「案件獲得力」はこうして培われた！ 複業を目指すならパラレルワーカーあつしさんの「とにかくgive精神」を学ぼう
私達が直面している、「終身雇用制度の崩壊」という現実。
今の仕事がこの先ずっと安定して続けられるか分からない。
このまま1つの仕事を続けているだけでいいのだろうか…。
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
今回のインタビュイーは、パラレルワーカーの山口篤志（やまぐちあつし）さん。
本業でマーケターの仕事をしながら、5つもの副業に取り組んでいるあつしさんに、「案件獲得の方法」や「副業で成果を出す人の共通点」などをお伺いしてきました。
現在の働き方
ーー今までの経歴と、現在の働き方を教えてください。
新卒で入った会社では、1年間インドネシアで商品企画マーケティングに携わりました。プロジェクト終了後に日本に戻って営業の仕事を任されたのですが、マーケティングの楽しさが忘れられず、自分が本当に好きなことをやりたいと思うようになり、マーケティングの仕事が出来る会社へ転職しました。
そこから再度転職し、今の本業は生活消費財のメーカーで、マーケティングを担当しています。商品の企画から宣伝まで、戦略を立てて実行する仕事です。
それから、本業以外に5つの副業をしています。
1：飲食店のWeb集客
2：マーケティングのコンサルティング
3：商店街の集客のためのイベント企画、冊子制作
4：撮影スタジオの営業・営業企画、提携先の開拓、イベント企画
5：Webメディアのライティング
（※2020年4月時点/現在更に事業拡大中）
合わせて6つの仕事を組み替えながら進めています。月によって案件の量には差がありますが、本業に加えて1つ目と2つ目は継続で仕事があるので、毎月取り組んでいるような形ですね。
ーーとても幅広くお仕事をされているんですね。副業を始めたのはいつ頃だったんですか？
現在の本業の会社で、今までは原則禁止だった副業が容認されることになったのが2017年。その頃から副業を始めました。
その前から「2〜30年後にはどんなに大きな会社であっても将来どうなるか分からない」「好きなことを仕事にして、着実にスキルアップしなければ」という不安はずっと自分の中にあって。その不安から、それまでに2度の転職を経験していました。
不安を感じながらも本業だけで働いていた2017年、ついに副業が容認されて、もっと「個人で稼ぐ力」をつけるために、副業をスタートさせたのがはじまりでしたね。
好きなことと強みのバランスを考える
ーー漠然と感じていた不安を解消できる絶好のタイミングが来たんですね。
副業するにあたって、どんな仕事をしようと決めたのですか？
具体的な仕事・働き方を考えた時、好きなことと強みのバランスを取る必要があると考えました。私の場合は「マーケティング」が好きなので、副業でも取り組みたい。ただ、仕事を貰うには他と比べて強みがないと成立しないので、本業として長らくマーケターとして勤めてきた「経験」を強みと考え、それを踏まえて仕事を探していきました。
ーーなるほど。「好きなこと」と「強み」について考えた時、自分にとってやりたいことや出来ることが見えてきたんですね。
そうですね。
ただ、その方向性を定めた後、仕事を獲得するまでは大変だったんです。
時間を投資して、実績＝信用をつくる
ーー本業でのご経験があっても、仕事を獲得するのは難しいものなんでしょうか？
飛び込み営業とクラウドソーシングサイトを活用して仕事を探したのですが、なかなか上手くいかず…。飛び込み営業では特に苦戦し、難しさを感じていました。飲食店に足を運んで「ブランディングやWebマーケティングをさせていただけませんか？」と直接依頼をするのですが、なかなか成約には至りません。企業での肩書があるのとないのでは、信用度が大きく違うと痛感しました。
やっとのことで獲得した初仕事は、クラウドソーシングのサイトを通じて見つけた群馬のうどん屋さんのマーケティングでした。それ以降、その実績をアピールして飛び込み営業を行っていきました。
ーーなるほど。実績がないと、やはり仕事の獲得は簡単にはいかないのですね。
実績もそうですが、信用も大切だと感じました。
というのも、以前とある商店街に営業をかけたところその場では成約に繋がらなかったものの、信用を積み上げた結果、後から大きな仕事をいただけたことがあったんです。
最初に営業をかけた際には断られてしまったんですが、その商店街の実情をお伺いしていくうちに私が提案した仕事の内容では解決出来ない、別の問題を抱えていることが分かりました。それからは商店街が抱えている悩みを解決するお手伝いをするようになったんです。
開催予定のイベントで人手が足りなければ足を運んでお手伝いさせてもらったり、無償でも色々なことに取り組んでいくうちに、名前を覚えていただけて。その後、商店街の方から別の仕事の相談を受け、結果的に案件を獲得することが出来たんです。
ーーひたむきに取り組んだからこその結果だったんですね。
自分1人の力で店舗や企業と仕事をするためには、特に最初は実績を積んで地道に経験値をあげていく必要があります。副業を目指す方も、最初にこの部分で心が折れてしまう人がいるとよく聞きますが、これは必要な投資だと思うんです。最初に時間を投資して、実績や信用を作っていくというのが大切ですね。
ーーそうやって獲得したお仕事が、今では5つもの副業になっているかと思いますが、毎日お忙しい中でモチベーションを保つためにどんなことをされているんですか。
1週間ごとに目標を立てています。購読しているビジネス系のメルマガや、本を読んだりする「インプット」と、5つの副業での「アウトプット」、それぞれに今週達成する目標を決めるんです。本業とバランスが取れるようにボリュームを調整して、達成が出来るようにしていますね。
ーーとってもストイックなんですね。
平日に本業と副業に取り組む時間を作っているので、その分土日は家族との時間をしっかり取るようにして、バランスをとっています。
副業で成功したいなら、本業に全力で取り組もう
ーー最後に、今後パラレルワーカーをしたいと思っている人へのメッセージ、アドバイスをお願いします。
まずは本業に全力で取り組んでみるのが良いと思います。
副業が出来る人達に共通しているのは、目の前の仕事、つまり「本業に全力で取り組める」点だと感じています。悩みながらでも本業に対して全力を出せる人は、その中で経験を積んでスキルアップができるので、最初は時間がかかったとしても必ず成果に繋がります。
ーーなるほど、「仕事に熱量をかけれるかどうか」が大事なポイントなんですね。
そうですね。それから、なんとなく「副業って楽して稼げるもの」というイメージを持たれている方がいますが、これは間違い。本業と同じく、楽して稼げる仕事はありません。
ただ、真摯に向き合って正しく行動すれば、どこかで見てくれる人がいる。時間をかけてでも、継続して実績と信用を作ることが大切です。
自分が提供したいと思う価値よりも、相手が今一番困っていることを解決してあげるスタイルが必要です。最初は真摯にギブしていく。その行動が、必ずその先の仕事へ繋がっていきます。
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編集後記
インタビューを通して、あつしさんの「お仕事への愛」を強く感じました。
苦労や挫折、忙しさの壁にぶつかったお話の中でも、あつしさんの口からは「マーケティングって楽しい！」というお言葉が。
お仕事に熱狂している姿にエネルギーをいただけたとともに、「自分もこんな働き方がしたい」と強く感じました。
「give精神」を忘れず、精進していきます。あつしさん、ありがとうございました！
（インタビュアー・小野寺）
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