「おうちの換気」ポイントまとめ!換気の専門家にインタビュー①
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
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「おうちの換気」ポイントまとめ!換気の専門家にインタビュー①

東京iCDC事務局です。
今回は感染対策の一つ「換気」のうち、ご自宅での換気のポイントについて、早稲田大学建築学科教授(日本建築学会会長)の田辺新一たなべ しんいち先生
工学院大学建築学科教授(空気調和・衛生工学会新型コロナウイルス対策特別委員会委員長)の柳宇やなぎ う先生に伺います。
noteの最後に、換気のポイントをまとめています。是非ご覧ください!

お写真スライド

1.便利な「24時間換気システム」の稼働を推奨!

―田辺先生、柳先生、よろしくお願いします。
感染対策としてなぜ換気が必要なのか、改めて教えてください。

田辺先生:
換気をすると、部屋の空気と、屋外の新鮮な空気とを入れ替えることができます。こうすることで、部屋の空気中のウイルス量を減らすことができるためです。
柳先生:
換気が悪いと、空気中にウイルスを含むエアロゾル(0.001~100μmの微細な粒子)が長時間漂い、感染がさらに拡大してしまうリスクがあります。

―家庭内で感染が拡大するのは心配です。効果的な換気の方法を教えてください!
田辺先生:
はい。まず、ご自宅に「24時間換気システム」が設置されているなら、常時稼働させておきましょう。24時間換気システムは、建築基準法により、2003年以降に建設された住宅への設置が義務づけられています。

24時間換気システムのスイッチ&換気口

24時間換気システムが正しく動いていれば、それだけで十分に換気されています。ただ、換気システムの寿命は一般的に10年程度ですので、正常に動作しているかは、注意して管理してください。
また、換気口のフィルタを清掃し、換気量を確保するようにしましょう。

―自分で換気をしなくて済むのですね。24時間換気システム、便利ですね!
田辺先生:はい、ぜひ活用してください。

2.意外と知らない、正しい「窓開け換気」の方法は?

田辺先生:
24時間換気システムのないお宅は、「窓開け換気」を行いましょう。

★窓開け換気のポイント★ 
部屋の対角線にある2か所の窓や扉を、
 常時5~10cm開けておく

良い換気経路

窓が小さい場合、対角線上に窓や扉がない場合は、キッチンや洗面所の換気扇を回して、空気の流れを作ることも有効です。

3.寒い日に換気をするときは?

―そろそろ寒さも本格化してきます。窓開け換気をすると、部屋の中が冷えてしまいますよね。
田辺先生:
感染対策のためには、換気をしつつ、室温や湿度に気を付けることも必要ですね。具体的には、室温は18℃以上、湿度は40%以上に保ちましょう。冬場は寒く、空気が乾燥しやすいため、エアコンや加湿器等を活用してください。
柳先生:
室温を18℃以上に維持しようとすると、窓を十分に開けられない場合等は、換気不足を補うため、空気清浄機を併用するのもよいでしょう。

4.空気清浄機の選び方・使い方

―どのような性能の空気清浄機を選ぶとより良いのでしょうか?併用するにあたり、留意点はありますか?
柳先生:
空気清浄機は、フィルタと風量について、次のものが推奨されています。(厚労省Q&A参照)

★次の性能をもつ空気清浄機が推奨★
①フィルタが「HEPAへパフィルタ※」のもの
②風量が「5㎥/分以上」のもの

なお、WHOなどは、捕集ほしゅう性能の高い「MERVマーブ14※」も推奨しています。

用語解説(柳先生修正) (1)

フィルタは、説明書にしたがって、適切に交換・お手入れしましょう。

柳先生:
空気清浄機は、置き方にも気を付けましょう。
人の居場所から約10㎡(6畳)以内に置きます。
また、外気を取り入れる風向きと空気清浄機の風向きとが一致するように置きましょう。
空気のよどみを発生させないようにするためです。

空気清浄機の置き方ver2

サーキュレーターなどで空気を攪拌かくはんして、きれいな空気が室内に行き渡るようにすると、より効果的です。

5.キッチンにあるあの設備が活用できる!

―そのほか、家庭でできる換気の工夫はありますか?
柳先生:
キッチンのレンジフードを用いた換気も有効です。レンジフードは、吸い込む風量が大きいので、窓開けとの併用により、換気が効果的に実施できます。

レンジフードを用いて検証した、エアロゾル感染のシミュレーションをご紹介しましょう。
室内は約20畳、ダイニングに座っている家族がコロナ感染者の想定です。色が赤に近いほど、エアロゾルの濃度が高いことを示しています。

シミュレーション

下の画像では、窓を10cm開放し、レンジフードをONにしています。
すると、エアロゾルはレンジフードのあるキッチンの方に吸い込まれ、リビングには届きません。色を比較すると、エアロゾルの濃度も低くなっていることがわかりますね。
レンジフードの吸引力+窓からの気流で、効果的な換気ができることがわかります。

―住宅に応じて、様々な工夫ができるのですね。田辺先生、柳先生、貴重なお話をありがとうございました。

【まとめ】家での換気のポイント

★「24時間換気システム」を稼働させよう!
・24時間換気システムがあれば、常にONに!
※正常に動作しているかは注意して管理する。
★「窓開け換気」は効果的な方法で実施しよう
・部屋の対角線にある2か所の窓や扉を、
 常時5~10cm開ける
※室内の温湿度管理に注意(室温18℃以上・湿度40%以上に保つ)
★空気清浄機の併用も有効
HEPAへパフィルタ&風量5㎥/分以上のものが推奨。
・居場所から約10㎡(6畳)以内に設置する。
・風向は、外気の侵入を妨げないように。
★レンジフードの活用もおすすめ
・窓開け+レンジフードONで効果的な換気に!

~おわりに~
ご家庭での換気は非常に重要ですが、あくまで感染対策のうちの一つです。
感染が広まりやすい冬は特に、三密の回避、マスク着用、手洗い消毒等、基本的な感染対策の「足し算」で、効果的な感染予防を続けましょう!

また、ご自宅の中に感染し療養中の方・感染が疑われる方がいらっしゃる場合は、「新型コロナウイルス感染症自宅療養者向けハンドブック」や、
建物の感染対策チェックリスト(住宅版)」の「家族の感染が疑われる場合の行動と住まいの備え」の部分を参考に、感染予防を行うようにしてください。

<参考リンク>
◆SDGsスマートウェルネス住宅研究企画委員会 
「建物の感染対策チェックリスト(住宅版)」
https://www.jsbc.or.jp/research-study/files/swh/Infection-control_checklist.pdf
◆厚生労働省一般向けQ&A 
「問6 換気について、一般家庭ではどのような工夫をしたらよいでしょうか。」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q1-7
◆東京都(制作:多摩小平保健所)(東京動画) 
「風を通して いい暮らし ~みんなでやろう 正しい換気~」
https://www.youtube.com/watch?v=xVVJwhqlEHw
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