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頭金無しで世田谷にマンションを買ってみる。第1章~物件選び

東京でマンションを買うということ


「家を買うということは、一生そこに住み続ける」ことを意味していると考えていました。離婚したり、どうしても生活環境が合わない、仕事で転勤などの予測不能な事態は起こりえるでしょうが、そういうことがなければ住み続けるという固定観念。これは田舎で家を買う場合は正しいと思います。多くの人が一軒家を建てて、車二台と子二人、転勤もない地元企業に勤めるという生活像が想像できます。
 ただし、東京都心にマンションを買うと、もう少しフレキシブルに動けることもわかりました。十分に資産価値が保てる立地や物件であれば、10年後や15年後でもある程度の価値を保って売却するという選択肢も当然にあるということです。そういう思考になればさらに購入に向かって背中を押されたような気持ちになりました。

一瞬タワーマンションに憧れるが

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 東京で暮らしている方も旅行で東京を訪れたことがある方も、ゆりかもめに乗ってお台場に行かれたことがある人は多いのではないでしょうか。その時に見る東京の夜景には多くの人が感動を覚えると思います。私は東京に住んで10年以上経ちますが、レインボーブリッジやゆりかもめから東京の景色を見るたびに感動し、東京に住んでいることを実感します。また、東京オリンピックが開催される豊洲周辺はできたばかりの競技施設とともにタワーマンション群がそびえ立っていて、想像している都会の暮らしを体現したような空間に圧倒されます。
 タワーマンションの魅力は何といっても周囲に遮るものがなく景色や夜景を堪能できること、そしてホテルライクで豪華な共用施設ではないでしょうか。モデルルームを見ようものなら、ハイクオリティな生活を想像して興奮冷めやらぬ姿を容易に想像することができます。

ただ、私が考えるところによるとタワーマンションを欲しがる人の傾向はいわゆる”見栄っ張り”の人が多いのではないかと思います。高級外車に乗ってブランド品で着飾る人。人を見る基準や尺度を学歴や年収で計ろうとする人。だからこそタワーマンションは背が高くてブランドとして顕示しやすい建物だし、高いところから東京を見下ろすと勝ち誇ったような気持ちになるのだと思います。

 一方で女性(私の妻)は冷静かつ現実的な思考で、「プールやジムなんかあっても使わない」「景色なんて3日で飽きる」「高いところに住むとエレベーターで下に降りるのが億劫」という実態に即した意見が湧いてきます。また、タワーマンションは軽量化するために住戸の仕切りもコンクリートではなく軽量なパネルでできていて、となりの部屋のティッシュを取る音も聞こえるなんて都市伝説もあったり(これは誇張しすぎだと思いますが)。

 せっかく高層階に住んで下界とのディスタンスに優越感を覚えても、隣の住人の生活音を間近に感じながら暮らすのはいかがなものかと考えるようになりました。臨海部は我々の生活圏から離れているし、そもそも予算的に全く手の届かないタワーマンションは選択肢に入ることすらありませんでした。
 もし予算に余裕のあるパワーカップルで臨海部のタワーマンションを検討されている方は、新築ではなく出来て間もない中古で住民の生活が感じられるところを内見されることをお勧めします。おそらく多くの方が初めて住むタワーマンションで、住み始めてからいろいろと不便を感じるのはもったいないですからね。相場観はそれぞれの価値観にも左右されますが、個人的には現在のタワーマンションの価格帯である6,000万円~8,000万円は利便性に対して高すぎると感じています。

マンションの資産価値とは

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「資産価値」という言葉はよく聞くものの、果たして何を基準に決まるのか。これは私なりの理解では、「そこに住みたいと思える人がどれだけいるか」という至極当然の結論に至りました。賃貸だと気軽に住み替えられるので多少の不便や家賃の高さもあまり気にならない人が多いのですが、中古マンション売買となると急に人は見る目が厳しくなります。私も物件を探し始めた当初は明確な基準がなかったのですが、不動産会社の方のアドバイスと妻の意見を総合すると、下記の3点に絞られました。

・建物が新耐震基準か否か

→主に1983年以降にできた建物は「新耐震基準」として区分されるようです。私としては古くてもリノベーションされていて内装が綺麗ならありと考えていたのですが、不動産会社の担当者は「将来の売却時に旧耐震だとネックになる可能性があります」とのこと。現在はまだ多くないようですが、将来的には金融機関が旧耐震の建物に対する融資を厳しくする可能性があるとのことでした。つまり購入希望者がいても建物が理由で融資が通らず、売れにくくなるということでした。うむ、なるほどと納得。ということで新耐震基準とされている1983年以降の物件から探すこととしました。

・エレベーターが有るか否か

→最近のマンションではエレベーターは必ず付いていますが、なんと1980年代の低層マンションの一部にはエレベーターが無い物件もありました。今は若者二人が暮らすので、3階ぐらいは階段でも大丈夫と思っていましたが、「将来ベビーカーや子供を抱えて階段はきつい」との意見でこれも納得。売却時に高齢者が購入を希望した場合も選択肢から外されそうだと考えると、2階以上に住む前提でエレベーターは必須ということになりました。想像力は大事ですね。

・駅から徒歩圏内か否か

→これは夫婦でも意見が分かれたところです。私は多少駅から歩いても物件の選択肢を増やしたいと考えていました。しかし妻は、「通勤やこれからの生活を考えると駅から徒歩10分以上はきつい」とのこと。うむ、なるほど。男女の体力差もあるし、駅が近いことに越したことはありません。試しに最寄り駅から徒歩13分という物件までと駅を歩いてみることにしました。実際に歩いてみると、少し勾配があったり幹線道路を横切るための信号待ちがあったりで15~20分かかることがわかりました。これは心理的にも億劫になりそうな距離で、歩くことに自信があった私も少しきついなという印象でした。
 仕事は今後テレワークが定着していくとはいえ、通勤以外にも買い物や子どもの学校など、車を持たない家庭にとって電車を使う生活はこれからも続くと考えると、駅までフラットで10分以内が将来の売却も考えると理想的だという結論に至りました。

 購入したマンションは最寄駅からゆっくり歩いても5分程度の距離なのですが、現状は週の半分以上がテレワークとはいえまだまだ電車を使って移動することは多く、結果的には駅が近いことは我々にとってメリットが大きい選択でした。

その他には、登記上で50平米以上あれば住宅ローン減税の対象になるとのことで、登記上50平米以上あることも条件としました。住宅ローン減税が適用できるかできないかでは、今後10年で300万円以上の差(減税効果)がでることがわかり、この50平米というのが単身向けかファミリー向けかを区切る基準であると理解しました。

これを条件に100件以上抽出してもらい、物件間取り図を2時間ほどかけてスクリーニングしました。そこで我々がピックアップしたのが下記の5件です。

①東急大井町線等々力駅徒歩13分 2LDK

②京王線桜上水駅徒歩5分 築15年 2LDK

③東急目黒線武蔵小山駅徒歩5分 築35年 2LDK

④都営三田線西巣鴨駅徒歩1分 築29年 2LDK

次章では、それぞれの物件を内見したときの感想を書いていこうと思います。


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