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ハワイの恋が終わり苦しみの先に、悟りへの道が開けた 41

第五章41 元に戻ってから

 別れてから11か月がすぎて、クリスのことを考えない時間が増えてきた。とはいえ、一日に10回くらいは思い出しているだろうか。ただ、思い出してもすぐにかき消して、自分の中心に戻れるようになった。

今日は彼らが幸せでいれば良いか、などとも一瞬思えた。Eメールでは、幸せを願っているとは書いたが、うそも方便だ。

龍一とは心が通っている。私に陰陽のエネルギーを交換させてくれているのには、本当に感謝している。少し前まで、私の結婚相手が出てきてしまったらどうしよう、どう龍一をなだめたら良いか、なんて考えたりした。

そんな事は、なるようになるのだと思う。今を大事に、お互いを大事に慈しんでいれば、また次の展開があるのだから。

私がおかしくなったのは、私をおろそかにしたからだ。彼は誠意をもって、私に誕生日プレゼントを持って来たつもりかもしれない。でもそれは、私に逆の効果をもたらした。あの時のスーパーマーケットのバラの花束と、25ドルのギフトサティフィケートは、私の心を傷つけたのだ。

反対に私を救ってくれた龍一には、私は誠意を尽くすし、必ず良い関係を続けていける。私は幸せだ。

昨日、白いポルシェマカンを買った。クリスと別れる前に買おうかな、とクリスにも話したのだった。だから最後に会った時は、ポルシェ買ったの?って聞かれた。予約はしたものの、納車までには5ヶ月待ちだった。ポルシェが来るころには、きっと気持ちも平気になっていると思った。

現在、クリスとの全ての繋がりを遮断している。閉ざすことが出来るようになった、ともいえる。 

以前は、彼の暮らしぶりを知りたかった。聞いては怒りと嫉妬、又は同情が交互に出て来ていた。今は、私に彼の事を何も知らせないように友人にお願いしたから、一切噂が耳に入らなくなり、それが良かった。

平気になったのなら、会ったって良いのでは、と思っていた。それが間違えで、私の執着が長引いた。もっともっと早いタイミングで、遮断すべきだった。恋愛達人の友人、ケリーの言う通りだった。

波動が合わないのだから、絶対偶然にも会わない。と言い聞かせている。彼の重い波動と、私の軽い波動とは、合わないのだ。至近距離に住まいがあっても会うことは無く、すれ違うのだ。会ったら同情してしまう。幸せそうなら嫉妬する。

クリスが幸せなわけがない。だって時子のことは好きなタイプではないし、心を開かない相手は、彼も心を開かなくなる。彼はコピーの名人だから。

ああ、そんなこともどうでもよい。

それより、私は楽しいことを考えよう。私は、成長できて本当に幸せだ。

 今日は龍一とケリーと飲みに行く。恋愛の達人、ケリーには感謝している。ずっと私の話を聞いてくれた。ハレクラニホテルのバーに行くことにした。ジャズの生演奏があり、薄暗い大人のバーだ。ハワイのトップホテルと言っても、リゾート地のホノルルだから、少しオシャレして気兼ねなく入る。

龍一は大人だから、この点は安心して私はエスコートされる。


ハレクラにホテルのカジュアルレストラン
House without key 


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