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東京に棲まう人々

東京に来て地元との違いを一番感じたのは、夢追い人が多いということだった。その頃は、自分も上京したばかりなので同じような人にたまたまたくさん巡り会えただけかもしれない。それでも、地元にいた頃には出来なかった馬鹿らしい理想や夢を語れる人がいて、それを面白いと同じように感じてくれる人が東京にはこんなにたくさんいるんだ、とすごく感じたことを覚えている。そして何より、自分とは違う世界に生きている人たちと関わって、大きく私の世界は広がった。

ダンサーと登山家

東京にきて初めて就いた職場はとても小さい事務所で、社員も4名ほどだった。そこで出会った同じ事務の仕事をしている人たちから、私はとても刺激を受けた。ある人は「ダンスをやっている」と話してくれ、自分が踊るだけでなく、実際に講師としてダンスを教えていたり、振り付けを考えたりもしているらしい。私はダンスの世界に全く触れてこなかったが、そんな私でも彼女がとてもすごいスキルを持っていると伝わってきた。とある日、「ダンスのショーがあるから良かったら見にきて」とのことで、初めてダンスを見に行った。その人の他にも色々なチームがダンスを披露していて、様々な踊り方、コンセプト、衣装。新しい世界に圧倒された。そこから実際にダンスを始めたり、好きになったわけではなかったが、何かに情熱を持って取り組んでいる人を見るのはいつだって刺激をもらえる。

またある人は、登山が趣味だと語っていた。精神力を高めるために始めたところ、すっかり趣味になったらしい。その人はいつも自信に溢れていて、私はとても憧れていた。そんな人が、「精神力を鍛えるために」登山をしていたなんて少し驚いたと同時に、みんな同じような悩みを抱えながらそれぞれの方法で対処しているのか、と感じたことをすごく覚えている。私も自分なりの方法で何かしてみようかな、と思いそこから瞑想を始めたりもした。

映画との出会い

私は映画が大好きなので、多い年だと年に200本見たりする。とは言っても、実は映画を好きになったのは最近で、東京で映画好きな人に出会えたからだった。その人は映画監督になりたいというほど映画が好きで、自分で動画を作ったりもしていた。そういう人も今まで周りにいなかったのでとても新鮮で、どんなに映画を勧められても見てこなかった私が初めて映画をちゃんと見るきっかけになった。
なんとなく洋画に対して言語の壁のせいで苦手意識があったのだが、見てみると日本とは違う雰囲気がとても面白く、もっと色んな作品を見たいと思うようになった。そこから海外ドラマや映画を見漁り、海外のゲームにも手を出し、ついには英語を学んでコミニュケーションを取れるようになった。そのおかげで、今では英語圏の友達も何人か出来た。
なんてことない一つの出会いが、ここまで大きく私の世界を変えてくれたのだ。

今では月に2回は映画館に行っている

場所を変えれば人も変わる

上京してから職場や趣味、遊びの内容など色々と変わったが、やっぱり大きく影響を受けたのは人との関わりだった。それがあって、知らずのうちに自分の趣味が少しずつ変わり、見える世界や目標などが変わっていった。住む場所も職場も関わる人も新しくなって、目まぐるしい時期もあったが、それを越えて振り返った時に自分がとても大事な経験を出来ていたのだと感じる。

Written by HINA

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