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新宿区情報化戦略計画、課題はガバメントクラウドへの移行~新宿区CIO×都CIO座談会①~

東京都・区市町村CIOフォーラムにおける活動の一環として、都内各自治体CIO等へ「東京都・区市町村CIOフォーラムマガジン」を発行しております。今回は、マガジンに掲載した内容を一部公開します。
第17回は、「新宿区CIO×都CIO座談会」をお届けします!

※CIO(情報統括責任者):組織の情報戦略における最高責任者
※東京都・区市町村CIOフォーラム:都CIOと各区市町村のCIO(主に副首長)等が相互に密接な連携と協力を深め、電子自治体の構築や行政施策へのICT活用等の諸課題に関して、テクノロジー情報や導入ナレッジの共有化を通じて、都及び各区市町村のDX施策推進に寄与することを目的として設置。

※この記事は全2回でお届けします。

令和3年11月16日に、「東京都・区市町村CIOフォーラム第17回座談会」として新宿区CIOと都CIOの対談を実施しました。

参加者(敬称略)
新宿区CIO:新宿区副区長 寺田 好孝
新宿区情報システム課長:岩田 弘雄
新宿区情報システム課課長補佐:村田 新
都CIO:宮坂 学
都デジタルサービス局戦略部長:深井 稔
都デジタルサービス局戦略部戦略課長:小澤 洋之

新宿区情報化戦略計画

社会情勢により変容する計画

―新宿区様の取り組みについてご紹介をお願いします。

新宿区情報システム課長:岩田 弘雄(以下「岩田」):
新宿区の情報化戦略計画についてご説明させていただきます。
本区では、区政運営におけるICTの役割と方向性を明確化するため、平成30年3月に10ヶ年を計画期間とする新宿区情報化戦略計画を策定しています。
また本年3月には、新型コロナウイルス感染症の感染拡大、国の自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画の策定を受けて、計画の改定を行いました。
新型コロナウイルス感染症の拡大を通じて、行政のデジタル活用について様々な課題が浮き彫りになりました。これを踏まえ、新型コロナウイルス感染症拡大防止に向け、新たな日常に象徴される社会構造の変革、世界全体の行動変容への対応として、デジタル化に向け重点的に取り組むものとしております。
自治体デジタルトランスフォーメーション推進計画については、自治体が重点的に取り組むべき事項、内容を具体化し、デジタル社会の実現に向けた取組を着実に進めていくこととしております。
具体的な取組例としては、AI、RPA等の利用促進です。本年度4月に、住宅宿泊事業、いわゆる民泊においてRPAを導入しました。これにより、派遣職員を3名減員するなど一定の効果を得ているところです。
またオンライン手続きの推進としては、東京共同電子申請届出サービスを活用いたしまして、今年度末に128の手続きが電子申請できるように、導入手続きを進めています。その他、情報システム標準化、デジタル人材育成など、より質の高い区民サービスの提供と、さらなる業務効率化を目指して取り組んでいるところです。

体制の整備

次に、デジタル化の推進に向けた体制についてです。
新宿区では、CIOを本部長とする新宿区情報化戦略本部を設置しており、情報化戦略の推進と、情報セキュリティ対策の充実を一体的に進めています。
本年度4月には、基幹業務システム再整備分科会を立ち上げました。標準システム業務を所管する部署・情報システム部門・企画財政人事部門などで構成し、標準システムの導入に向けて検討を進めています。

新宿区の課題

最後に当区の当面の課題についてです。住民基本台帳事務、税務事務、年金事務について、新宿ではホストコンピューターシステムで運営をしています。よって、システム標準化に伴う移行が大きな課題です。
特に税務事務は、他の業務と密接に連携しているシステムであることから、所管から人員を増員して、円滑に移行できるよう取り組んでいるところです。
次に、人材の育成についてです。情報システム部門はICTスキルの高い人材の育成、全庁ICTリテラシーの向上と共に、業務と情報システム全体を見渡し、業務改革を進める能力を備えた職員の育成が求められています。
こちらについては現在、研修所主催の専門研修、あるいは民間や税理士が実施しているeラーニングなども積極的に活用しています。また東京都に開催いただいている区市町村の職員勉強会も活用させていただいています。更なるデジタル化の推進に向けて、今後も継続的に職員の育成を進めていく必要を感じています。

ガバメントクラウド

都CIO:宮坂 学:(以下「宮坂」)
今、一番大変だと推察しているのは、ホストコンピューターで運用している17業務の基幹システムをどうガバメントクラウドに持っていくかということだと思います。実際の手応えや、逆に気になっている点や心配されている点はございますか。

岩田:
ガバメントクラウドは非常に気になっているところです。来年の夏頃には仕様も出てくるところですが、データ移行等も含め、どのような仕様になるのか、懸念になっていると考えています。

宮坂:
もう事業者の方とは話し合いを始めていらっしゃいますか。

岩田:
そうですね。各システムの状況等もお伺いしながら、どういった作業が今後出てくるのか、スケジュール等を含めて話をさせていただいているところです。

前半は新宿区の情報化戦略計画に基づく様々な取組を教えていただきました。後半もお楽しみに!

執筆者:福本 幸玲(デジタルサービス局戦略部戦略課)
編集:星野 惇(同上)

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