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リアル70年代〜洋楽女子話⑪日本フォーク

音楽とは腐れ縁だったかもなぁ、と。
母の私の音楽好きが災いしたのか、子供2人がポップスの作曲家と、クラッシック演奏家を目指すようになったのか?…とちょっと後悔?もなくはく無いけど。

70年代半ばから音楽が生きることを助けてくれた。
今の音楽も、過去のルーツやら、音楽に何かは影響されてるし。

今回は、R&Bから一転して、ちょっと遡りもある、日本のフォークの話。
中学1年、2年を早く終わらせたい!笑

中学時代のラジオでは、そりぁ圧倒的に日本人の曲が多く流れてて、リクエストやランキング番組も、日本と洋楽ごちゃ混ぜの番組もあった記憶が。
だから、中学時代はまあまあ日本のフォーク系とかも聴いていて。
反戦フォーク的なのも、ひと通りは聴いたけど、熱さが理解出来ずにはいたよね。
難し過ぎたんか?なんたって、ちょっと前までは小学生だったから。笑
が、エンケンさんや、高田渡は好きな曲もあったし、高石友也の『受験生ブルース』は、まだ当時も時々ラジオで流れてたかなぁ。

風と22才の別れ


かぐや姫より、実は風が好きだった。ちょうど『22才の別れ』が出たのも、中1だったし。

この曲は良いなぁってなった。伊勢さんの声も好きだったし、男女だけどドロドロじゃない歌詞も、中学生には良かった。笑
サウンドも、アコギの音がキレイで、ギターの教本なんかも書いてた、石川鷹彦さんの演奏だったんだわ〜。他の楽器は超控えめで、歌とギターを聴かせるアレンジ。
が、今聴くと、「22才で嫁に行くのか…」となる。イマドキなら、22才で結婚って言うと、まあ「ちょっと早くない?」ってなるよね。笑
客観的にも17歳から付き合ってたなら、もうちょい粘ったら?感はある。笑
が、私よりは少し上の世代だと、まあそんな感じよなぁ、って。

80年代でも、「女の子はクリスマスケーキ。24まではまだ売れる。けど、25になったら、売れ残りで誰も買わない」なんてことを、平気で言う人がいた時代だったし。
今なら、一発セクハラ案件な考え方が、まかり通ってたし、25歳で当時彼氏がいなかった私は、こんな扱いされてたしね。会社のそこらへんの男性なんかには。そんな扱いしない男性も、もちろんいたけど。
そんな文脈で考えると、『22才の別れ」は、時代を感じる、感慨深い曲ではあるかなぁ。
2番の「22本のロウソクを立て…」あたりからの歌詞とハモリが好きだった。「一つ一つが君の人生だね」ってところも。
『海岸通』『君と歩いた青春』とかも好きだった。何より、イルカがカバーして、ヒットした『なごり雪』は名曲。

井上陽水と吉田拓郎

井上陽水は、フォークの人のイメージが私には、あんまりなかったかなぁ。
『傘がない』と、『22才の別れ』はサウンドが違い過ぎてて。多分井上陽水ってジャンルって考えて、聴いてたかなぁ。笑
フォークグループに分類されてる、はっぴいえんどもそう。あの時は、メンバーを知らなかったけど、凄い人の集まりだったし。結果、後に作詞家になる松本隆を除く、3人のグループを知らずに選んで、好きになって聴いたな。笑

確かに、好きだった『風をあつめて』は、フォークっぽくはあったけど、ドラマーがいる時点で、私の認識は、ロック分類だったかなぁ。
吉田拓郎は、フォークの匂いはしたかなぁ。最初はね。
『結婚しようよ』とかは、そんな感じの曲だし、好きだったけど。
そう言えば昔、吉田拓郎が広島で活動してた時代にバックをやってた人と、知り合いだったなぁ。

まあ、お二人とも、ジャンルがどうの、方向性が変わったとか、そんなのどうでもよくなるような、優れたソングライターであることは、間違いなくて。
井上陽水は、もう人にも曲を提供しまくってるし、吉田拓郎は演歌の森進一(イマドキだと、ONE OK ROCKのTakaのお父さん認識か?笑)の『襟裳岬』は名作だし。お二人については、また改めて。

