場の人間にとってどれだけ価値のあることかが見えていないのではないだろうか。(当人の成長という観点では非常に意義のあることだが、正直それだけで色々な抵抗勢力と対峙するだけのパワーは起きないというのが人情だろう。)

そのため、レガシーシステムの発生を抑えるためには、例えば経営層といった”経営としてのシステム導入”という観点から取組んで意味のある立場にある人間が社内のプロジェクトに目を凝らし、システム導入に時間軸を取り入れていくことが必要になってくるだろう。

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経営の現場から綴る ==木・土更新予定==