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DXの機運醸成 ~練馬区CIO×東京都CIO座談会①~

東京都CIOと区市町村CIOの顔が見える関係を構築するべく、東京都・区市町村CIOフォーラムを開催。さらなる都内区市町村CIO等の皆様と都CIOとのフラットなコミュニティ形成を目的とし、個別の座談会の開催に至っております!
第27回は「練馬区CIO×東京都CIO座談会」をお届けします!

※CIO(情報統括責任者):組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、東京都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置

令和4年8月22日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第27回座談会」として練馬区CIOと東京都CIOの対談を実施しました。

※この記事は全2回でお届けします。

参加者(敬称略)
練馬区CIO(副区長):森田 泰子
練馬区企画部長:佐古田 充宏
練馬区企画部情報政策課長:小沼 寛幸
練馬区企画部情報政策課情報化推進係長(課長補佐):河野 一真
東京都CIO(副知事):宮坂 学
東京都デジタルサービス局戦略部区市町村DX支援担当部長:小澤 洋之
東京都デジタルサービス局戦略部区市町村DX支援課長:橋本 康昭

議題
① 区のDX推進方針について
② 区からの要望事項

③ デジタル人材の育成
④ 専門人材について

区のDX推進方針について

新しい取組をまずは15%まで広げていく

―練馬区様から取組のご紹介をお願いします

練馬区CIO:森田(以下「森田」)
 私は今年の6月に副区長になりましてCIOも担当することになりました。それまではここにいるメンバーと一緒に企画部という部署で、区の情報政策や区政改革の推進等に取り組んできました。
 かねてより区民サービスを向上し、業務を効率化していきたいということで、デジタルを活用した何か新しいサービスができないかを考えておりました。
 コロナ禍になりまして、書面・対面・押印の見直しに取り組み、押印の見直しは一定程度進みましたが、区の手続きのオンライン化はいまだ20%程度にとどまっています。
 どうしても区民に来庁していただくという意識が職員の中に刷り込まれていて、そうしたところをトランスフォーメーションしてサービスのやり方そのものを変えていきたいですし、本当に区民に寄り添った業務に注力できるよう、職員の力を振り向けていきたいです。
 そのために今年DX推進方針を策定していきたいと考えています。東京都も既にシン・トセイにありますように様々な取組をされていると思いますが、機運醸成の方法や推進体制等、全庁的な取組をどのように推進しているのでしょうか。

東京都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
 最初、シン・トセイチームは、小さいチームで立ち上がりましたが、その時に参考にしたのが、マーケティングでの普及曲線でした。最初に2.5%程度の新しい物好きのイノベーター層の人がバーっと飛びついて、次に14%程度のアーリーアダプター層の人がついてきて、そこから35%ぐらいのアーリーマジョリティ層が入って過半を超えるというステップらしいんですよね。
 なのでまずは2%とか3%だけでも仲間を増やす。それができたら次は15%ぐらい目指していって、そういうふうなイメージをしながらやっていました。

森田
ありがとうございます。私たちもアイデアを出してくれる職員がいますので、そういう人たちをなるべく引き上げられるようなサポートができればと思っています。これまで進められてきて、手応えはどのように感じていらっしゃいますか。

宮坂
 DXの取組全部とは言いませんが、ペーパーレスなどは景色が変わった感じがします。以前は会議室にパソコンを持ってくる職員は誰もいなかったですし、打ち合わせスペースにモニターはなかった。
 机の上の紙がなくなったとか、オフィスがフリーアドレスになるとか、目に見える変化が起きることは、手応えをつかむ上ではすごく大事なことじゃないのかなと思います。

森田
 練馬区では情報政策課がフリーアドレスを試行しており、だいぶ働き方が変わってきています。
 なかなかそういうことがやりにくい職場もありますが、少しずつこうした取組を広げていって、今伺った2~3%から15%にしていくところをまずは目指していければと思います。
 お話を伺って勇気をいただきました。ありがとうございます。

区からの要望事項

東京都がファシリテーターとして標準化・共通化を推進

森田
 練馬区は人口約74万と非常に規模の大きな自治体で、全国一律の標準システムだと、今まで通りに効率的に業務が行えるかわからない状況にあります。
 都下の多くの自治体で同じような課題を抱えているかと思いますが、例えば標準システムの範囲外とされた事務にどう対応するかなど、共通の課題については是非みんなで一緒に考えていければありがたいと思っています。


宮坂
 国の標準化の話を伺っていると、規模の大きな自治体の皆さんが苦労されているケースをよく聞きます。
 東京都は小規模の自治体から、人口何十万人という大規模自治体もありますが、そういった大規模自治体では、自治体間交流や研究会も盛んなのでしょうか。

森田
23区ではそうした共通課題について検討はしていますが、それぞれが独立した自治体になるので、どこの部分が共通化できるのかというのは考え方が様々あります。
 少なくとも私達が考えているのは、標準システムに移行することはすべての自治体共通のものになりますけれども、その周辺部分の事務も必要になるので、そこは一致してできるのではないかと思っています。
 ただそこも23区でやるよりも都道府県単位で検討した方が効率性の部分や様々なサービスの面でも良いのではないかと思います。

宮坂
 そうですね。今おっしゃった共通化っていうのは各自治体がそれぞれ個性を生かして独自に取り組むことと、みんなで共通化した方がいいという二つの領域があって、デジタルでは比較的共通の領域が、他の業務に比べたら多いと思っています。

前半は練馬区におけるDX推進の取組についての意見交換をお届けしました。後半もお楽しみに!


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