バンバンの『いちご白書をもう一度』

当時はバンバンだった、ばんばひろふみが歌ってたこの曲。まだ荒井だったユーミンの作だと言うのは当初から有名で、一度聴いて大好きに。ユーミンが書いてる時点で、フォークではないんだけどね。笑
タイトルになってる大学闘争を描いたアメリカ映画が、「いちご白書」なことを知って、映画を観たくて、探したなぁ。
公開は70年だから、曲が出た75年にはやってなくて、かなりしてから名画座的なところで観た。確か関連した本も買ったななぁ。

自分は幸せな時代に育ったなぁ…とは思うけど、安保も大学闘争も終わった、平和な学生時代を、当時ちょっと物足りなく感じてるところがある、中学生だったかなぁ。
大学には、まだ革マル派とかの立て看板があったりはしたけど、極めてノンビリした感じで、テレビで学園闘争とかを沢山見せられてきた世代だから、あの熱さみたいなものを、ちょっと羨ましく思ってたり。無いものねだりなんだけど。
高校生になってから、実際に学生運動してたけど、大学の講師になった先生からは、当時の色々、その後の就職とか挫折みたいな話も聞いた。
打ち込める何かがあることが、羨ましかったのかも知れない。当時のラジオのDJやってた人たちも、そんな経験がある人たちばっかりだったし。

レコードのプレゼント合戦

で、ばんばんは、その後ソロになり、
79年に出てヒットしたのが、『SACHIKO』で、シングルがウチにありました。何故か?
コレは当時の、サチコさん達には、あるあるかも?だけど、私の妹がサチコって名前で、当時中3ぐらいで。
妹のことが好きな男子から、彼女が貰ったから。笑

家にステレオがあったのは、私の部屋だけだし、妹は当時はあまり音楽に興味がなくて、「聴かないし、聴けないから持ってて」って言われて、私が持ってた。
妹は私とは全然似てなくて、顔も可愛いし、おとなしくて、性格良くて、何より優しいから、小学生時代から男女問わずにモテてました。
曲は悪くはない。ばんばんだって、歌は上手いし。が、オシャレさには、ちょっと欠けるよね、ジャケット写真だけでも。笑

が、確か初めて彼女がレコードを貰ったのは、別の人から、別のを貰ってた。発売も同じ79年だし、ほぼ同時期ぐらいだった。
それが、なかなかなセレクトで。
日本でも流行ってたから、ビックリはしなかったけど、イーグルスやリンダ・ロンシュタットに曲を書いてて、私も好きだったJ.D.サウザーの
『You're Only Lonely』で。笑
「なかなかやるな!コイツ」ってなった。ジャケ写真もカッコいいし。
(偶然にも、2枚のレコードのジャケは、似てるしね。笑)

当時の中3男子(64年生まれぐらい)で、コレを選べるってなかなかよ、そりゃ。笑
ドストレートなラブソングとかじゃなく、わりと聴きやすいサウンドで、好きな気持ちも、ちゃんと伝わる。今セレクトしても、私は「やるな!お主」ってなるわ。笑
私なら、多分コレで落ちてたな。
サウンドも好きなカントリーテイスト気味な、ウエストコーストアレンジ。
歌詞も大好きな、「キミに何かあったら、僕をよんで」的な、エルトン・ジョンや、キャロル・キングの大好きな歌詞の感じ。困った時は、寄り添うよ!一派だし。笑
中3男子は歌詞の意味わかってたんか?は謎だけど、「寂しかったら、僕をよんで」を選べるセンス!って。
まあ、ばんばんも「思い通りに生きたら良い」って言ってるけどね。こっちも、ビリー・ジョエルの「ありのままの君が良い」一派の歌詞ではあるけど。
私はどっち派の歌詞も、大好きで癒される派だけど、妹にはね。刺さらなかったっぽい。笑

ずっと音楽が大好きだったけど、私は一度も彼氏や男子からレコードを貰ったことはない。笑
青春時代、中高生なんかは特に、全くナシ。カセットテープは、ちょっとあったかも?
友達のお兄ちゃんに、ダビングしたテープを貰ったことはあるけど、それは全く恋愛は関係ないし。

