投稿小説のPV数を増やすイメージイラストの話(カクヨム、小説家になろう他)

カクヨムとか小説家になろうなどの小説投稿サイトで頑張って小説をいくつもアップしていも、PV数が少なくてがっかりしている人はかなり多いと思う。
客観的に自分の小説を見てきちんとクオリティがあるなら、今回提案するように「投稿小説のPV数を増やすために、自分で作ったりイラストレーターに依頼してイメージイラストを作ってもらう」というのも検討してはどうか。

今回する話は投稿小説のPV数が思ったほどいかず苦しんでいる人達だけでなく、イラストレーター達にとっても自分の仕事や収入を増やす素敵な話になっているので、是非最後まで読んでみて欲しい。

イラストレーターも「投稿小説のPVを増やすイメージイラスト製作の仕事もお受けしています」とココナラとかXやnoteなどでやってみたり。

<魅力的なキャラのイメージイラストは小説を読ませる人を増やす効果がある>

商業作品としてリリースされている小説の多くは「表紙の絵のキャラクターが魅力的だとそれだけで小説を読んでみたいと思う人が増えて売り上げも増加する」という事になっている。
「表紙の絵のキャラが良いなぁ」と思うとそれだけですぐ買ってしまう人もわりといる。
だからこそ出版社は魅力的な表紙絵を描けるイラストレーターを採用するし、「絵師ガチャ」と言われるように上手いイラストレーターが自分の小説のイラスト担当になってくれたらそれだけでも作品の売れ行きが結構違ってくる。

投稿小説の世界においては、カクヨムだったり小説家になろうは純粋に小説の内容で楽しんで欲しいと思っているから運営側はイメージイラストを追加する機能は搭載していないんだろう。
しかしXやnoteとかその他のSNSで自分の小説を紹介する場合、文字だけで「こういう小説です。読んでみてください。」と言うより、魅力的なイメージイラストを一緒に提示しながら「この小説はこちらの小説投稿サイトで読んでみてください。」とやると、それがPV数を結構増やす効果がある。

絵という形でキャラのデザインが前もってあると、それによってよりキャラにはまるという効果もある。

だから自分で魅力的なイラストを描ける人はいろいろイメージイラストを描いたり、自分では絵がきちんと描けない人はイラストレーターにイメージイラストをまずは一枚でも描いてもらうよう金を出して依頼してみると良い。

<どれくらいの価格が適正なのか?>

イラストレーターにイメージイラストを一枚依頼する場合、作家側からキャラクターの性格とか容姿、コスチュームなどのデザインに関する情報を提示する事になる。
その後は双方でやり取りしつつキャラデザインを決めていく感じだ。

複数のキャラクターをデザインすると手間とコストが人数分かかるので、「メインヒロイン一人のキャラデザと、表紙絵のような感じのイメージイラスト一枚の製作をやってもらう」みたいな感じになるだろう。
女性向けの投稿小説の場合は、魅力的な男キャラのデザインとイメージイラスト製作という風になる。

キャラデザの時はどういう感じのキャラにするかは、作家側からもらった情報を元にいくつものデザインパターンをおおまかにイラストレーター側がラフな絵で提示し、その中から小説家側が選んだデザインパターンでさらに細部のデザインをつめていく。
コスチュームも一緒にデザインしてもらう事になる。
こんな感じでやり取りを繰り返すので最低でも一体につき一万円くらいはイラストレーターは欲しいだろう。本来はもっと高くもらうべきだが。

そしてキャラデザインが確定した後は構図やポーズなどのデザインを何種類かラフに描いて提示してから下絵制作などを経て表紙のようなイメージイラストを一枚描いてもらう。
モノクロ系の鉛筆画風、漫画のようなペン入れとトーン風か、カラーでもアニメ風の塗りでやるなら一枚一万円で引き受けてくれるイラストレーターもいると思う。
カラーでもっと丁寧な塗りをやったり背景も凝った物を描く場合は一枚4,5万円が適正な価格かと。

