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【木戸幸一日記の感想】会食、ゴルフ、会議、ゴルフ、視察、ゴルフ、etc……

最近『木戸幸一日記』の上巻を読んでいる。木戸幸一と言えば戦前に内大臣を務めた明治の政治家だ。維新の三傑・木戸孝允の親族(養子の子らしい)でもある木戸幸一は終戦時にA級戦犯となったが後に釈放される。その釈放の判断の際に参考資料として重要な資料が本人がつけていた日記である。

普通この手の一次資料はどれも高額で手が出せない印象にあるが、『木戸幸一日記』の上巻に関しては3000円程度で売っていたので買ってみることにした。何気にこの手の一次資料を読むのは初かもしれない。

読んでみると木戸幸一の生活はほとんどゴルフだ。会議と会食もあるが全体的にゴルフ率が高すぎる。上巻は1930年~1937年までの日記が載っているようで現在1930年の範囲だけざっと目を通したが、本当にゴルフしかしていない。1930年はアメリカにいるところから始まるが、日本へ帰る船の上ですらゴルフをしている。

濱口雄幸が狙撃されたときには若干なりともその事件についての記述が普段よりも書いてあるが、その2日後にはゴルフをしている。現代だったらゴルフしたこともわかってしまうのでこんな事件が起こった後にすぐゴルフするなんて叩かれてしまうので流石にやらないと思うが、戦前のバレないという環境であればやってしまうのだろう。案外政治家というのは冷めたものなのかもしれない。現代の偉い人もこんな感じの趣味生活なんだろうか。

もちろん終戦に近づくにつれて緊迫していくとは思うけど、戦前について書かれた本はたいていシリアスな筆致なのでこういう呑気な描写を見ると新鮮に感じる。

ハインリッヒ・シュネーの『「満州国」見聞記』も上記の記事で感想を書いたが面白い本だった。手記や日記等の本は生の感情が書かれてたりするので他の歴史本とはまた違った面白さがあるように思う。今後は手記や日記や旅行記なども漁ってみようかなと思う。

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