このレコード合戦の1年ぐらい前に、私は音楽好きの男子に声をかけられて、仲良くなった。彼がくれたプレゼントは、極小の木彫りの熊(北海道土産)。
その後の人生振り返っても、一番「コレって、どう理解したら良いん?」ってなる品物で、結果上手くいかなかったんだけど。笑
だから、なおさら、「なんで?妹ばっかり、レコードなんて貰らえるんか?」ってなったな。笑
私にくれておけば。妹は共学、私は女子校の差もあるし、まあ、彼女と私の人徳の差なのかも知れない。
結局、彼女は特にリアクションしなかったのか、断ったのかはわからないけど、2人の男子とも、付き合ってないから、まあ振られたんよね。笑
が、やっぱり男子は、相手の女子の欲しいものがわかってない説はあるかなぁ。妹には多分別の物が良かった。私にはレコードが良かった。笑
今は違うのかも?だけど、当時だとたくさん、こんな話はありそう。 
で、2枚ともずっと私が持ってて、今はダンナの実家にある。笑
ま、曲をプレゼントするのは、今は手軽に出来る世の中になったけど、何を?いつ?どんな風に?プレゼントするのか、相手によっては、ムズイ選択になるのかもね。笑 
「重いプレゼント」にもなり得るし。

下校時は大合唱する小学生

小学生にも大流行りしたのが、コミックソング。学校からの帰り道、何人かで大合唱しながら、帰ってた。
低学年の時は当時ヒットしてた、ちあきなおみの『喝采』とか、いしだあゆみの『ブルーライトヨコハマ』、尾崎紀世彦の『また逢う日まで』とかを、イントロも歌って、振り付きで合唱しながら、友達と学校から帰ってた。本来合唱には全く向かない曲ばっかなんだけど。笑

ちあきさんは、その後も大好きで、活動をしなくなって、本当に残念。人の心を掴む歌が歌える人だと、子供ながらに感じてたから。美空ひばりより、断然好きだった。笑

で、小学生は今も彼らにハマる曲を、学校帰りに合唱するのは、健在で。
今、住んでる家が小学校のすぐそばで、通学路だから、元気に話したり、喧嘩したりしながら帰ってるのが、丸聞こえ。笑
だから、彼らが今ハマってるのは何かが、すぐにわかる。
鬼滅の刃がアニメになる前から、彼らは鬼滅の話(呼吸がどうのとか)をし、アニメになってからは、すぐに毎日LiSAの『紅蓮華』の合唱を聴くことになり。笑

小学生たちも、やっぱりサビの「どうしたって!」が歌いたいらしく、曲の頭と、この部分ばっか歌ってた。笑
Adoも、早かったなぁ。今はネットでいくらでも見られるから、次の波は
『うっせいわ』だった。笑

私は既に曲を知ってたけど、テレビなんかに出るより早かったから。小学生のブームは、なかなかの早さ。ナメたらアカン!
もちろん「うっせい!うっせい!うっせいわ!」の部分ばっかを、ひたすら連呼してたけど。

帰って来たヨッパライ

フォークとは関係ない方向になったけど、コミックソングは、そんな感じで、小学生に大人気だった。
もちろん『帰って来たヨッパライ』、
フォーククルセーダーズの曲は大人気になった。

めちゃくちゃ久しぶりに聴いたけど、死んだって言うけど、めちゃくちゃ明るい曲。笑
このテイストは、今の小学生にもウケそう。
他の曲を下敷きにしたり、色々な要素を入れたりしたようだけど、音楽の引き出しがない人たちだと、やっぱりこうはならなかったのかも?
あと、作詞が松山猛さんだったとは。ずっと知らなかった。
中高生時代、雑誌の「POPEYE」の愛読者で、お金がなくてもコレだけはずっと買ってて。その中で、松山猛の署名記事のファンで。この曲は歌詞も色々と面白くて、構成(神様が出てきたり)なんかも、考えてるなぁって。
好きなものを作る、好きな人は、あちこちで繋がってたんだなぁ…は、今この一連の昔の話を書きながら、つくづく感じていて。海外のバンドのメンバーだのも、色々繋がってることを知ったら、なるほど、やっぱり、ってなる。笑

走れコウタロー

この後に小学生にハヤったのが、当時ソルティー・シュガーの
『走れコウタロー』

最近もウマ娘なんかも、インスパイアされた曲をCMで使ってたり、野球選手の登場曲になったり。
当時、爆発的に小学生には人気があって。基本バンジョーの音が鳴ってて、フォークな感じ、カントリーな感じの曲。
歌詞はパロディとか色々あったらしいけど、小学生たちには「そんなの関係ねぇ」だったから、大声で歌ってたな。
当時、日曜日の昼のテレビでは、競馬中継を長々とやってたし、小学生も意外と競馬には親しみがあったかも?今よりは。
山本 コウタローは、その後
山本コウタローとウィークエンドで、大好きな『岬めぐり』をヒットさせたし。

