ハワイの恋が終わり苦しみの先に、悟りへの道が開けた 37
第五章37 ハワイで入籍
クリスはフルーティストなので、前年の国総領事館の総領事の時から、天皇誕生日の祝賀会で君が代を吹く依頼を受けている。
これには、
「りさは彼女だけど、妻ではないから、同伴者として一緒に行けないよ。」と言われていた。
今思うと、彼は結婚相手が私では無いことを、予知していたのかもしれない。
この式典では、りさの親友二人が毎回招待されている。
その一人、ルビーからテキストメッセージが入った。
「クリスはハワイで結婚したらしい」
私は胸が締め付けられた。でもこの時、まだクリスに執着しているかどうかの神様テストだと思った。
胸が痛くなったすぐ後に
「なんで胸が痛いのだろう、私はクリスが好きなの?
私はクリスと結婚したかったの?」
と自問自答した。あきらかに答えは「ノー」だ。15分もかからないうちに、胸の痛みが消えていった
「ああ、やっとクリスへの執着がなくなってきた」
3年半も私の隣で寝て、ご飯を一緒に食べて、ずっと一緒にいたのだ。少し辛い感覚があったって人間だもの、当たり前。これが味わいたくて、今世に生きているのだ。私は相当成長した。悟りの勉強を始めてから、ここまでになった。
(偉いぞ、私。可愛いよね、りさ。人間らしくて、感情が出ても、感じていれば良いのだよ)
私はパーティに参加をしている、もう一人の親友マリアに
「クリスが入籍した、ってルビ―が言ってきた」とテキストを送った。
すぐ返事が来て「そうらしいね。。。」
夜中になって、マリアから電話が来た。
「実はパーティの後、クリスと飲みに行ったの」
「クリスは、りさの事は今でも大好きって言っていた。でも、りさはクリスと別れて良かったよ、彼はだめだね」
「どうしたの?」私はマリアに聞いた
「今、モテているらしいの。もし私が彼を誘ったら、落ちたと思うわ。チャンスがあれば、彼は誰とでも寝るわよ」
マリアは言った。
「ハー?なんじゃこりゃあ」
と私はつぶやいた。彼はもう少し崇高な人だと、大間違えしていた。
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