イメージイラストには必ずイラストレーターの名前を端の方に記載しておく。

こんな感じで、一体のキャラデザインとイメージイラスト一枚の作画の分であわせて二万円くらいが適正な価格なのではと思う。(モノクロかアニメ塗りカラーの場合)
ただし後述するようにイラストレーターにとっては「その後に自分の知名度や仕事や収入が増える効果がある」ので、もう少しおまけして15000円から17000円くらいで引き受ける人もいるかもしれない。

<SNSでの繰り返しの宣伝も含む契約にする>

イラストレーターは仕事を引き受けた際、キャラデザインとイメージイラスト一枚の制作だけでなく、「自分のXのアカウントなどで一年に10回くらいこの小説の紹介をする」というのも契約として含めておくと良いだろう。
「私が以前イメージイラストの仕事を担当したこの作品は、こちらの小説投稿サイトで読めます」みたいなリンク付で紹介という感じ。

小説を投稿している人は自身のアカウントはあまりフォロワーがいない人も多く、そういう人にとっては「キャラデザとイメージイラスト一枚の制作だけでなく、それなりにフォロワーがいるイラストレーターにSNSで小説を繰り返し紹介してもらって投稿サイトでのPV数が増える」という大きなおまけが付くと、15000円から20000円くらいの価格がずいぶんお得に見えるだろう。

<実はイラストレーターにとっては色々なメリットがある>

正直イラストレーター側にとってはキャラデザとイメージイラスト一枚製作、さらにSNSで年に10回くらい紹介のつぶやきをするというので二万円以下の稼ぎというのはわりにあわないと思う人も結構いるだろう。
小説作者とのやり取りも複数回する事になるし。

しかし実はこの仕事は「後になって色々なメリットが付いてくる」という事にもなっている。

自分がイメージイラストを担当した投稿小説が人気を博すと、より多くの人にイメージイラストを見てもらう事になり、イラストに記載されている自分の名前も見られて知名度がどんどん上がっていく。
それによって出版社やゲーム会社に「このイラストレーターの絵は魅力的だ」と思われて仕事の依頼が来る事もある。

またその小説が人気になって書籍化する場合、イラストレーターの技術がきちんとしている場合は出版社からこのオリジナルのイラストレーターにシリーズ作品の仕事の依頼をする場合もあるだろう。
小説を書いた人側からも「自分の作品が人気が出たのは、このイメージイラストがあったからこそだ」と思って、書籍化の際のイラストレーションをこの人に担当してもらうよう出版社側に働きかける人もいるのではと思う。
まとまった仕事が入って来ることになる。

残念ながら出版社の意向などで書籍化の際はイラストレーターを変えられた場合も、小説家が「自分が昔お世話になった」と恩を感じていたら、XなどのSNSであなた(イラストレーター)が出す画集だったり漫画家としても活躍している人はコミックの宣伝のポストをした時に作家がリポストしてくれるかもしれない。
その小説家が多くの読者を獲得するほどの人気小説家になった場合、今のうちに恩を売っておくと色々なメリットが自分に還ってくる事になるわけだ。

目先の利益は少なく見えても、実はその後ろには結構な利益の影が潜んでいる。


<ファンアートという名目でさらに恩を売っておく>

一度仕事としてキャラデザを担当した後は、そのキャラを使って鉛筆画風とか漫画絵風でもいいのでファンアートとして追加のイラストを時間の空いた時に時々描いてXなどで投稿してはどうかと思う。

小説を書いた人は「自分のIPのキャラを勝手に描きやがって」と怒ったりはせず、「え、追加のイメージイラストを描いてくれたの?また小説のPV数が増えるからこのポストをリポストしなきゃ」という風に拡散してくれる。

そしてその小説が小説投稿サイトでそこそこ人気が出ていた場合、「イラストレーターのアカウントでは小説のイメージイラストを時々投稿してくれるかもしれない」と思った人達はどんどんフォロワーになってくれるわけだ。