この曲は、ちゃんとしたフォークっぽい曲だけど、リズム隊を録音したのは、シュガーベイブだったんだね。当時は、全く知らなかったけど。  

花嫁と風

『帰って来たヨッパライ』の
ザ・フォーク・クルセーダーズのメンバーが作った、はしだのりひことシューベルツの曲が、『風』。その後作った
はしだのりひことクライマックスの曲が
『花嫁』で、2曲とも大好きだった。小学生時代に聴いてたなぁ。
曲は2つとも、はしだ作。

『風』はちょっとアレンジが、当時の歌謡曲のテイストがあるフォーク。
イントロのホーンとか、ストリングスの入り方とか。今聴くと、懐かしいさはあるけど、古さもちょっとあるかも?
が、メロディーが好きだなぁ。やっぱり。そして、歌詞も深い。
『花嫁』は、女性ボーカルで、より歌謡曲テイストで、アコースティックな音じゃないアレンジ。

この曲で、紅白とかにも出たし、フォークは若者だけ、ちょっとマイナーな音楽な感じから、表に出た感じはあるかも?
駆け落ちを、ライトな明るい感じにした感じもある。演歌の駆け落ちは、暗いイメージだったけど。笑
作詞は、『風』も『花嫁』も北山修で、詞も好き。
北山修は私の中高生時代には、エッセイなんかも書いてて、好きで読んだ作家。
精神科医になるとは、曲を聴いた時代には思ってなかったけど、

悲しくてやりきれない

中学に入って、最初に聴いた時から好きだったけど、どんどん心に沁みて、フォークから1曲だけ選べと言われたら、私のセレクトは、
ザ・フォーク・クルセーダーズの
『悲しくてやりきれない』になるかなぁ。

詳しくはないけど作曲家として、加藤和彦は凄く良いなぁって曲をいっぱい書いてる人だって思っていて。
が、私は曲の中で、ベストを選べと言われたら、コレか
サディスティック・ミカバンドの
『タイムマシンにお願い』の2択になって、結果この曲になる感じ。
甲乙つけがたいけど、この曲は沁みたし、私が苦しい時に助けてくれた。
歌詞はサトウハチローで、当時の私のイメージでは、戦後の時期の歌謡曲や、私たちが幼稚園から歌ってた童謡の歌詞を書いて、詩集出してる人だった。
そんな認識だったけど、この曲の歌詞は凄いな、って。自分が歳を取ってより、そう思う。
「悲しくて」の後に「とてもやりきれない」と続くところが、悲しいだけじゃなく、その先の絶望感が、わかってる人なんだなぁって。辛い時に何度も思ったかなぁ。
あと、「モヤモヤ」って言葉は、今はわりと使うけど、昔はちょっと新鮮だったかも?
内容は最終的にも、悩みは解決しないままの歌詞で、それはそれで、悩んでる当事者には良いんだよね、って。
今はこんな、お気楽な内容の文章書いてるけど、かなりキツいこともいっぱいあったから、中高生から、折々にこの曲を聴いて、助けられてきたかなぁ。

メロディーはもちろん大好き。
アレンジ、バッキングは最小限に抑えた感じで、歌のメロディーと歌詞がダイレクトに届く構成。
缶詰状態で何時間かで曲を書いたとか、曲が降りて来た話は、色々なアーティストがしてるけど、この曲もそんな感じで書いて、それを持ってサトウさんの家に行って、歌詞をつけて貰ったとか。
実際、私の知る曲を作る人は、しょっちゅうじゃないけど、受信するらしい。
どこかから、メロディーとか、アレンジイメージが頭にやってくる感じで。
勝手な想像だけど、加藤和彦のメロディーを聴いて、サトウハチローも何か感じたのでは?って。曲が先にあったとは、感じさせない仕上がりで。
明るい曲じゃないけど、そんなに絶望的に暗い曲調じゃないのに、この歌詞をつけて歌うと、しっくりくる感じ。
マッチングって、大事だなぁ、と。
そして最近は、この曲を聴くと、違う意味で、「悲しくてやりきれない」気持ちになる。加藤さんが、亡くなってからは。
彼も「悲しくてやりきれ」なくなったのか、本当のところはわからないけど、この曲は、そんな気持ちの人に、力もくれると、私は実感してるけど。
YouTubeのコメント欄に、不登校で悩んでた今の若い子が、「流れてきたこの曲に救われた」って書いてたのも読んだし。
音楽には、不思議な力があるなぁって。

お盆休みや、お正月に1人で悲しくなっても、この曲があるから、大丈夫だって。笑

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