都民の皆さんの声をうかがいました・前編

1.都民のみなさんの声をうかがいました

リスクコミュニケーションチームでは、広聴の第一歩として、都民のみなさんにアンケート調査を行いました。
今回のnote では、その概要をご紹介します。

なお、最初にご注意願いたいことがあります。
それは、今回のアンケート調査は、代表性の担保がされたデータではなく(東京都の人口構成比率には即していない、サンプルサイズも小さい)、あくまでも予備的な調査である、ということです。また、今回は質問数の制約もありました。そのため、今回の予備的な調査をふまえ、次回以降の本調査につなげていきたいと考えています。

今回は、調査にご協力くださった都民のみなさまへのフィードバックのため、おもな調査結果について暫定的に報告します。

2.予備調査の概要

予備調査の対象、質問内容などはご覧のとおりです。

 ○調  査  名:「新型コロナウイルス感染症対策について」
 ○方  法:株式会社プラスアルファ・コンサルティングが保有する
              モニターへのWeb調査
 ○調査対象:東京都在住の20代から70代までの男女
 ○回収目標:20代から70代までを各世代200票(男女100票ずつ)収集する
                    (60代と70代は合わせて200票を目標)
 ○実施期間:2020年10月15日10時30分~17日13時15分
                    (【参考】10月15日の新規陽性者数は284名、16日は183名、
                       17  日は235名)
 ○設問構成:Q1 新型コロナ対策の取り組み状況
         Q2  新型コロナに対する意識
         Q3 モニタリング分析の知名度
         Q4 冬に向けてほしい情報
         Q5 直面する問題や不安(自由記載)

3.有効回収票についての基本属性

調査対象者(有効回収票のみ。N=935)の基本属性は以下のとおりとなっています。
性別は、男女がおよそ半数ずつ、ご覧のように、この調査では20代、30代、40代、50代、60代・70代の割合がそれぞれ2割ずつとなっています。
実際の東京都人口の年齢比率は、20代12.6 %、30代14.3 %、40代16.4 %、50代13.7 %、60代10.1 %、70代10.3 %で、この調査の年齢比率とは異なります(令和2年1月人口推計より)。この調査の結果を見るときは、このずれをふまえることが必要です。

属性

4.予備調査結果その1:新型コロナ対策の取り組み状況

調査では、都民のみなさんの新型コロナ対策の取り組み状況をうかがいました。
「新型コロナの対策について、今年の夏(6~7月、第二波の始まり頃)と比べて、現在のあなたにあてはまるものを一つだけ選んでください。」との問に対する、各項目の回答結果は以下のとおりでした。

画像2

【これらの結果からわかること】
1.マスク装着や手洗い、風邪症状があるときの外出控え等は、80%以上の回答者の方々が取り組みを維持していることがわかりました。それでも、マスクや手洗いに「夏も今もとくに気をつけていない」との回答が4 %弱ほどあることは気がかりです。
2.今回の予備調査の結果からみると、どの項目も、「夏も今も、同じくらい気をつけている」と回答する割合が6割~8割以上となっていて、都民のみなさんが長引く流行のなかでも、感染対策に取り組んでいる様子が見て取れます。ただ、「夏よりも今のほうが気をつけている」と回答した割合(A)と「夏のほうが気をつけていた」と回答した割合(B)の差に着目してみると、ほとんどの項目で「B」>「A」となっています。逆に「A」>「B」となっているのは「できるだけマスクをしている」と「風邪症状あるとき外出をひかえる」の2項目でした。
3.「夏のほうが気をつけていた」とする割合が高めの項目として、「東京都の感染状況についての情報を得る」(25.7 %)、「3つの密(密閉・密集・密接)を避ける」(18.2 %)、「混雑する時間・場所を回避する」(14.1 %)が挙げられます。また、飲み会に行く機会や長時間の飲み会を控えることについても、夏に比べると取り組みの低下が見られます。さらに、大声を出さないといった対策については、「夏も今もとくに気をつけていない」とする割合が他の取り組み項目よりも高いようです。
4.性別との関連を見ると、「なるべく混まない時間や場所を選んで行動する」、「三つの密を避ける」、「東京都の感染状況についての情報を得る」をのぞく項目で、男性の取り組み状況が女性よりも10 %程度低くなっていました。とくに、飲み会の機会を減らす、長時間の飲み会を避ける、の項目については、男性の気をつけている程度は女性より10-15 %程度低くなっています。女性は、「都の情報を得る」という対策の低下の割合が男性よりも大きくなっています。
5.年代別にみると、多くの取り組み項目において、若い世代では他の世代に比べると取り組み割合が低くなっていました。それでも、夏と同等以上に気をつけている割合は、20代で「6割から8割程度」、30代では「7割から9割程度」となっています。これらの数値は、他の世代と比べると低いものの、かなりの割合で、若い世代も感染対策の取り組みを行っている様子がうかがえます。

【今後の課題】
長引く感染流行の中、感染対策を採り続けることはなかなか大変だと思います。また、とくにこれから冬に向かうなかでは、冷たい水での手洗いがおっくうになったり、外気温が低いため換気を控えたくなるかもしれません。
いっぽう、年末年始に向けては、多くの人が集まったり、大人数で会食したり、そのほかにもさまざまなイベント等に参加することが増えるでしょう。人と人が密に接触する、マスクを外して長時間に及ぶ飲食・飲酒を行う、大声で会話をする等の行動には感染リスクがともないます。そのリスクを小さくするためにも、引き続き、基本的な感染予防策を徹底することが重要です。
今回の予備調査では、3密の取り組みが減っていること、また大声を出さない取り組みの認知率が低めであることなどが分かりました。さらに、ではなぜ取り組みが減ってしまったのか、認知率が低めだったのか、その原因、理由を探索していく必要があります。その原因や理由をふまえることで、より実態に即した感染症対策を考えるべきだと考えています。

都民の皆さんの声をうかがいました・後半につづく

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