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AIの本質とは〜イノベーションサミット2019に参加して〜

本日は、広島県で開催されていたイノベーションサミット2019へ参加してきました。

【第1部】
◆ 13時00分~: オープニングトーク
 ・広島県知事 湯崎英彦
 ・東京大学大学院 情報学環 専攻長 中尾彰宏

◆ 13時10分~: スポンサー挨拶
 ・KDDI株式会社 執行役員常務 技術統括本部 技術企画本部長 赤木篤志

◆ 13時15分~: 基調講演 「人工知能が日本の産業競争力を強くする~イノベーションを地方から起こす!」
 ・東京大学大学院 工学系研究科 特任准教授 松尾豊

◆ 14時25分~: パネルディスカッション「テクノロジーが拓く未来~情報技術と地域創生」
 ・広島県知事 湯崎英彦 (登壇者)
 ・東京大学大学院 情報学環 専攻長 中尾彰宏 (登壇者)
 ・株式会社エムスクエア・ラボ 代表取締役 社長 加藤百合子 (登壇者)
 ・株式会社リ・パブリック 田村大 (モデレーター)

【第2部】
◆ 15時30分~: ピッチイベント KDDI ∞ Labo MeetUP
 - スタートアップ企業によるビジネスプランのプレゼンテーション -
 <登壇者> 募集中(5名程度)
 <審査員>
 ・KDDI株式会社 ビジネスインキュベーション推進部 部長 KDDI∞Labo長 中馬和彦
 ・マツダ株式会社 執行役員 梅下隆一
 ・カルビー株式会社 Calbee Future Labo クリエイティブ・ディレクター 山邊昌太郎
 ・株式会社リ・パブリック 共同代表 田村大
 ・三井不動産株式会社 ベンチャー共創事業部 31Ventures パートナー 山本隆史
 ・広島県商工労働局 イノベーション推進部長 上丸敦仁

引用:

https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/innovation/innovationsummit2019.html?fbclid=IwAR3pgYmnqTn22JcyyE0vLLugYcYkmIFFnDqkXqmQtoSk1oK4EKgA8NnG43s

どれもかなり面白い内容で、かなり勉強になったのですが、
その中でも一番、印象的だったのが東京大学の松尾先生による基調講演でした。


AIに関して20年近く研究をされておられています。
初学者の自分でもかなりわかりやすく噛み砕いて教えてくださいました。

今回は僕が感じたポイントをお伝えさせて頂きたいと思います。

①AIの本質とは・・・

AIという言葉はもう聞いたことがない人はいないと思います。
それだけ言葉として認知されています。しかし、AIはスーツケースワードとして便利用語となっています。
今、世間で言われているAIには3種類あると言われていました。

・ITのシステムの言い換え
音声入力など、今まではアナログでやっていたことをIotにした場合で用いられています。マーケティングとして言葉が用いられることが多い領域です。

・ビッグデータ系
これは言い換えれば統計のことです。国勢調査などに用いられています。

以上の2つは広く捉えればAIではあるが、どちらも既存の技術ではあります。

・ディープラーニング
これが、AIとして革新的と言われています。
数十年に一度の革新だとも言われていました。
ここ最近で、できなかったことができるようになった事例のほとんどにディープラーニングが用いられているようです。

ディープラーニングの本質は
「深い最小二乗法」と言われていました。
つまり、「y=ax+b」のグラフで構造的にはかなり単純ということです。

そして何が“深い”のか?

A地点からB地点まで直線的に行くことは“浅い”ということです。

同じA地点からB地点へ行くにしても、様々な箇所を経緯して辿りついています。
これが、“深い”ということです。

その都度、その都度、学習をしながら、B地点を目指せるようになります。
この遠回りを自分でしてくれることに価値があるようです。

そして、ディープラーニングが出てきた今、
重要なのは技術力ではなくなってきていると言われていました。
大事なのは、データを収集することであると。

例えば、自動画像診断
必要なデータは画像と病名です。

画像は各種医療機関との連携、病名は医師との連携

つまり、何を成し遂げたいかにより、集めるデータを決め
そのデータをどうやって集めるかが、ヒトの重要な仕事かもしれません。

②ディープラーニングは“眼”である

現在のディープラーニングよる画像認識の精度はかなり高くなってきていると祝えれていました。
ディープラーニングによるエラー率は2%程度。
人間のエラー率はなんと5%程度だそうです。
画像認識という点においては人間よりもはるかに優秀です。

この画像認識の技術をロボットに搭載することで、ロボットが学習をしていくことになります。
つまり、画像認識というロボットにおける“眼”の発展が著しいのです。

③労働集約型の問題は人の“手”ではなく“眼”である

労働集約型として頭に浮かぶのは
介護、農業、医療等々。たくさんあると思います。

これらの業界では“人手”が足りないとよく言われます。
それは本当に人の手だけでしょうか?
仮に人手だとしても、それはロボット技術に変わっていくでしょう。

何かの判断をするときにも“人手”を使ってしまっています。

例えば、
この治療をするのはどんな人なのか
農作物の収穫時期の見極め

つまり、何かを判断するときの“眼”が問題になっています。
この眼の問題をディープラーニングで解決をしていくのです。

④AIの真の価値とは

今の段階でAIの活用は簡単に言えば、人の代わりを担っています。
工場の機械をロボット化して人件費を削減したり、
中国では無人レストランも出てきています。
しかし、これは本質的ではないと言われていました。

例えば、初めてエレベーターができたとき。
1Fから2Fへ簡単に移動できるようになった。
そんなの階段で登ればいいはずです(障害を持った方々には画期的)。

エレベーターの真の価値はそこではありません。

エレベーターができたことである物を作ることができました。

それは高層ビルです。

高層ビルを建設できるようになったことこそ、真の価値なのです。

そういった意味ではAIの真の価値を創出できているところは、
世界で探してもまだあまりない。と言われていました。

まとめ

僕も初めてAIについて勉強をさせて頂きましたが、
川上ではもう社会が変わり始めているんだなと実感しました。
1時間の講演でしたが、自分の中ではかなり衝撃的でした。


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