金銭的な利益は発生しなくてもフォロワー数増加という後々金銭的な利益を増やす効果が無償のイラスト製作であるわけだ。

小説家も好感度が上がって「追加のイメージイラストの仕事をお願いしようかな?」と考える人もいるかもしれない。


<AIイラストで小説のイメージイラストを作ってはいけない理由とは>

今はAIでもそれなりにクオリティのあるイラストを作れるので、「イメージイラストはAIを使って作ればいいか」と思う人もいるかもしれない。
すでにそれをやっている人もわりと見かける。

ただ、小説を好きな人はイラストも一緒に楽しんでいる人も多く、魅力的なキャラクターを描いてくれる数々のイラストレーター達にリスペクトを持っている人も非常に多い。
そういうイラストレーター達の仕事をどんどん奪い、そのせいで将来廃業に追い込まれるイラストレーター達の事を考えると、「AIでイメージイラストを作る」は小説愛好家達の反感を買いかねず逆効果になってしまう事も。

AIイラストもエロ同人系の作品では人気を博している一方、一般向けのイラスト集や小説の絵として使うのは残念ながら向いていないと思う。
アマゾンでAIで作ったイラスト集を出してもほとんど相手にされてないというのは作っている人達もよく理解しているだろう。

消費者は絵のクオリティだけで物を見ているのではない。そこに一緒に何らかの情報が追加された状態で物を判断しているのだ。
絵だけを見ればAIイラストのクオリティは高くなっているものの、「AIでズルしやがって」だとか「AIイラストはイラストレーターの仕事を奪う」みたいなマイナスの情報が一緒に付随してしまっているから、安易にAIイラストを小説のイメージイラストに利用するというのはおすすめできない。

有名な会社がAIイラストを採用したらSNSでボコボコに叩かれるのをよく見てれば、今はAIイラストに拒否感を持っている人がかなり多いというのはよくわかるだろう。
AIイラストはどういう使い方をすると消費者の拒否感を減らせるかはまだ試行錯誤する段階だと思う。

<PV数を増やすために手間やコストをかけるのは商業の世界では当たり前の行為>

イメージイラストを作り、それをXやnoteその他のSNSで一緒に提示しつつ「私の小説はこちらの投稿サイトで公開中です」みたいに紹介するとPV数を増やす効果がある。
また、「このイメージイラストは作品紹介の際に勝手に使っても良いですよ。」とやっておくと、SNSで他のユーザーがイラスト付きで紹介してPV数を増やしやすくなる。
そのため、こういう事は今後同じようにやり出す人が増えていくだろう。

やがては「投稿小説でそれなりのPV数を出すには、魅力的な絵を描けるイラストレーターにイメージイラストを描いてもらう」みたいなのが当たり前になってしまうかもしれない。
今回のこの記事をXなどでイラストレーター達がどんどん紹介すると、イラストレーター達にとっては自分達の仕事を結構増やす事につながるだろう。

しかし投稿小説の世界に商業的な慣習を持ち込んで欲しくない人にとってはあまり望ましい事とは言えない。

ただ、残念ながらカクヨムも小説家になろうも趣味で小説を公開している人達がいる一方、「将来真面目に商業化を目指している」という人達もかなり多い。
そういう世界で「自分の作品をより目立たせるためにイメージイラストなどをコストをかけて作ってみる」は、作品数があまりにも増えすぎて魅力的な作品でさえ埋没してしまう状況では仕方ない事なのだと思う。

「作品の魅力だけでPV数が増えていき、やがて商業化もできる」は、よほど強力な魅力がある作品以外は無理な話だ。

今回した話は、出版社に頼らずkindleで自分で小説を出している人にとっても「表紙絵で魅力的なキャラ絵で惹きつけると作品を読んでくれる人を結構増やす効果がある」という事なので是非参考にしてもらいたい。


小説を投稿している人や、kindleで自分で小説や漫画を出している人達にとっては、以下の記事も色々参考になるだろう。