<ゲームの売れ行きアップ方法>第51回:なろう作品が何故売れているのか?

 インディーゲーム開発者やパブリッシャー向けに「ゲームのクオリティアップや売れ行きを増やす方法」を解説していくシリーズ。

 第51回は「なろう作品が何故売れているのか?」です。

 

<ゲームの売れ行きアップ方法>第51回:なろう作品が何故売れているのか?>


 なろう作品の小説や漫画がかなり売れていて、アニメも多く作られています。

 普通のファンタジー作品は昔からあり、ロードス島戦記やスレイヤーズ、フォーチュンクエスト、良質な冴木忍さんの作品(過去作品をkindleでどんどん出していくべき)、その他色々な作品でも人気があったのですが、それらから派生的に生まれたなろう作品が今は多くの人が思っている以上に大きな市場になっています。

 なろう作品と一般的なファンタジー作品の違いとしては、「なろう作品は読み手をできるだけこまめによく気持ち良くさせるストーリーや設定にしているのが多い」という事でしょうか。
 普通のファンタジー作品でも恋愛要素を入れたりしていましたが、なろう作品ではわりと多くが「もてまくり」みたいな感じで、主人公に自分を投影している読者はそのもてもてのおかげで読んでてずいぶんと脳が気持ち良くなるのでしょう。
 性的な要素をかなりの頻度で入れていて、それでも脳を気持ち良くさせています。

 また、主人公の無双的な展開と賞賛のシーンも入れまくってこれでもずいぶん気持ち良くなります。

 小説や漫画、映像、音楽、ゲーム色々なコンテンツにおいて、ユーザーの脳をこまめに気持ち良くさせるという事に腐心するのは、なろう作品の売れ行きでもわかる通りコンテンツの売れ行きを良くするのにつながるのです。

 本シリーズの連載でグラフィックや効果音、ゲームバランスやその他の事でゲームプレイ時の気持ち良さを大きくするよう繰り返し指摘したのは、それがソフトの評価を高めて、また売れ行きも確実に増やしてくれるからです。
 
 また、「プレイ中にパワーアップアイテムを取ると短時間ではあるが、無双的に敵をどんどん倒せる」という要素をゲームに入れてみると、その爽快さでプレイ時の気持ち良さが大きくアップするという事もあります。
 スーパーマリオのスター的な無敵時間だったり、ヴァンパイアサバイバー系ではプレイヤーの攻撃力が大幅にアップして短時間敵を大量にぶち殺せる爽快な時間が合間に入っていると、その気持ち良さがゲームの評価を高めて、売り上げアップにもつながるでしょう。
 ソウルライクゲームでもそういう要素をたまに入れるとプレイ感も違ってくるかもしれません。
 難しいばかりではなくたまに爽快に敵を倒しまくれる瞬間があったり。
 

 繰り返しますが、ゲームの売れ行きを増やしたかったら「いかにこまめにユーザーを気持ち良くさせるか」をしっかり考えてゲームを作ってください。

 また、逆に「脳が気持ちくなるのを阻害する」という要素はゲーム内ではできるだけ減らすようにしてください。
 イライラがたまるような難易度設定とか、無駄に長い移動時間、退屈なキャラクターの会話が長時間続く、長めのムービーシーンや、RPGなどでも大きすぎる町や家の中などで探索を面倒にしてしまう、その他にも脳が気持ち良くなるのを阻害する要因が色々あるので注意しましょう。
  
 

このシリーズは私のnoteの「ゲームの売れ行きアップ方法」のマガジンで連載しています。
第1回から順番にお読みください。


次回は第52回「新規層を呼び込む安いゲームも出してみる」です。

3DダンジョンRPGなど同じジャンルのゲームを出し続けているメーカーもあります。
そういうメーカーは「値段がかなり安い入門用ソフト」というのをリリースすると、それがかなりヒットしたり、すでに発売済の同ジャンルのソフトの売れ行きを増やす効果があるのです。

https://note.com/tokumeinanasi/n/ndef54fd61916