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市民の半数以上が利用!?狛江市公式SNSアカウントに迫る~狛江市CIO×都CIO①~

 

東京都・区市町村CIOフォーラムにおける活動の一環として、都内各自治体CIO等へ「東京都・区市町村CIOフォーラムマガジン」を発行しております。マガジンに掲載した内容を一部公開します。第18回は「狛江市CIO×都CIO対談」をお届けします!

※CIO(情報統括責任者):組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置

※この記事は全2回でお届けします。

令和3年11月16日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第18回座談会」として狛江市CIOと都CIOの対談を実施しました。
参加者(敬称略)
狛江市CIO:狛江市副市長 平林 浩一
狛江市DX推進監(CIO補佐):小西 信之
都CIO:東京都副知事 宮坂 学
都デジタルサービス局戦略部長:深井 稔
都デジタルサービス局戦略部戦略課長:小澤 洋之

ワクチン接種予約をきっかけとした市民と行政の新たな連絡経路

公式SNSアカウントというダイレクトコミュニケーション基盤

―狛江市様から取組のご紹介をお願いします。

狛江市CIO:平林(以下「平林」)
狛江市においては、ICT推進計画を進めており、今年度中にDX戦略を策定します。また、今年の4月から民間人材としてDX推進官をお招きして庁内のDXを推進しているところです。
狛江市の目立った取組としては、公式SNSを用いたワクチンの予約システムがあります。これによりワクチン接種が進み、人口8万3000人のうち4万3000人(2021年10月末時点)に友達登録をしていただきました。これは非常に大きな財産だと思っています。今後は公式SNSを活用した市民への情報伝達、市民からの多様な通報という双方向で受ける仕組みを利用して、市民と行政との連絡ツールとしてぜひ活用していきたいと思っています。また、AI ・OCRやRPAについては昨年度実証実験を行い、該当する事業を洗い出しました。今年度から本格運用を進めるので、引き続き来年度に向けて活用を図っていきたいです。

狛江市DX推進監(CIO補佐):小西信之(以下「小西」)
DXに係る啓蒙促進をはじめながら、「庁内のDX」、「市民サービスのDX」、「地域社会のDX」という三つのDXを定義して、これらに関わる戦略を立てながら実行計画を練っております。また、DXの推進に向けて一番大切なDX人材の育成に取組んでいるところです。本日はよろしくお願いいたします。

都CIO:宮坂(以下「宮坂」)
公式SNSの登録者数すごいですね。8万人のうちの半分ということは、ある種、素晴らしいダイレクトコミュニケーション基盤ができたということだと思うのですが、これは最初からこうなると予想をしていたのでしょうか?

平林
いいえ、偶然の産物です。手軽に予約してもらいたいという思惑でSNSを導入したのですが、結果としてどんどん友達登録が増え、これは活用しなければならないとなった結果、公式SNSの活用計画ができました。

宮坂
ワクチン専用でアカウントを作ったわけではなく、最初から総合的に使うことを想定してアカウント名や規約を作ったということですか?

平林
そういうことですね。狛江市としてアカウントを一つ作り、そこに予約機能を設けたイメージです。

宮坂
そうなのですね。我々はワクチン用にのみ使う前提でアカウントをとってしまって他に流用できなかったので、他の自治体が新しく作るときは我々のような失敗を踏まえ、狛江市様を見習っていただければと思います(笑)
利用者数の多いこのアカウントを、今後はどのようなことに展開していくかについてのアイデアは何かありますか?

平林
防災関係の個別周知や、若者へのワクチン接種啓発を我々から発信する一方で、市民の方から公園や道路の不具合に関する通報をしてもらうなど活用していきたいです。

宮坂
なるほど、ありがとうございました!

システムと人材育成の共通化

スキルマップの共有化

宮坂
話は変わるのですが、様々な区市町村の方のお話を聞いていて、ほぼ毎回出てくるキーワードのひとつが「共通化」です。
その一つ目はシステムの共通化です。共同電子申請や、一部のセキュリティクラウド以外にも何か共通でできる部分があるのではないかという提案を結構もらっています。
二つ目は、人材研修の共通化です。DXに関して隣の区市町村で覚えることが大きく違うことはないと思います。これについても、共通化した方がいいと考えています。
これらを含め、共通化について皆様が考えていらっしゃることについて、色々な意見をいただきたいです。システム共通化、そして人材研修の共通化について何か意見や懸念点はありますか?

平林
今までも東京都さんと区市町村とで、共同電子申請や電子調達のように、大きく共同で進めてきた事例があります。特に電子調達は、日本でも誇るべき成果を上げていると思いますので、これに倣う形で電子共同での運営が進められればいいと思っています。

宮坂
なるほどなるほど。研修や教育に関してはどうでしょうか?昨年度ぐらいから我々も自治体と共同勉強会を始めているのですが、こういったものについて何かニーズやご希望はありますか?

小西
教育に関して言うと、DXについて勉強したいという職員が多いという状況です。DXで求められることは、①DX人材の定義、②身近な課題発見力、③構想力だと考えています。DX人材の定義と、その育成メニューについて都の方でご用意いただき、一緒に勉強できる取組があるとすごくありがたいと考えています。

宮坂
都庁では、研修を検討しているチームがあり、去年から採用の始まったICT職におけるスキルマップを作ってもらっている最中で、覚えておいた方がよい専門知識についてラダーでまとめています。スキルマップのようなものも需要があるのですね。新しい発見でした。ありがとうございます。教育メニューだけではなく、そもそもどんなスキルをどんな順序で身に着けるべきなのかということも共有してもいいかもしれませんね。

前半は狛江市様の公式SNS活用に関する取組と、人材研修やシステムの共通化についての意見交換をお届けしました。後半もお楽しみに!

執筆者:飛松 涼太(デジタルサービス局戦略部戦略課)
編集:星野 惇(同上)

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