物語の扉をチラ見してノックしない
むかーしむかし、マンガを描いていた頃がとっても楽しかった。
という話をたまに書くんだけど、何が楽しかったんだっけ?
たぶん、物語の世界にどっぷり入ってしまうことが楽しかったんだと思う。
自分で作ったキャラクター達なのに、描き進めるうちにみんなのことが分かってきてだんだん仲良くなってきて、え、そんなこと言うんだ、ってなるくらい勝手にしゃべりだして、描いてる方がへぇ~!ってなるようないいこと言ったり、そういう決断するんだね、ってなったり、友達になった感じがして、みんなに会いたくて続きを描いたりしていた。
あの感じ、また味わってみたいけど、だけどもうマンガを描ける気がしない。
なんで描けなくなったかいまだに自分で説明できない。
なんでだろう?
ちゃんと現実を生きろってことだったのかな?
今も現実世界できちんと生活できてますとは言えない。
でも、なんか、
あの、書くのが楽しかったことが恋しいというか、
最近、物語の世界への扉をチラチラと見ている。
また、おじゃまさせてもらえないかな、なんて。
でもなぁ、でもなぁ…
一冊の本が届いた。
『これさえ知っておけば、小説は簡単に書けます。』(中村航)
え、うそでしょ、小説書いてみようかななんて思ってるの?
自分で注文して自分でつっこむ。
高校生の頃言われたじゃないか、「とくこはマンガはおもしろいけど、小説は下手だね」と。
一緒に文芸同好会を作った友達に言われたじゃないか!
わー恥ずかしい!
でも、マンガと小説の違いって何かなって。
マンガだと絵で説明できるけど、小説ってそれを全部文章で読者に想像してもらわないといけないわけで、どんななのだ??
この本はすごかった。
小説とは何か、おもしろいとは何か、読みやすいとは何か、全部説明しているじゃないか!
「この本、おもしろいよ~!」
読んでいる途中、5回ぐらい夫に言った。
これ、noteにいる人たちが読んだらおもしろい小説いっぱいうまれるんじゃないかな。
わたしはまだ、物語の扉をノックできない。
書くんじゃなくて、読みたくなった。
いっぱい読んで、何年かしたらノックしたくなるのかもしれない。
読む方の扉を開けた…!
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